私たち一人一人の中にある、星をさがして by 鏡リュウジ | Numero TOKYO
Beauty / Feature

私たち一人一人の中にある、星をさがして by 鏡リュウジ

自分へのご褒美に、女友達へのギフトに。スペシャルなコスメで、今年忘れかけていた“ときめき”を取り戻しませんか? その感情が、内なる星を輝かせてくれるはずだから。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年12月号掲載)

Yves Saint Laurent

2020年のノエルは、アイコニックな限定パレットから幕を開けて。赤いグリッターが輝くレオパードモチーフのケースは、美しき鎧のようでワイルド&タフな魅力たっぷり。4色のアイシャドウ、2色のハイライター、4色のチークを厳選したバリエーション豊かなシェードは、秘められていた多面的な輝きを引き出してくれるはず。日常でも特別なときでも、女らしさをグラマラスに格上げしてくれる。

アイパレット ドレスミー ワイルド ¥13,000(限定発売中)/Yves Saint Laurent(イヴ・サンローラン・ボーテ 0120-526-333)

Parfums Givenchy

星の輝きを閉じ込めた、まるで小宇宙のように煌めくパレット。ブラック、シルバー、シマーホワイトの星たちに込められたのは、ユベール・ド・ジバンシイのデザインがそうであったように「一人一人がそれぞれの輝きを、夢をもっている」というメッセージ。星の輝きで瞳を装ったら、強くグラマラスな眼差しで夢や希望へと向かって。“星の天使”がきっと、あなたのクリスマスに祝福を与えてくれるはずだから。

ブラック・トゥ・ライト・パレット ¥6,100(限定発売中)/Parfums Givenchy(LVMHフレグランスブランズ 03-3264-3941)

Christian Louboutin

クリスチャン・ルブタンの独創的な世界観を映し出す、フレグランスコレクションが誕生。ルブタンレッドのボトルの上には、香りによってモチーフが異なる重厚なシルバーのオブジェが。上:レッドソールが地球の上に鎮座する!?、甘くスパイシーな情熱の香り。ルビルージュ 下左:なめした革の渋みを備えたウッディノートは、ユニセックスにも。

ルビラージ 下右:秘薬を思わせるオリエンタル調。ルビクロック 各オードゥパルファン[各90ml] ¥36,300/すべてChristian Louboutin(クリスチャン ルブタン ビューティ 0120-449-360)

Dior

ホリデームードを高めるなら、唇をドレスアップして忘れかけていた情熱と輝きを心に灯して。ディオールの限定セットは、気分に合わせてセレクトできるリフィラブルなリップ6色を、幾千もの星が煌めく夜空と雪の結晶を描いたクラッチにイン。ルージュ ディオールを象徴する999番のレッドをはじめとした、笑顔を美しく彩る色ばかり。どんな時でも女性は口紅で美しくなれる、ということを思い出させてくれるはず。

ルージュ ディオール クチュールセット〈ゴールデン ナイツ〉¥20,500(限定発売中)/Dior(パルファン・クリスチャン・ディオール 03-3239-061)

私たち一人一人の中にある、星をさがして

文· 鏡リュウジ

街にキャロルが響く季節はすぐそこ。本当なら陽気な仲間たちと、にぎやかに集うのを楽しめるシーズン。でも今年はちょっとようすが違います。ひとり家路を急ぐことも多いでしょう。僕たちをとりまく空気にはまだまだ不安という霞がかかっているようすです。

でも、そんなときだからこそ、ちょっと夜空を見上げてほしいのです。冷たく澄んだ冬空。そこには不安や緊張という霞などまるきり気にもかけないようすで、1年で一番美しい星たちの輝きを見ることができるはずだからです。僕たち占星術家はこのクリスマスの季節に夜空を見上げると決まって「ベツレヘムの星」を思い起こします。ほら、みなさんもどこかでお聞きになったことがあるでしょう? 今から2,000年前、中東の砂漠で星に導かれた3人の博士たちが、この世の救い主の誕生を祝福しに旅をしたことを。そして生まれたばかりのイエスさまに最初の「クリスマスプレゼント」を手渡したことを。クリスマスツリーのてっぺんに飾られるあの星はその星を記念するものです。でも生命の誕生を祝福する星は何もイエスさまだけのものではないのです。

15世紀ルネサンスの神学者にして占星術家のマルシリオ·フィチーノは、その星は「星の天使」だと書き残しています。そして星の天使はひとりひとりが生まれるときに星が祝福を与えるのだと。僕たちひとりひとりにひとつずつ、星の煌きのかけらが誕生のときに埋め込まれそれが僕たちの人生を導き、守っているのだ、と。実はこれこそ「星占い」の中心にある思想であり哲学なのです。古代の人は僕たちの魂は遠い空から惑星たちの光を身に纏いながらこの地上に生まれ落ちるのだと信じていました。僕たちが悩み、迷い、不安に感じるのは、ただ、その光を忘れ、見失っているだけなのだ、と。 僕たちが地上世界で、遠くの星を見て懐かしさに駆られたり、ジュエリーの煌きや素肌に浮かぶつやめきに心をときめかすことがあるのは、その微かな星の記憶と響きあうからなのだ、と。今年の冬は特別です。確かにいつもよりも暗いです。でも、だからこそ、あなたの内なる星のかすかな輝きはこの暗さの中でこそはっきり見えて、姿を現そうとしているのではありませんか。僕はそう、信じています。

Photos: Shinmei Stylist: Mafumi  Edit & Text: Naho Sasaki

Profile

鏡リュウジRyuji Kagami 翻訳家・占星術研究家。京都文教大学、平安女学院大学客員教授。占星術の第一人者として雑誌やテレビ、ラジオなどで活躍する。『占星術の文化誌』『鏡リュウジの占星術の教科書』など著書多数。

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