「Toga」20周年記念ショーのバックステージに潜入。 「NARS」によるメーキャップを全公開!
東京・国立新美術館で行われた「TOGA(トーガ)」の20周年を記念した凱旋ショウ。そのメーキャップを支えていたのは、ロンドンコレクションと同じく「NARS(ナーズ)」チーム。最新メーキャップが生まれるバックステージをレポート。
10月に行われた東京コレクション。今年は世界で活躍する日本ブランドがコレクションを開催したことでも話題となったが、ひときわファッション関係者の注目を集めたのが、TOGAの20周年を記念したショウだった。ランウェイでは今までのアーカイブからではなく、9月にロンドンのサザーク大聖堂で行われた2018年の春夏コレクションからの再解釈に。
デザイナー古田泰子の持ち味であるメンズライクなテーラードをベースとしたスタイルに、見え隠れするアンダーウェアやデコルテを大きく見せたシャツなどのフェミニ二ティが加わり、ランウェイにはメンズモデルの姿も。ジェンダーレスの次の時代を予感させるように、周年を振り返るのではなく先へと進み続けるTOGAをみせた。
スタイリングやメーキャップもこの20周年ランウェイのために、ロンドンとは異なるアプローチで臨み、つい先日発表されたばかりの最新ルックがさらに進化。北村道子によるスタイリングは洋服のテーラードの美しさをより引き立て、TOGAらしさを明確に表現した。
メーキャップを担当したのはNARSチーム。リードメーキャップアーティストの伊藤貞文も、ロンドンのショウとは別のディレクションで挑んだと話す。
「TOGAの洋服のつくりを引き立てるシンプルなスタイリングと同様に、個性的なモデルそれぞれの魅力を最大限に生かすよう、ごくナチュラルなメーキャップに仕上げました」
唯一強調したのが、それぞれの個性が際立つ目元。それもメイクで強めるのではなく、他の部分を引くことによって、それぞれが持つ元々の個性を引き出したという。
「ベースは素肌のように内側からツヤが生まれるファンデーションとコンシーラーで整えるだけ。そして頰のツヤと血色をパウダーで抑えました。そうすることで、目元に視線が集まるようになります。口元も色やツヤを抑えて、眉も整えるのみ。そしてアイメイクはというと、ナチュラルなマスカラを塗っただけです」
チークもアイシャドウも、ハイライトもコントゥアーもなし。強調したいパーツに足していくのではなく、他のパーツの存在感を引いていくという手法で、モデルを均一化するのではなく、それぞれのモデルの個性的が表れる目元を際立たせた。そして今回キャスティングされたメンズモデルたちにも、ウィメンズモデルと同様のメイクを施したという。
【モデル使用アイテム】
FACE
NARS アクアティックグロー クッションコンパクト
NARS ソフトマットコンプリートコンシーラー
NARS ソフトベルベットルースパウダー
EYES
NARS オーデイシャスマスカラ
BROWS
NARS ブロージェル 1153
ヌーディなメイクとは対照的に、PVCシューズから見える足元には真っ赤なネイル。グレーやネイビーのカラートーンのなかにパッと映える真っ赤なルックを差し込んだTOGAのランウェイをみて思いついたのだという。
服そのものの美しさを強調するスタイリングに、それらを纏うモデルに画一的なメイクを施すのではなく、その人らしい個性を際立たせるためのミニマルなメイク。ファッションショウらしからぬ素顔のような男女のモデルが入り乱れるバックステージで、紋切り型のトレンド顔を生み出すのではなく、何にも囚われない個性がスタイルを生むのだと感じた。
NARS JAPAN
問い合わせ/ナーズジャパン
TEL/0120-356-686
URL/www.narscosmetics.jp
[TOGA 2018SS AT TOKYO]
Photo:Yuji Namba(Backstage)
Text :Saori Asaka