【エディターズレター】なぜその種をまいたのか。 出発点の種を見つけることで、 進む道が見えてくるようです。 | Numero TOKYO
Fashion / News

【Editor’s Letter】新定番は常に革新の中から生まれます。 人生における新定番だって同じです。

2024年8月28日(水)発売の『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2024年10月号に寄せて。編集長・田中杏子からのエディターズレター。

今号はファッションの「新定番」特集です。皆さんは定番というとどのようなものを思い浮かべるでしょうか。白のコットンシャツ? ベージュのトレンチコート? それともシルクのスカーフ? 流行に左右されないこれらのアイテムも、もともと登場した際には最新モードの一つだったはずです。でもそれらが時代を超えてたくさんの人に愛されるようになり、いつしか定番と呼ばれるに至ったのです。では「未来の定番=新定番」とはどのようなものなのでしょう?

今号の「リアルモード」(本誌p.54~)でセレクトした新定番たちは真っ赤なドレスやボディ、サイハイブーツ、マイクロミニスカート、モノトーンといったスタイリッシュな気分が反映されています。またランウェイから探る「新定番1アイテム」(本誌p.68~)ではアニマルモチーフ、フリンジ、ランジェリーのようなシースルールックといったオシャレ度数高めのスタイルが新定番として選ばれました。定番アイテムにも多様化が感じられますね。

足元は厚底だけどフラットなサンダルかブーツ、メガネは大きめ。これが最近のマイ定番スタイルです。アイウエアはGentle Monster、厚底シューズはsacai。お気に入りです。

ここまで書いたところで、ランジェリールックを定番化させたジョン・ガリアーノが脳裏をよぎりました。いま海外で、9月20日公開予定のドキュメンタリー映画『ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー』が話題だからです(本誌p.136)。こちらは名匠ケヴィン・マクドナルド監督が、天才でありながら孤高のデザイナーの半生に迫り、転落、贖罪、さらにはファッション業界の闇をもあぶり出す内容です。転落前のジョン・ガリアーノは革新的で固定観念をも変えてしまう才能にあふれたデザイナーでした。ランジェリールックを定番化させてしまうエネルギーには脱帽です。彼のようなデザイナーは常に「定番」を刷新し、さらには多様化させる力があるのでしょう。生きざまもまたしかり、ですね。

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Profile

田中杏子Ako Tanaka 編集長。ミラノに渡りファッションを学んだ後、雑誌や広告に携わる。帰国後はフリーのスタイリストとして『ELLE japon』『流行通信』などで編集、スタイリングに従事し『VOGUE JAPAN』の創刊メンバーとしてプロジェクトの立ち上げに参加。紙面でのスタイリングのほか広告キャンペーンのファッション・ディレクター、TV番組への出演など活動の幅を広げる。2005年『Numéro TOKYO』編集長に就任。著書に『AKO’S FASHION BOOK』(KKベストセラーズ社)がある。
Twitter: @akotanaka Instagram: @akoakotanaka

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