日台ハーフの渡辺直美に米原康正が直撃!台湾の四方山話 | Numero TOKYO - Part 3
Interview / Post

日台ハーフの渡辺直美に米原康正が直撃!
台湾の四方山話

日台ハーフの渡辺直美に米原康正が直撃!

お笑い芸人の渡辺直美は、台湾人の母親と日本人の父親を持つハーフ。幼少期から台湾と日本を行ったり来たりしていたという彼女は、言わずと知れた“台湾通”。観光客が少ない穴場の飲食店や屋台など、かなりローカルなグルメ事情を知っていたり、バーやクラブなど地元ガールズの遊び場まで熟知。そんな渡辺直美に、台湾のいまについて直撃インタビュー。

Y「台湾の人って、夜遅い時間でもがっつり食べてるイメージ」

W「よく太らないなって思うんですけどね。台湾の人ってジュース飲まないんですよ。飲むとしても果汁100%のもの。ずっとお茶ばかり飲んでるから太らないのかな。そこは疑問ですが、かなりの量を、かなり時間をかけて食べるんですよね」

Y「夜の街を歩いていると、平日で次の日仕事があるのに、かなり遅くまでみんなで食事していて驚くんだよね」

W「毎晩が宴会で、食べて飲んでるの。不思議ですけど、とにかく食への想いの強さを感じる」

Y「ファッションのことも聞いてみたいんですが、台湾で服を買うことってある?」

W「今までは特に無かったんです。デザインで攻めてる服がないし、そもそも自分に合うサイズもない。でも今年の夏に台湾に行った時、ぽっちゃり専門ブランドができてたの。しかも、かわいい。私、いつか自分でそういう大きいサイズのブランドができたらなって漠然と考えていたから、先越された!って思いましたね。台湾は変わったなって実感。台湾発のブランドを国外でも聞くようになって来て、世界に発信するものが出てきていることも感じる。今まではどこかの真似だったんですけど、オリジナルを生み出しはじめてる気がしますね」

Y「中国にありがちな偽物も減ってきてるしね。前は夜市に行くとすごかったけど…」

W「そこは逆に、ちょっと寂しいですけどね(笑)。台湾って、人気者と人気者を掛け合わせれば大人気になるって勘違いしているのか、とんでもない商品が販売されてたりするの。例えば、スポンジボブとクレヨンしんちゃん。このふたつのキャラは台湾でずっと人気なんですけど、だからなのか、しんちゃんの輪郭の中にスポンジボブの顔を無理矢理入れてるキャラクターを勝手に作ってTシャツにして「野原ボブ」って書いてあったり(笑)。ちなみにそれは全部買い占めました」

Y「法改正がちゃんとして、著作権に関しても厳しくなったんだよね。僕は、最近は台湾になかなか行けていなくて、よく行っていたのは2006年頃。当時は仕事で2ヶ月に一回くらい行って101の辺りの写真を撮ったりしてたんです。その頃はまだオシャレな人は少なくて、街中はまだまだと思ってた。でもここ何年かで変わりましたね」

W「クオリティが上がったと思う。私、日本の人って世界の中で見てもすごくオシャレだと思うんです。タレントやモデルだけじゃなくて、一般の人のオシャレのレベルがすごく高い。中国や台湾は、そもそも一般の人は化粧をしていなくて髪に気を使っている人は少ない。服も地味。だから私、最初にも言ったけど、中国や台湾に行くとすごく目立つんです。太ってるし、化粧も濃いし、服も派手だから。お買いものしてると、お店の人がずっと私の顔を見てるんです。それが普通だったのに、最近は街中の人も化粧するようになったから、そこまで注目されなくなった」

