旅のプロ、ダージリン コズエによる連載。世界中のあらゆるデスティネーションを行き尽くし、現在も国内外問わず旅に赴く玄人トラベラーが語る、“人生最高の旅”。
氷と火山の国、アイスランド。
前回は一生に一度行ってみたいと思っていた氷の洞窟についてご紹介しました。
今回は、その氷の洞窟へ行く前後に出会った、息を呑む絶景スポットをご案内します。氷河、滝、そして溶岩原が織りなすワイルドな景色の数々はまさに「地球が作ったアート」。その自然の力強さと美しさに胸を打たれてしまいました。

私は、レイキャビク発着の1泊2日の南海岸をまわるツアーに参加しました。
ツアーといっても現地発着の英語ツアーで私を含め13人の少人数。メルセデスの小型のバスの車内にはWifi、そしてUSBケーブルも完備されています。プロのドライバーさんが運転しながら、アイスランドの歴史や、車窓から見える景色について説明をしてくれます。
アイスランドの天気は非常に変わりやすく、いきなりものすごい突風が吹き抜け、小型のバスが揺れることもあるほど。現地を知り尽くしたプロドライバーさんだったので、ハンドルをとられることもなく、天候に合わせ臨機応変に立ち寄るスポットを変更してくれました。
絶景1「轟音、水しぶき、虹が出迎えてくれるダイナミックな滝」
アイスランドには、かなり多くの滝が存在しています。今回私がまわった南部にも魅力的で個性的な滝がいくつも。滝に個性があるなんて今まで考えてもみなかったのですが、さすがそこは大自然。
まずは、アイスランドでも有名な滝のひとつであるセリャラントスフォス(Seljalandsfoss)。落差が60メートルもあり、近づくとものすごい水しぶきが迎えてくれます。

このセリャラントスフォスでは、ゴオーーーというなんとも豪快な流れ落ちる水の音を聞きながら、滝の裏へ回ることができます。

滝の裏側をぐるりと回ることができ、あらゆる角度からこの水量の滝を見るのも圧巻です。

かなり水しぶきがすごいので、防水加工の上下またはレインコート、滑らない、濡れない靴は必須です。
このセリャラントスフォス、近くにもうひとつグリューブラブーイ(Glufrabui)という隠れた滝があります。

岩と岩の細い通路というか飛び石を歩いていく感じで(途中水の中に足を片足入れながら)かなり危なっかしいです。
しかし、そこを通ると、なんとこんな絶景が!

苔で覆われた岩に囲まれたところにある滝壺へ流れ落ちる迫力ある滝。
光に照らされたその水しぶきは神秘的な雰囲気を放っていました。
ほかにもアイスランドには沢山の滝があり、何ヶ所もよったのですが、南部でここもぜひ見てもらいたいと思うのが、スコゥガフォスの滝(Skogafoss)です。

こちらも落差60メートルの滝で幅25メートルほどあり、アイスランドでも最も大きい滝と言われているそうです。
ここは滝の流れ落ちるところを上から眺めることができる展望台があります。500段くらいはあるであろう階段を、強い横風に吹かれながら、ぜーぜーはーはー言いながら登ると、滝を上から見えるだけでなく、周囲も一望できます。
が、スコゥガフォスの滝で何よりもよかったのは、その階段を上がって、降って、クタクタになったところ滝に向かって歩いていたら、目の前に自分を包みこむかのような丸く大きな虹が出たのです。

目の前でこんな美しい虹を見られるなんて。
嬉しすぎる!
天気がいいと虹を見られることがあるようなので、ぜひ訪れてみては?
こうやってみていると、滝って思ったより個性があると思いません?
滝めぐりはわりと歩くことが多く、もちろん濡れますので、防水加工のジャケット、防水加工のパンツ、そして滑りやすいのでしっかりとしたハイキングブーツを履いて行くことをおすすめします。
絶景2「車窓からの風景、すべてが大自然のパノラマビュー」
アイスランド南部は見どころも多いのですが、移動時間もそこそこかかります。しかしこの移動時間に居眠りする時間がないほど楽しいのが、車窓からの風景です。
アイスランドらしさがすべて車窓からの風景に詰まってるのです。
火山が多いだけあり、地熱発電を使った農業生産を行なっているなどの話を聞きながら窓の外を見ると、温泉の湯煙が見えたり、いきなり窓からの風景が溶岩や火山灰によるチャコールグレーの世界へ一変したり。
かと思うと、今度はいきなり緑の世界というか、抹茶パウダーのような色をしたブロッコリーみたいなものが永遠と続く風景に。

