トラウマ必至!? 現代ホラーの最高傑作『ヘレディタリー/継承』
亡くなった祖母・エレンから忌まわしい“何か”を受け継いでしまった家族を、死よりも残酷な運命と、想像を絶する恐怖が襲う。彼女たちが祖母から受け継いだものとは。最高傑作と名高いホラー映画『ヘレディタリー/継承』が11月30日(金)より公開される。
これぞ正統派かつ現代ホラーの頂点! 邪悪な運命に翻弄される、ある一家の壮絶な物語
いまのアメリカ映画で最もアツいジャンルはホラーだと言っていい。『イット・フォローズ』や『ゲット・アウト』、『ドント・ブリーズ』『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』『クワイエット・プレイス』『イット・カムズ・アット・ナイト』など、斬新な設定やアイデアの面白さを土台にして、従来のホラーの枠組みを超えていく話題作が多数連打されている。そんななか、サンダンス映画祭で上映されてから「現代ホラーの頂点」などと数々の絶賛を受けてきた『ヘレディタリー/継承』は、流行のタイプとは趣が異なる。まさしくバリバリの正統派。『ローズマリーの赤ちゃん』や『エクソシスト』など名作の遺伝子を「継承」し、現代的な恐怖として蘇らせたパワフルな傑作だ。
監督・脚本を務めたのは、これが長編デビュー作となる新鋭アリ・アスター。主演は『シックス・センス』のトニ・コレット。彼女が扮する狂気じみた母親をはじめ、忌まわしい運命に踊らされる一家の物語だ。ミニチュアのドールハウスがグラハム家の本物の部屋になる――という導入部から異様な才気と気配がみなぎっている。
邪悪なオーラが映画全体から生々しく醸し出される一方、完璧にコントロールされた演出は精緻の極み。すべてのシーンやディテールが伏線となってラストの恐怖へと結びついていく。
この壮絶さはめったにお目にかかれないレベル。ジュディ・コリンズが歌う1968年のヒット曲「青春の光と影」(作詞・作曲はジョニ・ミッチェル)が聴こえてくる頃には、誰もが背筋が凍りつくほど戦慄しているはずだ。ホラーファンならずとも必見……それともうかつに観るのは危険!?
『ヘレディタリー/継承』
監督・脚本/アリ・アスター
出演/トニ・コレット、ガブリエル・バーン、アレックス・ウォルフ、ミリー・シャピロ、アン・ダウド
URL/http://hereditary-movie.jp/
2018年11月30日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
© 2018 Hereditary Film Productions, LLC
Text:Naoto Mori Edit:Sayaka Ito