真木よう子のターニングポイント「きっかけは“コレ”でした」 | Numero TOKYO - Part 3
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真木よう子のターニングポイント「きっかけは“コレ”でした」

My Defining Moments
My Defining Moments

──現在30歳。人生の半分を女優として生きてこられたなかで、真木さんに影響を与えた“きっかけ”は何ですか?

「思い返すといくつもあるんですけど……20代前半の頃、まだ余裕がなくていろいろ考えすぎていた時期があったんですね。そんなときに、リリー・フランキーさんと出会って『あなたは“考えない”という技術も持ちなさい』と言ってくださって。そのひと言が、緊張して頭でっかちになっていた私の心にものすごく響いて、気持ちをすっと解きほぐしてくれましたね」

──リリーさんの言葉が今の真木さんの一部になっているのですね。ほかにも転機となることが?

「やはり26歳での出産というのが、すごく大きかったですね。当たり前だけど、“自分より大切な命” っていうのをもらうことが初めての経験だったので…。今は子どもも少し大きくなって気持ちに余裕も出てきたので、とにかく女優の仕事を一生懸命やりたいですね。そのことが大切な人を守ることや幸せにすることにつながればいいなって思えるようになりました」

──女性にとって素晴らしい経験ですよね。では最近では何か思いつくことはありますか?

「この夏に公開される映画『さよなら渓谷』のチームと出会えたことも大きいですね。私にとってはどの作品も転機ではあるんですけど、今回は大森立嗣監督をはじめスタッフや共演者の皆さんが、なかなか集められないメンバーで。とにかく『いいものを撮りたい!』っていう想いの強い職人さんばかりなんです。だから例えば、私が自分でも『ん? これでいいのかな?』という芝居をしちゃったりすると、その空気が現場全体から伝わってくるんですよね。『監督、本当にこれでいいの!?』みたいな(笑)」

──皆さんが一丸となって作った作品なのですね。

「はい。それに、すごくつらい役どころだったのですが、周囲に支えていただいたおかげで信頼して演じきることができました。心から感謝していますし、こういうチームが日本にあるんだったら、まだまだ女優の仕事は辞められないなって感じました」

──そんな数々の転機を経て、改めていま女優として心がけていることは何でしょうか?

「どんな役であっても芝居を楽しむことですね。『わー楽しい!』っていうだけでなくて、たとえつらい役を頂いたとしても、それはそれでやりがいや、得られるものがあるから、とにかく楽しむこと」

──それでも、どうしてもモヤモヤ、イライラしてしまったときはどう発散する?

「とにかく旦那に話す! 何でも聞いてくれる人なので、全部話しますね。そういう意味でも、灯里とは真逆かな(笑)」

真木よう子(まき・ようこ)

1982年生まれ。千葉県出身。仲代達矢主宰「無名塾」を経て、2001年に映画『DRUG』でデビュー。06年には映画『ベロニカは死ぬことにした』で初主演、『ゆれる』で第30回山路ふみ子映画賞新人女優賞を受賞。その後もドラマ『SP警視庁警備部警護課第四係』(07年)、『週刊真木よう子』(08年)、『龍馬伝』(10年)、映画『モテキ』(10年)、『外事警察 その男に騙されるな』(12年)など話題作に多数出演。存在感のある演技が注目の的に。放映中のフジテレビ系ドラマ『最高の離婚』(毎週木曜22:00~22:54)では、綾野剛とワケありの新婚夫婦役を演じている。

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