6月初旬、南国の沖縄はまだ梅雨の中。照りつける太陽も、空一面の青も、この旅にはあんまりなかったけれど、──そのかわりに私を包み込んでくれたのは、瑞々しいやんばるの緑、五感をほどくような穏やかな景色と空間、そして、ザ・リッツ・カールトン沖縄の細やかなホスピタリティでした。“リゾート”という言葉では到底言い表せられない、忘れられないひと時を過ごすことができた2泊3日。ファッション・エディター清原愛花が、ザ・リッツ・カールトン沖縄で体験した滞在を、前編・後編 の2回にわけてご紹介したいと思います。
ザ・リッツ・カールトン沖縄、極上リトリートの幕開け


風が誘う、琉球ラグジュアリーへようこそ
那覇空港から車でおよそ1時間半。ゆるやかな緑の丘を抜けてたどり着いたのは、名護の高台に佇み喜瀬カントリークラブの一角に広がる、ゴルフ&スパリゾートのザ・リッツ・カールトン沖縄。門の前でまず迎えてくれたのは、立派なツインのシーサー。その堂々たる姿に一瞬背筋が伸びてしまうけれど、琉球建築をモチーフにした館内へ足を踏み入れると、天井高のロビーからは沖縄のやわらかな風が吹き抜け、三線の音色がふんわりと響いてくる。そして、ロビーの奥には、水盤が静かに広がり、この日はあいにくの梅雨模様でしたが、それすら美しい景色の一部だと思えるほど! 静かな水の回廊を歩くと、鳥のさえずりと沖縄らしいサウンドが心地よく、一歩一歩進むたびに日常のざわめきがなんだかほどけてゆく──。チェックインを終える頃には、私の心はもうすっかり“旅モード”に変わっていました。


自然と調和したお部屋でゆったり過ごす贅沢な時間
今回案内されたのは、「ベイデラックスツイン」。窓の外には、やんばるの濃い緑とゴルフコース、そして遠くに名護湾のブルーが見える! 沖縄らしい静けさと豊かさをたっぷり感じられる景色が広がっていました。室内はそんな自然の景色と美しく調和する落ち着いたモダンなインテリア。昨年末に大規模リニューアルを終えたばかりだという客室内は、随所に琉球文化を感じる意匠が施されていて、天井も高く、居心地の良さは言わずもがな。ベッド(シモンズ最高級クラスのオリジナルマットレス)の上に横になれば、外から聞こえてくるのは、遠くで鳴く鳥のさえずり…。何もしない贅沢がこんなにも心地よいと感じたのは久しぶりでした。


バスタイムも沖縄スタイルで
バスルームの扉を開けると、やわらかな自然光がたっぷりと差し込む広々とした空間。レインシャワーにエレガントなバスタブ、そしてアメニティは「Diptyque(ディプティック)」で統一。沖縄の海塩を使った「美ら海バスソルト」やバスピローも用意されていて、五感から癒される贅沢な時間を楽しむことができます。あいにくの天気でしたが、雨に濡れた木々を眺めながら、バスタブにゆっくりと浸かり、ふわふわのタオルに身を包んだ時、「あぁ、The Ritz-Carltonに来たんだな」とじんわり幸せを実感できた時間でした。



いつまでも沖縄のキレイな海が続くよう、環境への負荷を最小限に抑えることを考え、天然由来の原料にこだわって作られた「美ら海バスソルト」。また、写真を撮り忘れてしまったのですが、冷蔵庫の中には、オリオンビールや地元のおつまみがさりげなく揃っていて、沖縄旅行気分をお部屋で味わうことができるのも魅力のひとつ。
お部屋には、肌触りの良いパジャマと薄手のプールパーカーも用意されていました。パジャマはふんわりとしていて、寝心地抜群。プールパーカーはスパへ行く時にもさっと羽織れて、とっても便利でした。
早起きしてでも体験したい!朝のアクティビティ
2日目の朝、少し早起きして向かったのは、ザ・リッツ・カールトン沖縄が提供する、特別なアクティビティプログラム。トレーニングウェアに着替え、静かな朝の空気を胸いっぱいに吸い込みながら向かった先に現れたのは――なんと沖縄空手界のレジェンド、剛柔流の継承者にして範士九段・池宮城政明先生。伝統の技を体現する先生が、宿泊者向けに空手を直接教えてくださるなんて…、なんとも贅沢で特別な体験! さすがThe Ritz-Carlton!! 琉球空手の基本的な型や動きを教えていただき、見よう見まねで挑戦した人生初の空手。先生はとても気さくで明るい方で、笑い声の中にも凛とした空気が流れるひと時。護身術も教えていただきながら、しっかり汗をかいて、身体だけではなく、心まで整うような1時間でした。

最後には、先生による演舞も披露してくださって。その動きのキレとスピード、静と動を行き来する迫力に、思わず息を呑んだ瞬間でした。

この日はあいにくの雨で、屋根のある別の場所での開催でしたが、晴れた日には、海を望む「グスクテラス」にて行われるそう。また、朝のアクティビティは、空手だけではなく、「ハタヨガ」や上級者向けの「パワーヨガ」などもラインナップ。次回はぜひ、そちらも挑戦してみたいです!

