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スティーヴ・アオキが今、ブランドを始動した理由は? 米原康正が直撃
S「ファンの前に出て行くと、目の前で感極まって泣いてしまう人がいたりするんだけど、自分もよく泣いてしまう。つい涙が溢れてしまうんだけど、それは自分のためではなくて、彼らの想いを感じるから。よくよく考えてみると、みんなは自分ではなくて、曲のことを愛してくれているんだよね。自分はひとつの象徴に過ぎない。背後にある曲のことをこよなく愛してくれているということを感じられて、それはそれでものすごく感動する」
Y「それが原動力になっているのかな。スティーヴのステージは、観客の熱がすごい。本人のエネルギーがすごいから、作るものは音楽にしても、服にしても、人に熱を与えるんだろうね。次のコレクションも見せてもらったけど、かなり良かった!」
S「自信があるよ。秋冬、春夏というシーズンでの切り替えではなくて、はじまりからずっと続いているというイメージ。ファーストコレクションからセカンドも連番で、アイテムひとつひとつに番号を振っているんだ。ひとつひとつに対して意味を持たせるために。これって日本的なアプローチかもって思うこともあるんだけど、番号を付ける作業は自分にとって特別なこと。コレクションもそうだけど、Instagramに投稿している『アオキ・ジャンプ』も、大切なことだから記録に残して、それぞれに意味を持たせるために番号を振っているのと一緒だね」
Y「スティーヴがすごい速度で配信している情報は、そのスピード感からは想像できないくらい頭の中でひとつひとつの意味が考えられている。だから、オーディエンスはスティーヴが次に何を言うか、気になるんだよね。そういう事実こそ、ブランドというタイトルが付くのにふさわしい。だから、冒頭にも話したけど、スティーヴみたいなアーティストが服を作ることに違和感はなくて、すごく意味があることだと思うし、期待してるよ」
Photos:Yasumasa Yonehara Edit:Yukiko Shinmura