2025年3月28日(金)発売の『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2025年5月号に寄せて。編集長・田中杏子からのエディターズレター。
今年、私が目指したい女性は、自分の感性を信じ、スタイルも楽しみも自分目線で決めていく!という芯のある人です。それこそ人生の喜びだと知っていて、他人と比べたり振り回されたりせず、充足した時空間に身を置く潔さがある人です。心のままに妄想し、健康的にそれを具現化できる人。ウイットに富んだフェミニニティを併せ持ち、人生を謳歌している人。そんな女性になりたいと切望しています。今号では「私の人生の“ロマンスの主人公”は私なのだ」ということを伝えたく特集を組みました。
また、マーク・ジェイコブスご本人も登場しています。華やかな「ランウェイコレクション」を、カラフルな草花をふんだんに使い、笑顔あふれる写真に仕上げました(本誌p.70〜)。実は小誌2011年1・2月合併号の表紙も飾っていただいたことがあり、それ以来のご登場となります(今号の通常版では表紙にも!)。思えばデザイナーが生み出すコレクションを身に纏うということは、そのデザイナーのロマンスを纏うことにつながり、まるでマークのロマンスが花開いたようなヴィジュアルです。ご高覧をぜひ。

さて、皆さまにお知らせがあります。私、田中杏子は今号を最後に小誌の編集長を次なる方へとバトンタッチすることを決めました。思い返せば2007年4月号の創刊から18年とひと月、187号分のNuméro TOKYOを世に送り出してきました。人でいうと産声を上げてから成人する歳月です。編集長というポジションは譲りますが、クリエイティブ部門ではさらに力を発揮し、楽しんでいただけるコンテンツ作りに注力します。次なる編集長は創刊1年目から共に小誌を育て、尽力してきた水戸美千恵が指揮を執ります。ここまでご愛読くださった読者の皆さまには心より感謝を申し上げます。また支えてくださった関係各所の皆さまにも、この場をお借りして厚くお礼を申し上げます。そして、「新生Numéro TOKYO」を引き続きよろしくお願いいたします。
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