Fashion / Post
スティーヴ・アオキが今、ブランドを始動した理由は? 米原康正が直撃
S「アオキのファンと『DIM MAK』のファンのファッションに対する興味は違うって言ったけど、日本では、アオキのファンでいてくれている人たちのファッションへの興味はどんどん伸びていくと思っているんだよね。なぜかというと、日本はあらゆる文化がミックスされていて、ファッションの偏差値が非常に高い。街を歩いていてお店を見ても、他の国では見られないポップアップストアがすごく多い。音楽とファッションのコラボレーションがかなり増えている。そう考えると、日本というのはもともとファッションの受け皿が大きいんじゃないかなと感じているんだよね。アオキのファンも、どんどんファッションの部分を受け入れてくれるんじゃないかと期待しているし、その広がりを今からとても楽しみにしてます! YONEはずっと日本のストリートカルチャーを見ているけど、ここ何年かでの変化をどう感じている?」
Y「それこそ2006年くらいから、日本のファッションってアイデンティティを持ってモノを作るっていう志向が一部止まってしまっていて、海外のカルチャーを持ってくるという方向に集中したんだよね。海外で流行っているものを取り入れるのがかっこいいっていう風潮が残っている。でも、アジアから日本を見ると、あらゆるブームの元ネタが日本からだったりするんだよね。それを知らない日本人が多い。日本人が日本のものっていう部分にもっと注目して自信を持ったら、ひとつひとつブランドになっていくと思う。若い子は、それを自然にやっていたりして。だから今回スティーヴが、メイドインジャパンにこだわったことを大きな声で明言していることにブランド価値を感じた」
S「僕はアメリカで育ったけど、違う視点で考えると、自分は日本人。根底にはその血があって、日本のデザインとかファッションが好きだし、必要としてるから意識して見ている。でもやっぱり第三者の視点であって、住んでいる場所も違うから日本人の視点と全く同じではないでしょう。だからこうやってYONEの意見を聞くとすごく面白い。自分は結構、日本のモノをロマンのある見方をしているのかもしれない」
Y「日本が一番すごいとか日本人じゃなきゃダメ、というものではなくて、日本人が持っている特別な部分っていうのを、もっと自慢していいって思う。実はQUEENが世界的にあんなに流行ったのも、最初に火が付いたのは日本からなんだよ。あまり語られないけど事実として、日本でブームになったことがきっかけで世界に広がるっていう流れがある。日本人の新しいものを好きになる感覚は誇れるものだよ。もっと素直に、俺たちが選んだって言えば、もっとワールドワイドになるような気がしていたりするんだけどね。スティーヴはそれを、独自の価値観でやっているよね。勝手に僕とスティーヴの共通点を考えてみたんだけど、これいい!って思ったらどんどん人に勧めるし、そこに自信があって、自分がレコメンドしたことに責任を持ちたいって思うところなんじゃないかな。SNSの使い方とか、共感することが多いんだよね」
【自分を動かすのは『今』が持つ力を信じること】