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Numero TOKYOおすすめの2019年1月の本
あまたある新刊本の中から、ヌメロ・トウキョウがとっておきの3冊をご紹介。
『ピクニック・アット・ハンギングロック』
著者/ジョーン・リンジー 訳/井上里 価格/¥1,000 発行/東京創元社少女たちの失踪が呼び起こす悲劇の連鎖
公開から20年以上経った今もカルト的人気をほこる映画『ピクニック at ハンギングロック』。初邦訳された原作は「少女」にフォーカスされた映画版以上に妖しい魅力を放ち、人々の思惑が交錯する群像劇を描きだす。ゴシック・ノヴェル愛好家にも推薦したい一冊。『82年生まれ、キム・ジヨン』
著者/チョ・ナムジュ
訳/斎藤真理子
価格/¥1,500
発行/筑摩書房
女性は男性のために存在する性なのか?
ある女性の半生を描いたフィクションと現実における統計数値を織り交ぜながら、韓国における伝統的な女性差別の実態や、現代にはびこる女性嫌悪をあぶり出した本書。「社会の構造や慣習を振り返り、声を上げる」ことの意義を実感させられる、今読むべき一冊。
『私に付け足されるもの』
著者/長嶋有
価格/¥1,500
発行/徳間書店
ささやかな願いを胸に、前へと進む女たち
体の衰えや老いていくことへの寂しさなど、漠然とした倦怠を抱える女性を描いた短編12作を収録。ふと生まれた願いを心の糧に前進する彼女たちの姿は、哀愁を帯びながらも人生という荒野の中でしっかり瞬いている。著者のやさしい眼差しに満ちた“中年文学”。
Text:Miki Hayashi Edit:Sayaka Ito