「ハイアット ハウス 金沢」で体感する、“愛犬と暮らすような旅” 【後編】 | Numero TOKYO
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「ハイアット ハウス 金沢」で体感する、“愛犬と暮らすような旅” 【後編】

こんにちは! ヨークシャーテリアのエルトン・清原くん(2歳♂)と暮らす、ファッション・エディターの清原愛花です。今回の旅は、子どもの頃の思い出が詰まった石川県・金沢へ。金沢駅西口に佇む「ハイアット ハウス 金沢」に、エルトンくんと一緒に宿泊させていただきました。まさか愛犬と金沢を旅できるなんて——! そんな驚きと喜びから始まった、“暮らすような”2泊3日の滞在。キッチン付きのお部屋で叶う自由なステイや、姉妹ホテル「ハイアット セントリック 金沢」での美食やアートとの出合いを通して、エルトンくんとともに“今”と“伝統”が交差する金沢の魅力を五感で味わってきました。愛犬との旅だからこそ見えてくる、金沢の新しい一面を——。前編 ・後編に分けてお届けします。

愛犬とともに、金沢の恵みをいただく幸せな朝

朝食は、ディナーでも訪れた「ハイアット セントリック 金沢」のダイニング「FIVE-Grill & Lounge」で好きな料理をピックアップして、屋上庭園「みらいの丘」のテラス席へ。お散歩したりしながら、愛犬・エルトンくんと並んで、金沢の朝をゆっくり迎えました。

「FIVE-Grill & Lounge」では、能登や金沢の地元食材をふんだんに使った和洋ビュッフェが並びます。発酵食の街・金沢大野の味噌や醤油、地場野菜に旬なフルーツなど、北陸の豊かな風土を感じるメニュー構成に心が弾みます!

ライブキッチンでは、能登産の卵を使ったオムレツやフレンチトーストをシェフが目の前で仕上げてくれるサービスも。この日は、七尾スギヨのカニカマと蓮根を入れたオムレツをオーダー。ふわとろ卵にしゃきっとした蓮根の歯ごたえが絶妙で、朝から思わず頬がゆるみました。

その他にも、白山の堅豆腐に金沢大野の醤油糀をかけた一皿、金時草のおひたし、のどぐろの一夜干し、具沢山のめった汁など、土地に根ざしたお料理も見逃せません。金沢を代表するソウルフード、ハントンライスや金沢カレーなどボリュームのあるメニューも。ひらみゆき農園のブルーベリーを使ったコンフィチュールや、「のとそだち」の飲むヨーグルトも美味しくて印象的でした。

そして何よりうれしかったのは、こんな贅沢なごちそうを、エルトンくんと一緒に楽しめたこと! テラス席では、スタッフの方がコーヒーを届けてくれたり、エルトンくんにもやさしく声をかけてくださったり……。美味しさと心地良さが重なった、忘れられない朝となりました。

なお、「ハイアット ハウス 金沢」の館内移動時にはケージ、またはスリングバッグに入っていれば同伴可能。テラス席へのアクセスもスムーズにできるので、滞在中のストレスもほとんど感じませんでした。当のご本人は、ちょっとムッとした表情をされてますが!(笑)

ディテールに宿る金沢。セントリックのデザインヒストリー


今回宿泊したのは「ハイアット ハウス 金沢」ですが、どうしても触れておきたいのが、お隣に建つ「ハイアット セントリック 金沢」のアートのこと。金沢の伝統や美意識を、モダンな感性で再構築したこのホテルには、100点を超えるアート作品が点在し、どこを歩いていても心を動かされ、まるでギャラリーのよう。特に印象に残ったアートを8点ご紹介します。


①鉄と金箔の共演。小沢敦志×大森慶宣の豪華絢爛なコラボレーションアート
ホテルの顔ともいえるエントランスの正面を飾るのは、鉄作家・小沢敦志氏と、金沢在住のアーティスト・大森慶宣氏によるコラボレーションアート。小沢氏による《野鍛治の門冠》は、工芸や工場で使われていた鉄製の道具を再構築し、その上に3種類の金箔を重ねて、力強く繊細な松の枝ぶりを表現。 背景の《Blue Rhythm》は、犀川と浅野川の流れを一筆描きで表現した藍のアート。水のリズムと金箔の松が共鳴し、無機と有機、伝統と現代、そして金と青——金沢の美意識を凝縮したような素晴らしいアートは圧巻です!


