Fashion / Post

自身のエンターテイン(=楽しませる)を満たすために、 皆さん何を選びますか?

2021年2月26日(金)発売の『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2021年4月号に寄せて。編集長・田中杏子からのエディターズ レター。

『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2021年4月号のカバーはニ種類。モデルが表紙の通常版、手越祐也が表紙の特装版があります。
『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2021年4月号のカバーはニ種類。モデルが表紙の通常版、手越祐也が表紙の特装版があります。

おうち時間が長くなり、オシャレをして出かける場所もめっきり少なくなりました。春になったら着ようと購入したワンピースも、クローゼットの中で出待ち状態です。Zoom会議は上半身とヘアと顔まわりだけを気をつけていれば十分だし、爆発的に利用者が増えた音声SNSのClubhouseはパジャマでもソーシャルとつながれる、体たらくな日々を生みそうです。気をつけなくっちゃ。最新コレクションのオンライン配信を見るたびに「華やかな時空間」にゾワゾワする日々。オシャレがしたい、ファッションが足りない、Funが不足していると実感し、この特集を組みました。

2019年にフワッフワのラッフルドレスを提案し、一躍その名をファッション界に刻んだTOMO KOIZUMIの小泉智貴さんと、新しくFunな手法で個性あふれるファッションを届けるdoubletの井野将之さんに「楽しいファッション」について聞きました(p.86)。二人が異口同音に語っていたのは「ファッションはエンターテインメントである」ということ。服を着るという行為は自身をエンターテインする(=楽しませる)作業なのだと。自粛生活が続く今、枯渇しているのはこの“エンターテインメント”なのです。

昨年6月に独立し、瞬く間に実業家として、YouTuberとして新しい居場所を見つけた手越祐也さんもエンターテインメントを本気で考える一人です(p.112)。「いろんな業界の人を笑顔に変えていきたいというのが一番の目標」と話してくれましたが、逆境をプラスに変えるエネルギーは生半可なものではなく、フラットになっていくエンタメ業界で目立つ理由がよくわかりました。

今号の「田中杏子のリアル・モード」(p.50 〜)の撮影のバックシーンです。真夏に秋冬コレクション、真冬に春夏コレクションを撮影するので、一見、素敵なビジュアルも裏は過酷な現場になっています。それでもスタッフはみな美しいファッション写真を求めて制作を続けます。成果物に、より一層愛着を感じていただければとドローンを飛ばして撮影風景も撮りました。動画は編集が仕上がればYouTubeチャンネルで共有しますね〜。
今号の「田中杏子のリアル・モード」(p.50 〜)の撮影のバックシーンです。真夏に秋冬コレクション、真冬に春夏コレクションを撮影するので、一見、素敵なビジュアルも裏は過酷な現場になっています。それでもスタッフはみな美しいファッション写真を求めて制作を続けます。成果物に、より一層愛着を感じていただければとドローンを飛ばして撮影風景も撮りました。動画は編集が仕上がればYouTubeチャンネルで共有しますね〜。

“コンプライアンス”という言葉が普通にやり取りされ、すべての人がカメラを片手に世界へと発信できる時代です。誰かにとってFunなものが、別の誰かにとっては不快なものになり得ます。もちろん人を不快にしてはいけないし守るべきルールは山のように存在しています。先日、黒澤明監督の『天国と地獄』を見ました。1963年公開だったので実に58年前の横浜が舞台になっているのですが、現在だと問題になりそうな描写や展開がたくさんあり、今ではこのような映画は生まれないのかもと、表現の自由についても考えさせられました。

ところで、前述したClubhouseがなぜここまで爆発的に広がったのか。いまさらですが仕組みを説明すると、紹介制(最初は一人につき二人まで)でアカウントが開設できる音声SNSです。友達が集まって電話でおしゃべりをしていて、その話を第三者が共有する感覚です。おしゃべり部屋をモデレーター(誰でもなれる)が作ります。自分一人でも、誰かと一緒でもOK。そのおしゃべりを聞きたい人が参加するのですが、モデレーターは参加者をおしゃべりチームに引き上げてもいいし、呼ばれた人はお断りしても参加してもいい。ここのすごいところは完全にオフレコであること。機密性が担保されライブのみなので後に残らず、書き込みもできないというシステムなので自由におしゃべりが楽しめるわけです。万が一誰かがおしゃべりの内容をリークしたら、その人のアカウントだけでなく紹介した人も同時に削除という厳しい罰則が科せられます。しっくりこない話題になったら部屋を退出すればいいので、ヤジコメも生まれないわけです。先日は普通じゃあり得ないメンツの芸人、音楽家、俳優が集まって普段は話せないネタで活発に意見交換をしていました。彼らの嘘いつわりや忖度のない生の声が聞けてとても刺激的でした。(規約などは2月上旬時点のものです)

新しいSNSも出現してピリッとするスタートを切った2021年、本来のFunやエンターテインメントについて考える端境期なのかもしれませんね。

Numéro TOKYO編集長 田中杏子

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