日台ハーフの渡辺直美に米原康正が直撃!
台湾の四方山話
お笑い芸人の渡辺直美は、台湾人の母親と日本人の父親を持つハーフ。幼少期から台湾と日本を行ったり来たりしていたという彼女は、言わずと知れた“台湾通”。観光客が少ない穴場の飲食店や屋台など、かなりローカルなグルメ事情を知っていたり、バーやクラブなど地元ガールズの遊び場まで熟知。そんな渡辺直美に、台湾のいまについて直撃インタビュー。
Y「訛りはなくなってきているかもね。親戚の方とのコミュニケーションは?」 W「ほぼジェスチャー! 親戚の中にも、なんとなく日本語が分かる若いお兄ちゃんとお姉ちゃんがいたりするから、彼らと会話したり。でも、昼間は若いみんなは仕事へ行ってしまうから、だいたい親戚のおばさんと一緒にいるんです。彼女は日本語ができないので、基本ジャスチャー。そこに無理矢理、台湾語、英語、日本語を交えて意志を伝える。それでもわからないときは、アプリを使っちゃったりもしますね」 Y「同世代の親戚とはどんな会話?」 W「幼少期を一緒に過ごしたからか、同世代の親戚とは、不思議と笑いのツボが一緒なの。だから、いつも笑ってる。以前私が出した本に掲載した写真で、『これイマイチだったかも…』と後悔していたものが1点あったんだけど、台湾の親戚がその本を見たとき、ほとんど爆笑していたのに、そのページで止まって、『これはどういう意味?』って冷静に聞いてきてびっくり。日本と台湾でも面白くないことは一緒なんだなって思いましたね」 Y「食については? 中華料理は油が多いイメージがあるけど、台湾料理はそれほどではないから日本人でもいけると思うんですよね」 W「台湾のいいところは、安かろう悪かろうが絶対にないの。安い屋台でもおいしい。私のイメージですが、中国の本場の中華料理は、お金をかければかけるほど、おいしいものが食べられる。だから、安いお店で食べるとイマイチだったりして、日本の中華の方が美味しいって感じちゃう。でも台湾だと手軽に『うまっ』って味に出会えるから、日本のみんなも楽しめると思う!」 W「ただ注意してもらいたいことも。食べ物って、ある程度見た目で予想しますよね。それにだまされると、台湾ではびっくりすることが起きる。見た目の予想で『こんな味だろうな』って思って食べると、全然イメージと違う味付けなものが多い。例えば、日本でも馴染みのあるおでんとか、中華料理で見た目が似てて食べたことある料理とか、なんとなくその気分で食べたのにあまりにも違う味で嫌いになるっていうパターンも考えられるから、なるべく先入観なしでトライしてほしいですね」 Y「臭豆腐とか、ネーミングとあと匂いで受け付けない人多いかと思うけど、僕は結構好きなんです。あれは挑戦してみてほしいな」 W「臭豆腐も美味しいお店知ってますよ」 Y「え、どこ?」 W「それは本を買っていただければ…(笑) おすすめの臭豆腐のお店は都心からちょっと離れてるんですが、他とは全然違いますよ。どうしても、いかにも生ゴミの匂いがするのは私も無理だと思うけど、そこは格別」 Y「初めて台湾に行った時、街中に入れば入るほど臭くなるから、下水の処理ができてないんだな、台湾大丈夫かなって思ってたんだけど、2010年に行ったときにそれは食べ物だったと分かって。食べてみたら意外とおいしいんですよね。食べ慣れるとニオイが鼻に抜ける時に美味しさを感じるようになった。あとは海鮮も美味しいし、日本人が好きなものはいっぱいある気がするな」 W「屋台は楽しいし、ファミレス的なところもありますし、有名なところでは鼎泰豊(ディンタイフォン)っていう小龍包の美味しいお店も行ってみてほしい。自分の親戚を見ていても思うんですけど、台湾の人達って、みんな食事に対して命をかけてるんですよ。食べるんだったら美味しいもの、良いものを食べたいという情熱がすごい」
Photos & Interview:Yasumasa Yonehara
Text:Yukiko Shinmura