祝パルムドール受賞! 是枝裕和監督作『万引き家族』 | Numero TOKYO
Culture / Post

祝パルムドール受賞! 是枝裕和監督作『万引き家族』

第71回カンヌ国際映画祭で最高賞となるパルムドール受賞! 是枝裕和監督の真骨頂ともいえる家族をモチーフに描いた作品の見どころとは?

man_1
man_1

カンヌ最高賞の快挙に沸く、従来の絆を超えた新しい“家族”の映画

日本映画としては21年ぶりとなるカンヌ国際映画祭でのパルムドール受賞作。是枝裕和監督が『誰も知らない』や『そして父になる』などの試みを経て、家族というテーマに独自の視点からぐっと深く踏み込んだ。「10年くらい考え続けてきたことを全部込めた」と監督が自ら語る、ひとつの集大成だ。

man_2
man_2

東京の下町で、生活のために軽犯罪を重ねて暮らしている風変わりな家族の一年間の物語。日々、連携プレーで万引きを重ねる父・治(リリー・フランキー)と息子・祥太(城桧吏)。それを容認する妻・信代(安藤サクラ)と彼女の妹・亜紀(松岡茉優)。彼らは祖母(樹木希林)の年金を頼りにして古い平屋で暮らしていた。

man_3
man_3

まもなく一家は団地から閉め出されていた小さな女の子(佐々木みゆ)も家族として迎え入れる。常識では考えられない絆で結ばれる6人だが、やがて“ある事件”をきっかけに、家族それぞれの抱える秘密が明らかになっていく──。

man_4
man_4

実際にあった年金詐欺事件をもとにしながら、レオ・レオニ作、谷川俊太郎訳の絵本『スイミー』をモチーフとした映像と、社会という海の底で肩寄せ合って生きるコミュニティの様子は、どこか寓話のような味わい。貧しくとも温かい従来の家族を超えた強い絆は、人間同士の本当のつながりとは何か?と観る者に鋭く問いかける。

man_5
man_5

実力派俳優たちによる絶品のアンサンブルに加え、スタッフにも撮影の近藤龍人、音楽の細野晴臣など、日本が誇るベストメンバーを集めた。最強チームによる新たな名作だ。

『万引き家族』

監督・脚本/是枝裕和
出演/リリー・フランキー 安藤サクラ / 松岡茉優 池松壮亮 城桧吏 佐々木みゆ
緒形直人 森口瑤子 山田裕貴 片山萌美 ・ 柄本明 / 高良健吾 池脇千鶴 ・ 樹木希林
URL/http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/
2018年6月8日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

©2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.

Text:Naoto Mori Edit:Sayaka Ito

Magazine

DECEMBER 2024 N°182

2024.10.28 発売

Gift of Giving

ギフトの悦び

オンライン書店で購入する