
サンローランとアンソニー・ヴァカレロは、ミラノ・デザイン・ウィークを記念して、シャルロット・ペリアンとのエクスクルーシブなコラボレーションを発表しました。同作品は4月8日から13日まで、ミラノのパディリオーネ・ヴィスコンティにて開催中の「SAINT LAURENT – CHARLOTTE PERRIAND (サンローラン – シャルロット・ペリアン)」展にて展示しています。

アンソニー・ヴァカレロが選んだのは、1943年から1967年にかけてペリアンが手がけた4つの卓越した家具デザイン。これまで試作品やスケッチとしてのみ存在していたデザインを、サンローランが忠実に再現し、限定版として再発表します。

書籍と美術品が展示できるように設計された本棚「La Bibliothèque Rio de Janeir(リオ・デ・ジャネイロの本棚)」。1962年、リオ・デ・ジャネイロにて、ペリアンの夫であるジャック・マルタンのために制作されました。伝統的な家屋のシェードに使われる、籐編みの引き戸が印象的です。この象徴的なデザインは、過去25年間でわずか3回しか展示されたことのない、貴重な個人コレクションの一部です。

シャルロット・ペリアンは、世界各地の自宅やパリの外交官の邸宅のために「La Bibliothèque Rio de Janeiro (リオ・デ・ジャネイロの書棚) 」のほかに「Le Fauteuil Visiteur Indochine (インドシナのゲスト用肘掛け椅子)」と「La Canapé de la Residences de l’Ambassadeur du Japan (パリ日本大使公邸のソファ)」を制作しました。「Le Fauteuil Visiteur Indochine (インドシナのゲスト用肘掛け椅子) 」は、ペリアンが日本での任務後に訪ねたベトナムにてデザインした椅子。長い間、実物が失われていたのですが、今回、設計図を元に再現されました。モダニティと伝統が融合する特別なデザインに仕上げられています。

「La Canapé de la Residences de l’Ambassadeur du Japan(パリ日本大使公邸のソファ)」は、その名の通り、日本の公邸のためにデザインされた豪華なソファです。空間に一体化しつつも宙に浮くような視覚的効果を狙ったデザインは、ペリアンの類稀なる才能とモダンな審美眼を漂わせています。こちらは日本大使館の協力により、限定数で再制作されることが可能となった貴重な作品です。

ムッシュ イヴ・サンローランはペリアンの作品を賞賛し、そのデザインを収集していました。ムッシュ・サンローランのパートナーだったピエール・ベルジェもまた、ペリアンの回顧展を世界各地で支援するなど、サンローランとペリアンは切ってもきれない関係だったといえます。
1963年制作 La Table Mille-Feuilles(ミルフィーユのテーブル)
ペリアンの机の上に置かた、小さな模型としてしか知られていなかった「Table Mille-Feuilles (ミルフィーユのテーブル)」。今回のコラボレーションの一環として、初めて実物大で制作され、初公開されました。
今回、発表された4つのデザインは、個数限定でオーダーメイドにて販売されます。
※ご購入のお問い合わせはサンローランクライアントサービス(0120-95-2746)まで
「SAINT LAURENT – CHARLOTTE PERRIAND」
会期/2025年4月8日(火)〜4月13日(日)
会場/パディリオーネ・ヴィスコンティ
展覧会開催に伴い、ミラノのサン・バビラ広場にあるサンローラン エディションズのキオスクでは、ペリアンの幻の写真集と新作家具コレクションのカタログが特別に販売されます。またミラノでの展覧会に合わせて、ペリアンの写真セレクションがパリのサンローラン バビロン(4月9日から5月4日まで)、およびサンローラン リヴ・ドロワ(4月8日から5月7日まで)にて展示されます。
今回のコラボレーションは、シャルロット・ペリアンのデザインの文化的価値を広く一般にお知らせする貴重な機会となります。また、限定版として再現されることで、ペリアンの作品が新しい世代に引き継がれていくことにも重きが置かれています。サンローランの歴史とペリアンの革新的なデザインが融合し、文化的遺産の継続的なサポートの象徴となります。
シャルロット・ペリアンについて
シャルロット・ペリアン(1903~1999)は、20世紀のデザイン界を代表する人物であり、建築家、デザイナー、都市計画家、写真家として活躍しま した。彼女は複数の国際的なアヴァンギャルド運動を共同で立ち上げ、特に日本においてモダニティの普及に貢献しました。
1927年から1937年にかけて、ペリアンはル・コルビュジエおよびピエール・ジャンヌレとパートナーシップを組み、家庭用家具の開発に携わり、 現代インテリア建築の基礎を築きました。彼女が手掛けた作品の数々は、現在では象徴的なデザインとして知られています。
また、1950年代から60年代にかけて、ステフ・シモンによって制作・編集された彼女の家具デザインは、デザイン史における重要な作品として評価され、世界中の名だたる公共・私設コレクションに永久収蔵されています。
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