Fashion / Post

じっくり考えたい。動物たちと生きるということ。

「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」編集長田中杏子がおくる、2019年7・8月増刊号に寄せる言葉。

春夏コレクションに可愛い動物たちの絵柄やプリント、動物をかたどったアイテムが多く登場しました。今号のページをめくると、ほら、笑みがこぼれますよね。どうして、こんなにたくさんの動物たちで溢れることになったのでしょう。

テクノロジーのさらなる進化により、エコファーやエコレザーがオシャレな印象をもって台頭してきました。もちろん動物たちとファッションのあり方が多様化したのは言うまでもありませんが、動物たちについてじっくり考えてみようと今号の特集を決めました。動物が多く登場した今シーズンは、そんな投げかけがファッション界にあったのかもしれません。

4年前、生後2カ月のベニという愛猫が家族の一員になりました。家族に迎えた理由の一つが娘の心の成長への手助け。一人っ子に生まれ自由奔放に育った娘に、他者への思いやりや慈愛の精神を育ててほしかったからです。ベニは生まれた直後に動物愛護のボランティア団体に預けられ、里親を探していました。小さな命を迎え入れるためにはこちら側の覚悟のみならず適切な家族であるかどうかの審査があり、段階を経てようやく里親として認定されるという流れでした。

結果が出るまでの1週間、動物の命も人の命も、小さくても大きくても命の重さは同じだということ、迎え入れた限りは最期まで世話をして添い遂げる責任を持つなど、家族で話し合いました。この時間こそが大切なプロセスでした。幸いにも里親として認定を受け、晴れてベニを迎え入れることができました。動物たちと関わることで、たくさんの学びも得られます。もちろんその姿勢があれば、ですが。

ジャスティン・ビーバーとの結婚で、世界の注目を独り占めしているヘイリー・ビーバーも動物愛護の活動を行っています。今号のテーマに賛同し、出演を快諾してくれました。通常版の表紙で一緒に写っている動物たちは保護された命です。中ページではカンガルーとも共演しています。ぜひご覧ください。(p.36)。

特別版の表紙を飾ってくれたROLAさんもまた、ご存じのように動物愛護活動に熱心です。「Tiffany Save The Wild」コレクションの売り上げ利益の100%を寄付するなど野生動物の保護を支援するティファニーの取り組みに賛同し、今回はアフリカはケニアまで足を伸ばしてくれました。先祖代々、動物たちと共生し、今では絶滅が危惧される象や動物の保護活動をしているサンブル族から現状を学ぶという貴重な体験と、現地でのファッション撮影を収めることができました(p.90)。こちらはnumero.jpで動画も配信していますので、併せてご覧になってください。

モデルの松島花さんや海外セレブの動物愛護活動にも焦点を当てたり(p.84)、篠山紀信さんに撮り下ろしていただいた家族の肖像withペットがあったり(p.112)、丸ごと一冊、動物たちと触れ合える企画が満載です。

動物たちは昔も今も変わらず、種族が滅亡しないようにという自然の摂理のもと、あるものは狩りをして命をいただき、繁栄をし、寄り添い合って生きています。エゴイスティックに存在しているのは私たち人間です。動物たちを慈しみ、手助けをすることで多くを教わります。助けているつもりが、むしろ救われているのはこちらです。地球上に生きとし生ける動物たちに感謝を伝えたいです。今号が動物のことを考えるきっかけにつながればとてもうれしいです。

Numéro TOKYO編集長 田中杏子

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Profile

田中杏子Ako Tanaka 編集長。ミラノに渡りファッションを学んだ後、雑誌や広告に携わる。帰国後はフリーのスタイリストとして『ELLE japon』『流行通信』などで編集、スタイリングに従事し『VOGUE JAPAN』の創刊メンバーとしてプロジェクトの立ち上げに参加。紙面でのスタイリングのほか広告キャンペーンのファッション・ディレクター、TV番組への出演など活動の幅を広げる。2005年『Numéro TOKYO』編集長に就任。著書に『AKO’S FASHION BOOK』(KKベストセラーズ社)がある。

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