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いい物選び、いいアクションで地球に優しくありたいですね。

2020年1月28日(火)発売の『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年3月号に寄せて。編集長・田中杏子からのエディターズ レター。

ある日、知人宅に招かれた食事の場で、衝撃の事実を聞かされました。先進国のゴミが大きな湖を埋め尽くすほどに破棄される集落がガーナにあり、そこにはゴミとともに生きるスカベンジャーが存在し、先進国のゴミを燃やすことで日銭を稼いでいるという話でした。ゴミはNintendoやPlay Stationなどのゲーム機器からAppleやDellなどの旧型パソコン、キーパッド、マウス、アイロン、ガラケー、スマホ、リモコンやOA機器といった、豊かな国に生きる私たちが最新アイテムに買い替えた時に破棄した家電や生活雑貨です。それらをマスクも着けずに日々燃やし有害物質を吸いながら生活しているので、村民が短命でお年寄りに出会わないそうです。子どもたちも同様に有害物質を吸いながら手伝う姿に胸が痛みました。もちろんですが貧困層なので学校にも通えません。これらのゴミを先進国から受け入れることで潤う業者がいると思うのですが、知っているようで知らなかった根深いゴミ問題に震撼しました。

これはガーナのゴミ村に単身、幾度と回数を重ねて乗り込み、ガスマスクを数百個単位で提供することに始まり、今では先進国のゴミを日本に逆輸入し、それでアート作品を仕上げて販売。収益金をガーナに還元する孤高のアーティスト長坂真護(まご)さんの話でした。彼の活動は3年目を迎え、今ではそのゴミの集落に学校を設立し、電子廃棄物アートの美術館も作り、雇用を生み教育も進めています。目下、リサイクル工場を建てようとアート作品を日々作り続けています。今号を特集するきっかけとなった出来事でした。

それからは、身の回りのゴミに対して必要以上に敏感になり、生きているだけで地球を汚している自分たちの存在に矛盾と無力さを感じる日々でもありました。先日もテレビ東京でケニアの巨大ゴミ山に生きる人たちの生活が再放送されていたのですが(こちらは別の意味でハードな内容でした)が、こういったゴミ村は世界中に点在しているのだろうと、改めてやり場のない焦燥感に陥ったのも確かです。もちろん、ゴミを出さないというのがベストなのですが生きていく上では不可能に近いとも言えます。では本当の意味で私たちができることは何なのか? 今号に触れてぜひ一緒に考えていただければと思います。

ゴミ問題で意気消沈し躍起になっていた私でしたが、片付けコンサルタントのこんまりこと近藤麻理恵さんと地球環境や動物愛護など早くから意識の高いサステナブルな活動に注力してきたローラとの対談が叶い、そこから見えてきたことがありました。「本当の豊かさ」とは“捨てる”という作業ではなく、“大切にできるものを選ぶ”作業であり、それを続けることで、“大切にできるものしか買わない”という行動に繋がる点です。不要なものは買わない賢い買い物の姿勢ですね。そういう意味においては、親から子、子から孫へとバトンをパスできる良品を選ぶのは最高のアクションです。また、選ぶものが、地球に優しいサステナブルなアクションにつながっていくのかどうか、選択の際の基準に加えるのもいいと思います。

今号の特集を終えてゴミに対しての姿勢、手放すものへの扱い、手に入れるものへの再確認など、私自身も各アクションへの責任を強く意識しはじめています。もっと学び、もっと広げなくてはという思いとともに……。

Numéro TOKYO編集長 田中杏子

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