通が教える「KYOTOGRAPHIE」プラスαの楽しみ方
「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2018」を見に行こうか、まだ迷っているそこのあなたへ。体験者3人が、記憶に残る過去の展示と今年への期待、会場巡りと併せておすすめのスポットを発表。未曾有の写真体験があなたを待っている…!(「ヌメロ・トウキョウ」2018年5月号)
Kyoto Jazz Massive/沖野修也 「KYOTOGRAPHIEは単なる写真展ではなく、社会に対するメッセージを読み解く体験であり、同時に京都という街を感じる小旅行でもあります。今年の注目はステファン・シェイムスとジャン=ポール・グード。ともに音楽やファッションとの親和性も高い作家です」 思い出の展示 「A Vision of Jazz:フランシス・ウルフとブルーノート・レコード」(嶋臺(しまだい)ギャラリー/2015年) 「伝説のジャズ・レーベル、ブルーノートのカバーアートを多数手がけたフランシス・ウルフ。この展示とのコラボレーションがきっかけで、僕のジャズ・プロジェクトKyoto Jazz Sextetが結成されることになったのです」 おすすめスポット OST 「今年から新たに加わった展示エリアの丹波口。このお店は、JR丹波口駅から歩いて行ける距離にあるカフェ/バー。センスのいい音楽が流れる空間で、おいしくお酒やコーヒーが楽しめます。ヴィンテージの食器も販売しています」 OST 住所/京都市下京区夷馬場町35 TEL/075-746-2121 営業時間/17:00〜24:00 休館日/水 沖野修也(Shuya Okino) 音楽プロデューサー、選曲家、作曲家。これまで世界40カ国140都市に招聘される。著書に『職業、DJ、25年』(DU BOOKS)など。2017年にKyoto Jazz Sextetの2ndアルバム『UNITY』をリリースした。
「SkinAware」デザイナー/可児ひろ海
「KYOTOGRAPHIRは京都の魅力と、写真というアート作品と向き合う時間が混ざり合った、とても素敵なイベントです。未来が見えないときこそ、アートの持つ役割は大きいはず。世界中でさまざまな問題が広がるなか、今年もどのようにポジティブな未来を描いていくのかを考えさせる作品に出合いたいですね」
思い出の展示
アルノ・ラファエル・ミンキネン「YKSI: Mouth of the River, Snake in the Water, Bones of the Earth」(建仁寺内 両足院/2016年)
「白黒の写真が屏風画のようにお寺の空間に溶け込んで、ストイックな美しさを感じる展示でした。同年では写真×映像×音楽の展示『PLANKTON 漂流する生命の起源』も記憶に残っています」
おすすめスポット
鷲峰山 高台寺
「開幕の頃は京都の美しさが際立つ季節。高台寺と二条城では夜桜とプロジェクションマッピングを楽しむことができます。会場巡りの合間の休憩なら、四条木屋町のレストラン&カフェ『kiln(キルン)』もおすすめ」
鷲峰山 高台寺
住所/京都市東山区下河原町526
TEL/075-746-2121
春の夜間特別拝観/日没〜22:00
休館日/無休
可児ひろ海(Hiromi Kani)
ファッションデザイナー。2001年に「COCOON」、04年にオーガニックコットンのラウンジウェアブランド「Skinware」をスタート。17年に名を改めリニューアル、3月に東京ミッドタウン日比谷に初の直営店オープン。
「Masaya Kushino」デザイナー/串野真也
「毎回異なるテーマで展示される写真たちは、有名無名に関係なく独自の視点で選出されており、非常に面白い組み合わせだと思います。今年注目なのは中川幸夫さんの展示。お寺という空間で作品がどのように展示され、片桐功敦さんのいけばなとどう融合するのか、楽しみです」
思い出の展示
「火星―未知なる地表」(京都文化博物館 別館/2014年)
「大画面に映し出された高谷史郎さんのインスタレーションはダイナミックで、写真という技術を使い、火星と地球をつなぎ合わせました。ほかにも15年のロジャー・バレン、16年のサラ・ムーン、17年の吉田亮人などの展示が印象に残っています」
おすすめスポット
SOUR
「新鮮なフルーツの搾りたてサワーが飲める、立ち飲みスタイルの酎ハイ専門店です。お洒落でとてもおいしいので、外国からの観光客も多く集まる素敵なお店です。また、高感度な人が集まる祇園の新複合施設『y gion』にも注目しています」
SOUR
住所/京都市中京区裏寺町通四条上る 裏寺町607-19 ヴァントワビル1F
TEL/075-231-0778
営業時間/15:00〜24:00
定休日/無休
串野真也(Masaya Kushino)
ファッションデザイナー。「JILA Leather Goods Award 2007」グランプリ受賞を機に「Masaya Kushino」を立ち上げ。レディー・ガガの着用で注目を集めた靴をはじめ、革を中心としたデザインを手がける。
Edit & Text : Keita Fukasawa