Culture / Editor's Post
ご存知の通りミヒャエル・エンデの小説『モモ』は、灰色の男たちの誘惑に乗せられて時間の倹約に励み、人生の意味までも失ってしまった人たちのために戦った不思議な女の子の話。この、世界中でベストセラーとなった『モモ』に限らず小説では示唆的に、それ以外では直接的に、行き過ぎた資本主義経済の呪縛から解かれた“理想の社会”について、エンデはたくさんの言葉を遺しています。世界が大きく変わろうとしている今だからこそ、「時間とお金」にまつわるエンデの主張を再び読み解いてみたいと考えました。
『モモ』の著者ミヒャエル・エンデの言葉を今こそ
現在発売中の本誌Numero TOKYO7・8月合併号のテーマは「Time is Precious/時間が教えてくれること」。さまざまな分野、あらゆる角度から「時間の価値」について考え、生まれた一冊です。「時間」と聞いて、私が真っ先に思い浮かんだ作品は、ミヒャエル・エンデの小説『モモ』でした。
たくさんのエンデ本の中からいくつか。みんな大好きな『モモ』と、それから『エンデの遺言』『ものがたりの余白』の2冊も、心に留めておきたい名言の宝庫!
そこで「Time × Money エンデが夢見たユートピアに向かって」という企画では、幼い頃からエンデに影響を受けてきたという方々にご協力いただきました。音楽ジャーナリストの柴那典さんにはエンデ作品から印象的な言葉のセレクトとこの企画の導入を、マームとジプシーを主宰する演劇作家の藤田貴大さんにはエッセイを、作家・漫画家の小林エリカさんにはエッセイとイラストを寄稿していただいています。
小林エリカさん描き下ろしのイラストです。亀が可愛い……!
今私たちには何ができるのだろうか……と悶々としてしまいがちな変化の只中で、ヒントとなるような、背中を押してくれるような、心に響く言葉と出会える2ページになっていると思います。ぜひ本誌をご一読いただけたら幸いです。
最新号の詳細はこちらから!