ラグジュアリーすぎる! 南極クルーズの船内ライフとは?【ダージリン コズエが行く、人生最高の旅】 | Numero TOKYO
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ラグジュアリーすぎる! 南極クルーズの船内ライフとは?【ダージリン コズエが行く、人生最高の旅】

旅のプロ、ダージリン コズエによる連載。世界中のあらゆるデスティネーションを行き尽くし、現在も国内外問わず旅に赴く玄人トラベラーが語る、“人生最高の旅”。

フランスのクルーズ会社ポナン(PONANT)さんにご協力をいただき訪れた南極。前回、南極へまでのアクセスや、南極の絶景を見ながらのシャンパンを飲むなどの感動したアクティビティについて紹介してきましたが、南極最終回の今日は、約10日間を過ごしたポナンのクルーズ船の中を紹介したいと思います。

今回乗船したポナンのラストラルは、6階建のラグジュアリー船で、客室数が全部で132室。お部屋のカテゴリーは6タイプあり、今回約10日間過ごしたキャビンは6Fにあるバルコニー付きのプレスティージ。

シックなデザインで統一されたキャビンには、ベッド、デスク、テーブルなどのほか、独立したシャワールームとトイレがついています。アメニティはディプティックで統一されており、そのほかTVやミニバー、Bluetoothでコネクトできるスピーカーもあり、高級ホテルそのものです。

ベッドでゴロゴロしながら窓の外を見ると、美しい氷山が見えるなど、毎日異なる景色が見えるのもクルーズ旅の好きなところ。

そして、クルーズ旅でとても大切なのが食事。
今回、南極旅を計画するにあたって、私たちがポナンを選んだ最大の理由は食事でした。フランスの船とだけあって、食事の評判がとてもよいのです。南極など極地の大自然を楽しみながらも、船の中での食事はしっかりと美味しいものが食べたいという、欲の塊のような私たちですが、それができるのはフランスのポナンだよね、と。

実際に評判通り毎食どれも美味しいものばかり。バターもボルディエで美味しく、ヴァカンス中という口実でついついたっぷりパンにバターを塗っていただく日々。

船内にはレストランが2つ(2Fはガストロノミックレストラン、6Fはグリル&ビュッフェ)があります。

どこで食事をするかは各自選べるのですが、私たちは2Fのガストロノミックレストランの窓に近い景色が見える席が気に入って、ほぼ毎食そこで食事をとっていました。

同じようなエリアの席に1日何回も座るので、数日経つと、担当のウェイターさんもこちらの好みがわかって、水はスパークリングウォーター、食後はエスプレッソ、といった具合に頃合いを見て出してくれるように。これはクルーズ旅ならではでいいなーと。

クルーズなので部屋だけでなくアクティビティや食事、ドリンク(一部有料)なども全て料金に入っており、その料金内のワインとして、レストランでは、シャンパーニュが2種類、白ワインが7種、赤が7種、ロゼが4種提供されています。

シャンパーニュは、シャルル・エドシック ブリュットとアベレ1757。ワインはその日のメニューに合わせてその中から白2種類、赤2種類、ロゼ1種類を選んで出しているそう。

2名のソムリエさんもいて、そのほかワインセラーにあるワイン(こちらは有料)も選んでくれ頼むことができると。

設備的なところで言うと、船内にはソティスのスパや、ケラスターゼなどが入っているヘアサロンもあります。毎日アクティビティで上陸して歩くので、マッサージをしてもらったらかなり気持ちよかったです。

また、ジムやハマム(スチームサウナ)、屋外にはプールもあるので、ハマムで汗をかいて、外のプールに入るという人も。

それ以外にも、ラウンジ&バーが2カ所あり、特に6Fの船首部分にあるラウンジはキャビンから近いこともあり、よく夕方アペロをしに行っていました。シャンパーニュはもちろん、今日のカクテル的なものがあり、その日の景色や気分で軽く1−2杯飲んで、他のお客さんたちとお喋りしたりして過ごします。

よく聞かれるのが、船内で飽きないのか?という質問。
私はもともと船旅が大好きなので、正直なところ10日間乗っていても飽きるどころか、あと1カ月くらいは乗船しておきたいくらいでした。

午前、午後と船外アクティビティがあるのに加え、船内でもキャビアを楽しむ会や、ピエール・エルメのマカロンを楽しむ会、フランス語レッスンなどもあり(全て自由参加です)、かつ自由時間にスパへ行ったり、アペロをしたりと、毎日が充実していました。

そして、大自然だからこその予定外のアクティビティも時にはあり。

船旅の醍醐味って、周りに自分たち以外誰もいないような景色を見ながら旅ができることかと思います。またその景色が1分、1秒ごとに移り変わり、1日として同じ景色ではないところが最大の魅力だと思うんですよね。

今回の旅では、なんと夕食をとっていたら、シャチの群れがクルーズ船に近づいてきました。キャプテンからアナウンスがあり、それぞれデッキに出たり、窓側で見たりし、まさか至近距離で野生のシャチの群れを見られるなんて!

Compliant with operational regulations ©Studio PONANT_Olivier BLAUD
Compliant with operational regulations ©Studio PONANT_Olivier BLAUD

こういうのも極地クルーズならではのいい思い出です。

最後にクルーズ旅に関連しよく聞かれる質問として、船酔いについてです。
今回、アルゼンチンのウシュアイアから南極に行くにあたっては、世界で最も荒れると言われるドレーク海峡を往路約2日間、復路約2日間かけて通過しました。

事前にネットで調べたら、ドレーク海峡が「吠える40度、狂う50度、絶叫する60度」と表現されていて、ドキドキしたのですが、幸いなことに、吠えるほどにも傾くことはなく、たまにぐら〜り、ぐら〜りと、大きく傾くことがあり、立っていたら「おっとっと」と千鳥足になる程度。

念のためエスエス製薬のアネロンを飲んでおいたおかげか、船酔いすることもなく、毎日元気に過ごしておりました。

しかしこれは天候条件、個人差があるので船酔いのときは、寝て過ごすのがいちばんかと思います。

ということで、ポナンで行く南極クルーズの旅。
また行きたいか?とよく聞かれるのですが、
南極の絶景と野生動物、美味しい料理とラグジュアリーなクルーズ船、そして美味しいシャンパーニュ。
もちろん、また行きたい!って思うほどの人生最高の旅でした。

 

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Photos & Text:Darjeeling Kozue

Profile

ダージリン コズエ Darjeeling Kozue 20代で世界一周の旅を経験し、30代で世界中のブティックホテルやデザインホテル、ラグジュアリーリゾートなどを巡ってきた旅のエキスパート。海外旅行のガイドブックや雑誌などの編集経験もあり。本業は、外資系企業でジェネラル マネージャーを務めている。Instagram: @cozykozue
 

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