②エントランスを照らす、加賀梅鉢のシャンデリア
車寄せのすぐ上を見ていただくと、エントランスには、前田家の家紋「加賀梅鉢」を彷彿とさせる、華やかなシャンデリアが。花びらの数にも“加賀五彩”の美意識が感じられますね! 伝統とモダンが調和した、美しい光の造詣が迎えてくれます。



③加賀獅子が見守るロビー壁面アート
エントランスからロビーへと続く空間には、加賀獅子の本制作前に作られる、貴重な試作模型が飾られています。また、金箔が施された獅子頭も迫力満点。加賀獅子の原点ともいえる、この小さな存在が、まるで守神のように、訪れる人々を見守り、温かく迎えてくれます。


④着物に映し出された金沢の古地図と唐草模様
エレベーターホールで出合えるのは、染色作家・三尾瑠璃氏による《加賀国金沢之絵図》。金沢の古地図を下地に、錆で描かれた唐草模様が浮かび上がる圧巻の着物アートが、衣桁にかけられて静かに佇んでいます。


⑤雨に濡れる金沢の瓦を描いた、革のレリーフ
3階ロビーに展示されているのは、白と黒のレザーで構成された印象的なアート。モチーフになっているのは、雨に濡れた石川県の伝統的な黒瓦屋根の風景。瓦が光を受けたときに浮かび上がる、白く煌めく表情を、かつて三味線の革として使われていた素材で表現しているそう。芸妓が奏でた音を支えていた革が、のちに箔打ち職人の手を経て、そして今、アートとして再び命宿す——ひとつの素材が時代と役割を超えて受け継がれていくさまに、金沢らしい“文化の循環”を感じさせる、奥深い一作です。


⑥館内に潜む“うさぎ”を見つけて
金沢が生んだ文豪・泉鏡花が愛したうさぎのモチーフが、ホテルのあちこちにひっそり忍ばせてあるのをご存じでしょうか? “向かい干支を集めると出世する”という言い伝えを信じて、鏡花に水晶のうさぎを贈ってくれた母の影響で、彼は生涯うさぎの置物を集め続けたといわれています。館内には、そんな泉鏡花にちなんだうさぎのオブジェや、彼の言葉をグラフィック化したアートが、エスカレーター脇にさりげなく展示されています。文学と遊び心が共存する、小さな発見の旅をぜひお楽しみください!


⑦ワークアウトタイムを盛り上げるアート作品
2階のジムには、金沢城の「鶴の丸」や兼六園の椿をあしらったアートが。なんとこの作品、古地図と金沢マラソンのコースを重ねてデザインされているそう。


⑧客室へ誘う、九谷焼のルームサイン
お部屋のサインプレートは、本物の九谷焼! 赤・緑・黄・群青・紫の「九谷五彩」で描かれた鮮やかな模様が、色彩のアクセントを添えてくれます。扉の前で、ふと気分が華やぐような、そんな演出も心憎い。


ロビーフロアにも随所に金沢らしさが宿っています。例えば、空間を縁取る格子は、茶屋街の建築に用いられる「木虫籠(きむすこ)」をモチーフにしたもの。外からの視線をやわらかく遮りつつ、内からは景色を楽しめるという、茶屋街ならではの奥ゆかしい意匠です。手前には、静かに圧倒的な存在感を放つ大きな盆栽が配され、奥の壁面には金箔を用いたアートオブジェが。光の加減によって表情を変える金の壁は、訪れる人の心を穏やかに照らすように、そっと佇んでいます。

伝統を重んじながらも、今という時代の空気をしなやかに取り入れた100点以上のアートとデザインの数々。細部にまで息づく金沢らしさ。そのひとつひとつに触れるたび、この街の奥深さと懐の広さを、五感で感じられるはず。まだまだ紹介しきれないアートがたくさんありますが、ぜひご自身の目で、心で、金沢とモダンが響き合うこの場所の“今”を体感してみてください。

金沢で思いがけず出合った“心に残る”体験たち

ホテルで過ごす時間があまりにも快適だった今回の金沢旅ですが、少し外へ足を延ばしてみると、街にはまだまだ素敵なサプライズが待っていました。ここからは、滞在中に体験した“心に残る瞬間”を、いくつかご紹介させてください。

幸運の金箔タクシーに、まさかの遭遇!

「ハイアット セントリック 金沢」のエントランスにあるアートを見に行こうと、エントランスに出た瞬間——目の前に現れたのは、まばゆいほどに輝く一台のゴールドタクシー! なんとこれは、金沢の金箔メーカー「箔一」と「冨士タクシー」がコラボレーションした、“世界に一台”といわれる「金箔タクシー」だったのです。ナンバープレートは「777」、乗車すると、限定ステッカーまでプレゼントしてもらえるという、まさに“幸運を呼ぶ”特別な車!

「幸運冨士」のステッカーをいただいた時、“Welcome back, Aika”と、金沢の街そのものに歓迎されたような、忘れ難いサプライズとなりました。

御三家が徒歩圏内に揃う、奇跡のロケーション

ホテルを一歩出れば、そこにはもう“今の金沢”がギュッと詰まったダイジェストのような世界が広がっていました。「クロスゲート金沢」の2階には、私が帰省のたびに通う、金沢回転寿司御三家のひとつ「寿司食いねぇ!」の姿が。チェックイン前からその看板に目が留まり、心が躍っていました(笑)。

さらに、お隣の商業施設「金沢フォーラス」には、同じく御三家の人気店「もりもり寿司」も。地元民にも観光客にも愛される名店が、なんと徒歩数分圏内に揃ってしまうという奇跡のような好立地。これぞ、グルメの街・金沢ならではの贅沢です。 滞在2日目のランチには、「もりもり寿司」をテイクアウトして、涼しいホテルのお部屋でエルトンくんと一緒にゆったりといただきました。地元の味をこうしてホテルで気軽に味わうことができて、滞在がより豊かになりました。