これ、実は苔なんです。エルドフロインという、苔で溶岩原が覆われている一帯なのです。
ガイドさんが、眺めのいいところに寄ってくれて近くでこの苔の一体を見てみました。

すごすぎる!
3Dや映画のセットじゃないかと思うほどの精巧な作りというか、グリーンモスがでこぼことした溶岩原を見事に覆っているのです。360度見渡してもこの世界。なかなかの異世界な雰囲気で、かつそれを自然が作り出したものかと思うと……アイスランドでもかなり気に入った場所となりました。
さて、ロードトリップは続き、天気や時間と共に車窓からの景色の色も変わってきます。

訪れたのが11月だったので、夏は緑に覆われている大地も美しい黄金色に。

たまにポツリ、ポツリと見える集落がかわいらしい。

そして、広大な氷河が見えてくると、なぜかボルテージも上がってきます。黄金色の大地の奥に、青っぽい山肌に白い雪と氷、そしてアイスブルーの氷河がこの国の自然の豊かさ、季節の移り変わりを見事に描いているようです。

せっかくだからと、氷河を見ることができる絶景スポットへ。

こんなダイナミックな世界の前に立つと、40代後半の大人でも「地球ってすごい」「自然ってすごい」という言葉しか出てこないのですね。
アイスランドの絶景をみていると、アースカラーってこういうことよね、というのをつくづく感じさせられます。
絶景3「ダイヤモンドのような美しい氷がと出会えるビーチ」
最後に、私が面白い!と感じた絶景、ダイアモンドビーチを紹介したいと思います。
ダイヤモンドのような氷がゴロゴロと打ち上げられるビーチなのでダイヤモンドビーチと呼ばれていますが、本名というか正式名称はブレイザメルクルサンドゥル(Breiðamerkursandur)というらしいです。
ここは、黒砂のビーチなんですが、ここは前回紹介した氷の洞窟へ行くときの拠点となるヨークルスアゥルロゥン氷河湖に隣接しています。

写真奥の氷河がヨークルスアゥルロゥン氷河湖へ崩れ落ち、氷山となり湖に浮かんでいるのですが、そこの氷河湖から一部の氷山が小さく溶けながら大西洋に流れてしまいます。そして氷山は小さく溶けながら波にもまれ、コロコロと動きながら、いつしかこのダイヤモンドビーチと呼ばれる黒砂のビーチに打ちあげられるのです。

確かに、黒砂の上に大小さまざまな形をした氷がダイヤモンドのように見えなくもないです。

波に揉まれたんだろな〜と思われるような形が氷についていたり、色もアイスブルーや無色透明のものがあったりと、さまざま。

氷の洞窟で自然界が作り出す氷の造形美に覚醒してしまった私は、面白そうな氷を見つけては、ここに流れてくるまでどういう人生?を歩んでこの美しさになったのだろうか、そしてあなたはまたどこかへ行くのかそれともここで氷としての一生を終えるのか、など考えながら、ひとり氷の世界に魅了されていました。
ということで、1泊2日のアイスランド南部の旅、非常に素晴らしい絶景に出会えました。
今回は時間の関係で3泊しかできなかったので、ポイントを絞ったのですが、
次回はもっとグレーシャートレッキングや、透明度が高い場所で水中に潜ったり、また火山や地形をもっと楽しめるハイキングなどへも行ってみたりしたいなーと思っています。
こう書くと案件っぽく思われそうですが、今回もただの自腹旅行です。私自身、初めてアイスランドを訪れたこともあり、自然環境の素晴らしさ&過酷さも含め、個人的にはアイスランドを熟知している現地のツアーに参加しとても良かったと思っています。
各地で時間をたっぷりくれ、時間に余裕があると、「ここもおすすめなんだけれど、ついでに寄ってみる?」と提案してくれ、そのフレキシブルでプロなところに、私含め13人のゲスト全員がハッピーハッピーの旅でした。
次回はアイスランド旅の拠点となるレイキャビクのちょっとした散策や泊まって良かったホテルなどの紹介をしますね。
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Photos & Text:Darjeeling Kozue
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