ファッションの女王ヴィヴィアン・ウエストウッドに迫るドキュメンタリー映画 | Numero TOKYO
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ファッションの女王ヴィヴィアン・ウエストウッドに迫るドキュメンタリー映画

英国エリザベス女王から「デイム」の称号を与えられた世界的に活躍するファッションデザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)。生涯現役を誓う彼女に迫ったドキュメンタリー映画『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』が2018年12月28日(金)より公開される。(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2019年1・2月合併号掲載)

この映画の中で、ヴィヴィアン・ウエストウッドは70代後半にして常にばっちりと化粧を施し、デザインコンシャスな自身のブランドの服を着て、時には高いヒールの靴で闊歩する。ファッションには、やっぱりその人の姿勢が表れる。彼女にはいつも何かするべきことがあり、エネルギッシュにそれに取り組んできた。パンクファッションを生み出し、そのムーブメントに陰りが出ると、モード界へ進出。それまでのパートナー、マルコム・マクラーレンにも見切りをつけ、25歳年下のアンドレアス・クロンターラーと結婚する。そして仕事上でも彼の力を借りながら数々のヒット作を生み出し、環境保護活動にも勤しんできた。

しかし冒頭、本人はこの輝かしい過去を語るのに乗り気ではないことを表明する。半年ごとに一斉にコードが切り替わるモード界を生き抜き、成功に固執せずに前を見続ける彼女には当然のことだろう。それなのにこうして半生を振り返るドキュメンタリーが制作され、劇中でも見ることができるように、美術館の生真面目そうなキュレーターは白手袋を着けてぼろぼろのパンクTシャツをうやうやしく取り扱う。私たちもそれらを興味深く鑑賞するのだが、躍動感のある出来事が「歴史」として記録されていく最中にも、ヴィヴィアンはまた新たな一歩を踏み出しているに違いないのだ。

この映画を見たからといって彼女のすべてがわかるわけではない。それが、この映画を見てわかったことである。

『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』

監督/ローナ・タッカー
出演/ヴィヴィアン・ウエストウッド、アンドレアス・クロンターラー、ケイト・モス、ナオミ・キャンベルほか
12月28日(金)より、角川シネマ有楽町、新宿バルト9ほか全国公開
URL/http://westwood-movie.jp/

©Dogwoof

Text:Itoi Kuriyama Edit:Sayaka Ito

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