ちなみに“金沢の回転寿司御三家”と呼ばれているのが、「寿司食いねぇ!」「もりもり寿司」、そして「金沢まいもん寿司」です。

愛犬とカウンターで叶えた、美味しすぎる奇跡のような夜

そして何より忘れられないのが、「おすしと原始焼き 金沢 なかむら」で過ごした一夜。「ハイアット ハウス 金沢」から徒歩わずか6分という立地ながら、まるで隠れ家のように静かな佇まい。そしてこのお店で——愛犬とともにカウンターに並び、本格和食のコースをいただけるという、奇跡のような体験が待っていたのです。

ペット同伴OKと聞いて訪れたものの、お店の外観も内装も高級感たっぷり。そして扉を開けた瞬間、目の前に現れるのは、開放感ある広々としたコの字型のカウンター。中央にはオープンキッチンが据えられ、一品一品が目の前で丁寧に仕上げられていく様子は、まさに五感で味わう特別な体験。犬連れの私たち以外は、地元の常連さんらしき方々で満席。そう、このお店、ペット同伴であることが売りではなく、味とクオリティで選ばれる本格和食店なのです。




コースは焼き胡麻豆腐からスタート。ひと口で「今まで食べていた胡麻豆腐って……」と衝撃を受けるほどの香ばしさと、とろけるようななめらかさ。
お造りは、さすが金沢。どれもとびきり新鮮で、目でも下でも楽しめる美しさ。鱧とグリーンアスパラの天ぷらは、繊細かつふわふわな鱧と、瑞々しく甘いアスパラとのコントラストにうっとり。

続く原始焼きの鮎は、じっくり焼き上げられた香ばしさの中に、旬の滋味がギュッと詰まっていて……。お寿司もネタの新鮮さはもちろん、巻物の美味しさまでとにかく完璧。

そして、最後は、練りたてを目の前で仕上げてくれるわらび餅を筆頭に、なんとデザートだけで3品も!

料理のどれもが期待を軽々と超えてくるような、完成度の高い逸品ばかりで、それでいて、おまかせ全20品のコースは、税込¥8,800!! 価格にまで感動させられるとは思いませんでした。

さらに忘れがたいのが、犬用メニューまで用意されていたこと。炭火で香ばしく炙られたビーフジャーキーに、エルトンくんは夢中でパクパク。まるで私たちと一緒にコースを楽しんでいるような表情に、こちらまで幸せに。

料理、空間、ホスピタリティ、そして愛犬と過ごしたひととき。すべてが心に残る体験となり、「こんなお店が日本にあるなんて……」と胸がいっぱいに。愛すべき一軒と出合えた夜でした。

おすしと原始焼き 金沢 なかむら
住所/石川県金沢市堀川町6-5
TEL/076-287-5572
URL/https://sushigenshiyakinakamura.owst.jp

というわけで、ずいぶん長く綴ってしまいましたが——

子どもの頃の思い出が詰まった金沢に、今回はエルトンくんと一緒に帰ってくることができて、本当に幸せな時間となりました。

伝統を大切にしながら、国際的でしなやかに進化を続ける“今の金沢”。その新しい魅力を、愛犬とともに味わえた今回の旅は、懐かしさと発見が重なり合う、忘れがたいひとときとなりました。

旅の自由度をぐっと高めてくれるキッチン付きのお部屋と、愛犬との暮らしをそのまま持ち込めるような心地よさが魅力の「ハイアット ハウス 金沢」。そして、北陸の恵みにあふれた美食やお酒、館内に点在するアートの世界観に心を奪われた「ハイアット セントリック 金沢」。ふたつのホテルを行き来しながら、金沢の伝統と“今”を五感で味わう、贅沢な滞在が叶いました。

またひとつ、帰ってきたくなる場所が増えた——。
そんな気持ちにさせてくれる、私にとって大切な金沢の拠点となりそうです。

「ハイアット ハウス 金沢」のみなさま、「ハイアット セントリック 金沢」のみなさま、心からの感謝を込めて、ありがとうございました。

 

ハイアット ハウス 金沢
住所/石川県金沢市広岡1丁目5−2
TEL/076-256-1235
URL/https://www.hyatt.com/hyatt-house/ja-JP/kmqxk-hyatt-house-kanazawa

ハイアット セントリック 金沢
住所/石川県金沢市広岡1丁目5−2
TEL/076-256-1234
URL/https://www.hyatt.com/hyatt-centric/ja-JP/kmqct-hyatt-centric-kanazawa

Profile

清原愛花Aika Kiyohara コントリビューティング・ファッション・エディター/スタイリスト。大学時代よりさまざまな編集部を経て、2009年より『Numéro TOKYO』に参加。田中杏子に師事後、独立。本誌ではジュエリー&ファッションストーリーを担当。フリーランスのスタイリストとしては、雑誌や広告、女優、ミュージシャンの衣装を手がける。最近は、愛犬エルトン・清原くん(ヨークシャテリア)のママとして、ライフをエンジョイ中。Instagram @kiyoai413
 

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