小雨の中、記念にヨガのポーズをイメージでやってみました(笑)。

ローカルの恵みをたっぷり味わう、朝のご褒美タイム
人生初の空手で心身ともに目覚めた後は、お腹もすっかり準備万端。ザ・リッツ・カールトン沖縄の朝食は、ダイニング「グスク」にて朝7時から。木の温もりが広がる空間は、まるで琉球の“離れ”に招かれたようなムード。旅気分と沖縄らしさを同時に体験できるビュッフェスタイルの朝食がこちらでは楽しめます。
まず目に飛び込んでくるのは、色鮮やかな沖縄食材の数々。パパイヤの炒め物やモロヘイヤのおひたしなど、ローカルの恵みが惜しみなく並び、「あぁ、まさに私は沖縄の朝を過ごしているんだ〜」と実感したひと時。もちろん、定番のジューシー(炊き込みご飯)や沖縄そばも。もっちりとした麺に、やさしいお出汁のスープは、たっぷり運動した後の身体に朝から染み渡りました…。


そして特筆すべきは、見た目にも美しいパンのバリエーションと、オムレツやエッグベネディクトなどの卵料理が揃うライブキッチン。チーズやハムといった定番に加え、あおさ海苔やゴーヤといった沖縄らしい具材まで。ゴーヤ入りのエッグベネディクトを口にした時、「ここは“海外のThe Ritz-Carlton”ではなく、“沖縄のThe Ritz-Carlton”なんだ」と、じんわりうれしくなりました。一皿ごとに、この地の空気や文化が染み込んでいて、朝から五感が満たされていく、そんな贅沢な時間を堪能させていただきました。

どの瞬間を切り取っても美しい一枚に
ザ・リッツ・カールトン沖縄の魅力は、お部屋やお食事だけではない! 館内のどこを歩いても絵になる瞬間のオンパレードで心がときめくはず。そう、空間全体が美意識で満たされていることを感じるのです。


まず目を奪われるのは、ロビー奥に広がる水盤。昼は青空と雲を映し出し、夜になると、灯篭の灯りが水面にゆらゆら揺れる。その幻想的な美しさに足がとまり、思わず何枚も写真を撮ってしまいます…。


そして、館内の随所に配された緑も圧巻! 大きく葉を広げた南国植物や、苔むしたような石垣の合間から咲く草花。窓辺からふと外を見れば、そこには自然がまるごと切り取られたような景色が広がっている。それだけで、心が元気になって、パワーチャージされたように感じます。あまりにも美しいので、愛用中の「Poléne(ポレーヌ)」のバッグを置いてパチリ。ホテル内のいたるところで物撮影ができそう。

エントランス近くには、ちりりんと涼やかな音を響かせる風鈴が。館内を吹き抜ける静かな風に揺られる風鈴を見ているだけで、心が癒され、暑さや時間も忘れてしまいます。

足元を照らす灯篭が、まるで星の道をつくっているかのようで、夜の館内はまた格別! まさに、ただそこにいるだけで癒される場所。ホテル全体が心のリトリートのようでした。
琉球の夜に包まれてー沖縄料理ディナー
チェックインの日のディナーは、朝食会場と同じ、ホテル内にあるダイニング「グスク」に伺いました。この日いただいたメニューは、「沖縄県産特選しゃぶしゃぶ“グスク”」。


まずは、お造り三種の盛り合わせ、ジーマミー豆腐、もずくなどが美しく並ぶ前菜からスタート。小鉢の一つ一つに手がかけられていて、沖縄食材の優しい味覚が、身体に染み込んでいきます。メインはあぐー豚のしゃぶしゃぶ。出汁の湯気に包まれながら、さっと火を通していただくバラとロースの美味しいこと! あっさりしているのにコクがあって、とろけるようなやわらかさ。シメは雑炊か沖縄そばが選ぶことができるのですが、やさしいお出汁の味わいで、身体が喜ぶコースでした。

そして、印象深かったのが、泡盛の飲み比べ。名護市「ヘリオス酒造」さんからの3種をグラスで少しずつ。琉球グラスに注がれた泡盛の味わいは、とっても強かったですが、どこか土と風の香りがして。三線の音色を聴きながら味わう、沖縄料理。ここでしか味わえない豊かな体験をさせていただきました。
ザ・リッツ・カールトン沖縄
住所/沖縄県名護市喜瀬1343-1
TEL/0980-43-5555
URL/https://www.ritzcarlton.com/ja/hotels/okarz-the-ritz-carlton-okinawa/