Y「メイクに関しても、意識が変わってきてるだろうね」

W「私、化粧品大好きなんです。昔、MACからレディ・ガガの口紅が限定発売したことがあったんだけど、日本ではすぐに売り切れたの。よく行くショップの方に再入荷の日を聞き出して、その日のお昼に買いに行ったけどそれもすぐに売り切れてて。その1ヶ月後、ロケで上海に行くことがあったんです。ホテルの近くにMACがあったから、上海限定のコスメがあったらいいなと思って足を運ぶと、買い損ねたレディ・ガガの口紅が大量に残っていて! すごくびっくり。でも、当時は街中見渡しても、お化粧している人があまりいないし、そもそも口紅の需要がないんだなと。それが5、6年くらい前です。でも今は、メイクも派手になってきてる。カラコン入れてる女子を見たりするとはっとする。そういうのって、日本のカルチャーがかなり影響を与えたと思うんですよね。日本に触発されて、国際的な視野が広がったのかなって」

Y「僕は中国は北の方も行くんですけど、上海と北京のお金持ちはもう日本を越えてる。普通の人たちの価値観も変わってきていて、レベルも徐々に上がってきてるよね。台湾も中国も、元をたどれば日本のカルチャーをなぞっているはずなのに、いまは、日本よりK-POPの影響が大きくなってると思わない?」

W「K-POPの人たちが着ている服って、実は日本のブランドだったりするんですけど、それをK-POP経由で伝わってて、日本からうまく発信できてなくてもったいないなと思うことがよくありますね」

Y「そうだよね。台湾の人たちって日本を歓迎してくれてるのに、日本人が日本をプレゼンできてない」

W「そういう面では、日本って謙虚すぎ!って思っちゃいます」

Y「あと気になるのは、台湾のイケメンかな」

W「私昔から不思議なことが! 中華圏の男の人ってみんな刈り上げじゃないですかどの年代も刈り上げなんです。あれは何なんだろうっていつも突っ込みたくなる。イケメンも、増えてきてるかもって思うけど、私がどうしても気になるのは、男の人みたいな女の人! ボーイッシュではなくて、ガチの男みたいな女子。でもレズビアンではなくてストレートっていう人が台湾にいっぱいいるんです。K-POPのf(x)っていうガールズグループのエンバっていう子が、ベリーショートで胸もつぶして男らしくしてるんです。その子が台湾人って聞いたとき『やっぱり!』って。そういう台湾らしいカルチャーを、アジアの他の国で見つけると嬉しいんですよね。きっとこれからもどんどん変わっていくから、その面白さ、伝えて行きたいなって思ってます」

表紙
表紙
渡辺直美のたら福まん腹

台湾ワタシ、地元ダカラ、穴場、知ッテルヨ!
渡辺直美が徹底ナビゲートする台湾。彼女だからできた美と職を極めたディープなガイドブックが誕生。通常のガイドブックには載らない、とっておきの店が満載。¥1,260(税込)光文社

profile

渡辺直美(わたなべ・なおみ)

芸人・タレント。1987年生まれ(25歳)。母親が台湾人のため、幼少のころより台湾をよく訪れ最新事情にも詳しい。2012、2013年『史上空前!! 笑いの祭典 ザ・ドリームマッチ』にて2年連続優勝。フジテレビ『森田一義アワー 笑っていいとも!』や、NHK『伝えてピカッチ』などにレギュラー出演中。松本人志監督の最新作映画「R100」に出演中。BS吉テレにて「ナオミクローゼット」という番組にFIG&VIPERの植野有砂とともに出演中。

米原康正(よねはら・やすまさ)

編集者・写真家。女の子も楽しめるエロカワな世界観が認められ、中華圏を中心に各国で活躍しつつ、世界中に“カワイイってもともと日本のもの”という思想(!?)を布教中。11/12の発売に向けて「原宿女子」鋭意制作中。サイト絶賛公開中http://haraj.jp/。月刊「でんぱ組.inc x 米原康正」に続く第二弾も鋭意制作中。今アイドル仕事がおもしろい。MTV+81でも海外向けの新連載始めました。MTV81 YONEで検索!(笑)詳しくはLOVEYONE http://loveyone.com/

Photos & Interview:Yasumasa Yonehara
Text:Yukiko Shinmura

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DECEMBER 2024 N°182

2024.10.28 発売

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