旅のプロ、ダージリン コズエによる連載。世界中のあらゆるデスティネーションを行き尽くし、現在も国内外問わず旅に赴く玄人トラベラーが語る、“人生最高の旅”とは?
昨年の夏の終わりのことです。
「一生に一度は南極へ行ってみたいよね」という話を友人としていました。
私たちは、人生の節目?というか、大台に乗るタイミングで「日頃行かないところへ行く」という旅をこれまでやってきました。その友人がその年に大台に乗ることだし、私も仕事のプロジェクトも一区切りできそうだったので、「それなら2月に行っちゃう?」という感じであっさりと南極に行くことにしました。
タイミングとは重なるもので、そんな南極の話をしていたら、フランスのクルーズ会社ポナン(PONANT)さんにご協力をいただき、憧れだったラグジュアリークルーズのポナンで約10日間、南極へ向かったのです。
多くの人に「南極どうだった?」と聞かれるのですが、とても一言では表現できません。
雄大な大自然が広がり、静かで、ピースフル。
今まで色んな世界各国を旅してきましたが、似たようなところがない、全てが初体験、新感覚、というのが南極でした。
そもそもどうやって南極へ行ったの?というところですが、今回の旅のスタートは南米アルゼンチン。
まず、アルゼンチンの首都、ブエノスアイレスのホテルで同じポナンの船に乗る人たちと集合し、1泊します。翌日、ポナンが用意してくれたチャーター機でブエノスアイレスを出て、アルゼンチン最南端のウシュアイア(Ushuaia)へ向かいます。
ウシュアイアの港には、今回乗船するポナンのラストラルが停泊しており、クルーに迎えられ乗船です。
そんなクルーズ船ですが、カジュアル、プレミアム、ラグジュアリーという3つのカテゴリーに分けられるのですが、ポナンの船はその中でもラグジュアリーに入ります。
私たちが今回乗船したラストラルは、6階建船で、乗客264名、乗員名140名とクルーズ船の中では比較的コンパクト。とはいえ、レストランが2つ、ラウンジ&バーが2つ、スパ、美容室、ジム、ハマム(スチームサウナ)、屋外プールなどもあります。
また、フランスの船とだけあり、極地への旅とはいえフランスを中心とした料理に加え、毎日シャンパンやワインも味わえる楽しみも。
今回のツアーの行程は、チリの最南端にあるウシュアイアを出港し、約2日間かけてドレーク海峡を通過して、南極半島へ着きます。その後、約5日間、その日の気象条件に合わせてベストなところへ向かい、午前中1回、午後1回のアクティビティがあります。そしてまた2日間かけてドレーク海峡を渡り、ウシュアイアへ戻るというものでした。
私たちが乗船した2月は、南極は夏。
夏といっても、上陸した南極半島で気温が摂氏0度〜5度くらい。
雪や氷山はもちろんあるのですが、風がなく太陽が出ているとポカポカと暖かいくらいで、日によって雪が降ったりもしましたが、それでも0度くらいでした。
登山や雪山といったアウトドアが得意なわけでは全くないのですが、それでも南極へ行き、南極に上陸しそこでしか見られない景色というのを素人の私でも楽しむことができた南極旅。
次回は、そのアクティビティについて紹介していきたいと思います。
Photos & Text:Darjeeling Kozue
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