──女優と役者は違う?「同じなのかもしれないし、これがいつしか一緒になるかもしれないけど、今はまだ別物としてある感覚ですね。若い頃は、それが壁じゃないけど『なんでそんなきれいなことばかりしなければいけないの?』と思ったこともあったり、自分の中でそのギャップを消化しきれない時もあった。でも、そこも臨機応変に“女優さん”と“役者さん”を切り替えながら、ケースバイケースでお仕事を楽しめばいいんだと思えるようになってきて、ギャップ感みたいなものはラクになってきましたね。それよりも、ちゃんとステップアップできてるかな?っていうほうが気になったり──。でも、そういう焦りや気負いも石坂浩二さんとご一緒した時、『変わりたいとか、変えたいとか言っても結局変わらないんだよね』という言葉を聞いてから消えたんです。もがくのもありだけど、それを変わらないねと言われても新しいねと言われても、ひとつひとつを楽しめば、気がついたらいつの間にか自然体で新しいものを引き出せたり、出合えたりするのかもしれないなって──。『ここらでもう一頑張りしなきゃいけない!』という時はその都度ありますが、そういう時こそ、仕事だけに執着せずに、違うことに目を向けることも大事ですよね。例えば、自分の趣味だとか、忘れかけていたけど『いま好きなものは何だっけ?』って思い出してみたり──。そうして『掃除が好きだった』『食器が好きだった』って思い出しては、その時々でハマってみたり、私の場合はそんな感じで」
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──そうすることで、気持ちがフラットになれる?「スッキリしますね。ここ2、3カ月ジムに通っていますが、体を動かすことと、あくびって同じ効果があると思ったんです。あくびって現場ではNGな感じがしますが、体を自由にさせてあげリラックスさせることで、意識がラクになるんです。自分がこうしたいからこういうふうに動いたっていう単純なことでも、意識のスイッチが変わって、溜まっていたストレスも解放されるというか──。それと同様に、ジムで体を動かしたり、細かい筋肉を使って“いま動いてます”ということを意識的にすることで、ギュッとしていたものが解放されて『こういうラクな感じでいたいと思っていたよね!』って、心も体もすっきりします」
──体との対話って大事ですよね。「最近“アティテュード”っていう言葉が日常のキーワードになっていて、アティテュードって『私はこうですよ』というゴールではなく、そこに向かってる途中のあり方ですよね。いつもいろんなことが“起こる”“出合う”そこに対してどう反応したいと思っているか。そういう意識が、いま自分が体を動かしてることの意味だったり、『力を抜いて真っすぐに立っていられる女性でいられるためには?』ということに通じていたりもする。どこかに常に熱いものを持ってるガテン系の血が流れつつも、たおやかに物事に向き合っていけたら──。そんな理想像へのアティテュードを日々楽しんでいけたらと」