【Editor’s Letter】ヘア、髪、毛髪、ウィッグ。 多様な人生を彩る、私たちの生きる証し。 | Numero TOKYO
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【Editor’s Letter】ヘア、髪、毛髪、ウィッグ。 多様な人生を彩る、私たちの生きる証し。

2023年1月27日(金)発売の『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2023年3月号に寄せて。編集長・田中杏子からのエディターズレター。

164号目にして初のヘア特集です。とはいえ、美容院に持ち込んで「こんなふうにカットしてください」と参考にするような、リアルなヘアスタイルが並ぶ特集ではありません(今どき、雑誌を持参するっていないか)。小誌のヘア特集は、ヘアとオシャレの関係や「髪」に着目してクリエイションを生み出す表現、ドネーション事情、地球環境に配慮したヘアサロンや一味違うヘアエステ、ヘアケアグッズに至るまで昨今のヘアムーブメントを社会的・文化的側面に沿って展開するヘア特集になりますので、あしからずご了承くださいませ。

(左)LE SSERAFIMが表紙の通常版 ¥890 (右)三代目 J SOUL BROTHERSが表紙の特装版 ¥1100
(左)LE SSERAFIMが表紙の通常版 ¥890 (右)三代目 J SOUL BROTHERSが表紙の特装版 ¥1100

今号の表紙を飾ってくれた10代後半から20代半ばの人気K-POPアイドル『LE SSERAFIM』のメンバーもまた美髪揃いです。みな、髪がサラサラキラキラしていて、どこから見てもキューティクルに包まれています。「そりゃ若いからですよ〜」なんて言わないでください。なぜなら私の髪は、若い頃から(というより若い頃のほうが)天然パーマの縮毛で、髪をかき上げてもサラリと落ちてこない剛毛でした。美髪に憧れる年齢ですから、なぜこんなに髪が硬いのかと悩み、トリートメントを変えたりブラシで引っ張ってドライヤーをあてたりとあらゆる手段に挑んだもののサラサラヘアにたどり着くことはありませんでした。唯一、美容師から「ストレートパーマでもかけてみない?(大阪なのであててみない?が本当です)」と言われトライしたときには驚きました。ツヤツヤとはいかないまでも、フェミニンな印象を放つサラリとした髪質になったからです。それからはプラスチック板に髪をペターっと直毛パーマ液とともに貼り付ける、当時のストレートパーマにお世話になりました。今ではそんなパーマは存在しないだろうと想像しつつ。

そんな私の髪質がここ最近随分と改善したようで、自己採点を甘めに付けてもツヤっといい感じに収まっています。触り心地もバッチリです。年齢を重ねると一本一本の髪が細くなるそうで、ようやく収まり始めた感もありつつ、ヘアケアにかける時間が長くなったことも髪に潤いが増した要因だろうと実感しております。今ではバスタイムのトリートメント時間に始まり、洗髪後は「洗い流さないヘアトリートメント」をつけ、ハイドロイオンが出るドライヤーと低温速乾に特化した「リフトドライヤー」で地肌から髪の先端まで2台持ちで乾かし、仕上げにヘアオイルなどの栄養分を与えてから寝ます。翌朝にはさらにエッセンスをスプレーし、キューティクルを潰さないヘアアイロンでケア。最後には「あほ毛」と呼ばれる浮き毛を抑制するアタッチメントで整えて完成です。そこまで頑張ると髪は応えてくれるようで、トゥルリとした質感のフェミニンな雰囲気を放ち始めます。髪は生き物。ケアありきなのですね。10代の頃、ドライヤーは髪を傷めるからと洗髪後に濡れ髪で就寝していました。大間違いのヘアケアでした。そんなこんなで私にとって髪はまとめておけば楽!なサブ的要素になっていましたが、実は存在感がとても大きいのだと知らされた次第です。髪を変えるだけで気分はもちろん、印象も変わりますものね。

写真左から使用順序です。シャンプー後のトリートメントは「AKNIR」。超音波でトリートメントの浸透を高めるヤーマンの「シャインプロ」を使って髪に入れ込みます。洗い流さないトリートメン「TIGI」「SHIMA」「KÉRASTASE」「UKA」は日によってオイル、クリームなど使い分けています。ドライヤーは頭皮と顔のリフトアップも兼ねたヤーマンの「リフトドライヤー」とリファの「ビューテックドライヤープロ」を2台使いするので速乾。朝はダイソンの「ロールブラシ」でブローをした後に資生堂の「SUBLIMIC」を全体にスプレー。ヤーマンの「スムースアイロンフォトイオン」かダイソンの「コードレスヘアアイロン」を使ってさらにケア。最後にダイソンの「スムージングドライヤー」で浮き毛を馴染ませて終了です。ヘアクリップは「POTETE」を愛用中。
写真左から使用順序です。シャンプー後のトリートメントは「AKNIR」。超音波でトリートメントの浸透を高めるヤーマンの「シャインプロ」を使って髪に入れ込みます。洗い流さないトリートメン「TIGI」「SHIMA」「KÉRASTASE」「UKA」は日によってオイル、クリームなど使い分けています。ドライヤーは頭皮と顔のリフトアップも兼ねたヤーマンの「リフトドライヤー」とリファの「ビューテックドライヤープロ」を2台使いするので速乾。朝はダイソンの「ロールブラシ」でブローをした後に資生堂の「SUBLIMIC」を全体にスプレー。ヤーマンの「スムースアイロンフォトイオン」かダイソンの「コードレスヘアアイロン」を使ってさらにケア。最後にダイソンの「スムージングドライヤー」で浮き毛を馴染ませて終了です。ヘアクリップは「POTETE」を愛用中。

さて、毛髪は生きた証しとして多くの情報を持っています。髪の毛一本あればDNA鑑定もできる時代です。文化人類学的な視点から見ても、髪が紡ぐストーリーは奥深いものです。「ヘアをめぐるアート6景」(本誌p.96〜)では、自身のアイデンティティや社会的課題など、髪を使って表現しているアーティストを紹介しています。インパクトあるヴィジュアルでありながら、どこまでいっても体の一部というオーガニックな要素もあり、温かみを感じます。「ファッションを盛り上げるお手軽ウィッグ」(本誌p.91)でオシャレにウィッグを楽しむハゲカノさん。高校生の頃に脱毛症に悩まされた経験をもとにNEJIKOを立ち上げ、ウィッグを使ったライフスタイルを提案しています。ファッションアイテムのようにウィッグを浸透させたいと話すハゲカノさんの記事もぜひご一読ください。新たなヘアの可能性が見つけられそうです。

「髪」がこんなにも多様な役割を担えるとは、この特集で知りました。小誌初のヘア特集を、ぜひ楽しんでくださいね。

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Profile

田中杏子Ako Tanaka 編集長。ミラノに渡りファッションを学んだ後、雑誌や広告に携わる。帰国後はフリーのスタイリストとして『ELLE japon』『流行通信』などで編集、スタイリングに従事し『VOGUE JAPAN』の創刊メンバーとしてプロジェクトの立ち上げに参加。紙面でのスタイリングのほか広告キャンペーンのファッション・ディレクター、TV番組への出演など活動の幅を広げる。2005年『Numéro TOKYO』編集長に就任。著書に『AKO’S FASHION BOOK』(KKベストセラーズ社)がある。
Twitter: @akotanaka Instagram: @akoakotanaka

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