「Y2Kファッション」の席巻で、 楽しかった2000年代に思いを馳せて。 | Numero TOKYO
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「Y2Kファッション」の席巻で、 楽しかった2000年代に思いを馳せて。

2022年3月28日(月)発売の『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2022年5月号に寄せて。編集長・田中杏子からのエディターズレター。

(左)山下智久が表紙&別冊付録付きの特装版 ¥980(右)通常版 ¥880
(左)山下智久が表紙&別冊付録付きの特装版 ¥980(右)通常版 ¥880
もちろんお気づきのことだと思いますが、今春、巷では「Y2Kファッション」が盛り上がりを見せています。ラジオを聴いてもテレビを見ても、あちらこちらで「Y2K」という言葉を聞くので説明は不要かと思いますが、念のため「Y2Kとは2000年代」という意味です。いま、00年代に流行っていたものがリバイバルしているというのです。短めのカラフルなキャミソールにピタっとしたローライズパンツをはいて、鮮やかなペディキュアで彩られた足元には厚底サンダルやキラキラヒール。仕上げにはジャラジャラとアクセサリーやヘアアクセ、手にはデコられたガラケーを持って、お騒がせハリウッドセレブよろしく金髪だったりカラフルヘアで街を闊歩する元気な女子が当時はたくさんいました。バブル崩壊数年後とはいえ全体的にはまだまだアゲアゲな空気が漂うゴキゲンな時代でしたよね。

2000年初頭の一枚。Y2Kになりきれていない(=案外このトレンドを地で味わっていない)世代ってことかな。
2000年初頭の一枚。Y2Kになりきれていない(=案外このトレンドを地で味わっていない)世代ってことかな。

私もそんな服装してたのかな〜と懐疑的に当時の写真を探してみると、ふむ、確かにY2Kファッション風な空気は纏っておりますが、やはりどっぷり浸かっている感じではなかったです。なんといっても30代半ばなので。むしろお騒がせハリウッドセレブのスタイルがパパラッチ写真により世界に氾濫し、東京では社会的にも話題となったコギャルの勢いにただただ「すごい!」と畏怖の念すら抱いていました(柳原可奈子さんのSHIBUYA109店員のモノマネとか、ガチでコギャルってコミュ力高い真面目な一面を持ってるな〜と〈笑〉)。小誌154号にご登場いただいたギャルカルチャーに精通している米原康正さんから「コギャルに“いま一番の悩みって何?”って聞いたら“朝イチ、ヘアスタイルがうまくいかないことが一番悩む”と返ってくるんだよね、コギャルの悩みってある意味想像を超えてるよね」と聞いたのもこの頃だったように記憶しています。フランス女優気取りでボサっとしたヘアスタイルが大好きな(というか髪質的にね、そうなっちゃうの)私には、ヘアスタイルが悩みの種だなんてほぼほぼ理解不能でした。私を含め編集部内の古参チーム(と呼んでいいのかな…私を筆頭に青春時代Y2Kにどっぷり浸かっていなかった編集スタッフ)でY2Kファッションの特集を作っても面白くないだろう!と満場一致。まずは若手チームにヒアリング。さすがコギャル文化やY2Kファッション、セレブのパパラッチスタイルを地で追っかけてきた世代だけにアイデアもイメージも豊富で、欠かせない必須アイテムから言葉遣い、本や音楽、漫画などのカルチャー全般がスラスラ出てきました。ここは全体の構成も込みで「Y2Kファッション」特集を若手エディターたちに担当してもらうことに (本誌 p.80〜)。当時を振り返りながらですが現在のY2Kもひも解いていますので、懐古的な気分に浸りつつ、今春のファッションも楽しんでくださいね。

そんなこんなで、Y2Kファッションを彷彿させる2022SS コレクションが多く発表されました。写真上段右から時計回りにジミー チュウ、クリスチャン ルブタン、コム デ ギャルソンまでもがY2Kカラーに彩られています。シャネルのお腹だしルックもズバリです!

女性たちが解放され、日々のエンジョイライフがインターネットを通して世界へと配信され始めたこの頃は、いろんな意味で元気で明るくて、楽しい時代だったのだと痛感しています。また近い将来、そんな時代に戻ることを祈りながら今号を送ります。

最後になりましたが、パンデミックはまだまだ終息はしていないものの、ようやくwith コロナとはどういうことなのかを理解し始めた矢先に、本当の戦争が勃発する不安定な時代に突入してしまいました。戦禍が生み出す大きな代償により、計り知れない悲しみを目の当たりにしている現地の方々には深く哀悼の意を表します。どうか一日でも早く世界に平和が訪れますよう願わずにはいられません。

Numéro TOKYO編集長 田中杏子

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Profile

田中杏子Ako Tanaka 編集長。ミラノに渡りファッションを学んだ後、雑誌や広告に携わる。帰国後はフリーのスタイリストとして『ELLE japon』『流行通信』などで編集、スタイリングに従事し『VOGUE JAPAN』の創刊メンバーとしてプロジェクトの立ち上げに参加。紙面でのスタイリングのほか広告キャンペーンのファッション・ディレクター、TV番組への出演など活動の幅を広げる。2005年『Numéro TOKYO』編集長に就任。著書に『AKO’S FASHION BOOK』(KKベストセラーズ社)がある。
Twitter: @akotanaka Instagram: @akoakotanaka

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