登録有形文化財、黒川紀章 × 岡本太郎のコラボレーションに出合える寒河江市庁舎へ
山形県寒河江市に佇む市庁舎は、1967年黒川紀章が設計したメタポリズム建築のひとつ。2017年に、国の有形文化財に指定されました。
メインエントランスが二階になっていて、まずはスロープで昇っていきます。どこに行っても、空間への贅沢な意識が感じられます。 内部空間に足を踏む入れると、3層吹き抜けの中央に50年の時空を照らし続ける、岡本太郎作“生誕”という名の巨大なペンダントライトが目に飛び込んできます。
床は、モザイク模様のタイルが敷き詰められ、細部にわたって精魂と、もちろんお金も労力もかけられているのがわかります。
天童木工製作の曲線が美しいカウンター。
一階に降りると、議場があります。市民が使うフロアの下に議会を置いて、市民第一主義の姿勢を建築でも示したそうです。
タイポグラフィがイカしてますね。
入口のドアには、岡本太郎がデザインした魂のような形の取っ手が取り付けられていて、チャーミング。真っ赤な床も印象的!
黒川紀章(のメタポリズム建築)と岡本太郎の共演は、大阪万博のモダニズム空間に相通ずる空気を放っています。
こちらは上から見た内部空間。
階段も、萌えますね。
ちなみに、9年ほど前、NumeroTOKYOでも取材をしました。見本誌を飾っていただいていて感動です(写真左下)。
こちらは、裏側からのショットです。
昨今の近代建築が耐久耐震問題に直面し解体されていく中、こちらの市庁舎は、5年前に免震工事を終え、ひとまずは存続が決められました。ありがたい。ちなみに、2003年にはすでにdo.co.mo.moの日本近代建築100選に選ばれていたそうで、建築好きの巡礼の地になっていたそうです。
昭和、平成を市井の人々とともに寄り添ってきた建築が今年、令和を迎えます。この貴重なメタポリズム建築を、みなさまも機会があればぜひ巡ってみてください。
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