相武紗季の学生時代「思っていることを恥ずかしくて口に出せない子だった」 | Numero TOKYO - Part 3
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相武紗季の学生時代「思っていることを恥ずかしくて口に出せない子だった」

Numero TOKYO 83号/きっかけは“コレ”でした vol.56 指原莉乃
Numero TOKYO 83号/きっかけは“コレ”でした vol.56 指原莉乃
──昨年、アメリカに5カ月間留学したそうですね。発見はありましたか。 「海外に出て初めて、自分を表現するのが苦手なことに気づきました。日本では周りが私の仕事を知っているから、プラスアルファでしゃべればなんとなくわかってくれる。でも向こうではそれが通用しないし、自分がどんな人間で、何が好きで、どんなタイプの人と仲良くなりたいのかをちゃんとアピールしなければならない。自分をわかってもらい、相手のことを知って仲良くなる、そんなシンプルなことがとても難しく思えました」
──向こうではご自身のことをどんな人間だと? 「楽しいことが好きです、と。やりたいことがあると『一緒にやる人、いない?』って、いつも募っていました。ボストンでは『ウィキッド』、サンフランシスコではコメディショウや小劇場、ピアノクラブなど、大人数でよく行きました。せっかく海外で生活しているのだから、一人で見に行くよりも、いろんな人と交流したいなと」
──アメリカ生活の刺激的な点は? 「皆、自分の意見を当たり前のようにどしどし言ってくるところ。私も、自分はこう思うと主張してはケンカしていました(笑)。語学学校でも、先生に『それは違う』と言ったら『口答えする日本人は、あなたともう一人ぐらいしかいない』と(笑)。でもそれがすごく楽しかったです。日本でハッキリ意見を言うと、ひとくくりに気が強いと見られがちですが、アメリカでは例えキツい一言でも、一つの意見、発言としてポジティブに受け止めてもらえる気がします」
──確かに、ストレートな物言いは日本だと嫌われがち。でも率直に言えるって大切なことですよね。 「言うことはもちろん、言われることも楽しかったです。『今日の服はちょっとダサい』とか言われると『ああ…そっか…』とがっかり(笑)。日本ではすごく気を使ってもらっていたんだなってことにも気づかされました。ジャッジされることは怖いけれど、楽しい。嘘がない安心感があります」
──ストレートに言われてショックだったことはありましたか? 「私が意地悪だと(笑)。私、何かを提案されたときに、すぐ論理的に考えてしまって、無理なものは無理だと言っていたんですね。そしたら『それは楽しくない。できないかもしれないけど、とにかくやってみてから、できなかった!って、みんな言いたいんだよ』って。意地悪って言われたことはショックでしたが、みんなトライしてみることが大好きなんだってわかりました。それからは無謀だと思うことも、まずは『わかった!』と」

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