清原あいかのヲタク目線レポート「ティファニー ブルーブック2018 NY」④The Glass House編 | Numero TOKYO
657
Fashion Editor's Post

清原あいかのヲタク目線レポート「ティファニー ブルーブック2018 NY」④The Glass House編

ティファニーが年に一度、世界中のセレブリティに向けて発表している最高峰のハイジュエリーコレクション「ブルーブック」。今年もファッション・エディター清原あいかがNYで行われたお披露目会へ行って参りました。3年連続、もはやティファニーのことなら準社員並み!?笑 ヲタク目線でレポートさせていただきます!

Edit&Text:Aika Kiyohara

TIFFANY DNA TOUR、The Glass Houseへ! 毎年ブルーブックの期間中に開催されるのが、ティファニーのDNAを学ぶプログラム。最終日は、アメリカのモダニズムを代表する建築家「Philip Johnson(フィリップ・ジョンソン)」がデザインした建物「The Glass House(グラスハウス)」ツアーが開催されました。自然からインスピレーションを得て造られたグラスハウスとその敷地は、ティファニーのDNAに息づく自然主義が体感できるということと、リード・クラッコフ氏がグラスハウスの諮問委員会のメンバーを務めているということで、今回実現。 フィリップ・ジョンソンとは? 「Philip Johnson(フィリップ・ジョンソン)」(1906- 2005) アメリカのモダニズムを代表するアメリカ人建築家。ハーバード大学に入学し、哲学を専攻。その時弁護士の父親から相続した株が高騰し、巨万の富を得る。1927年、大学卒業後はヨーロッパを巡り、古典建築及び近代建築に触れ帰国。1930年、ニューヨーク近代美術館(MOMA)の初代館長アルフレッド・バーの誘いでキュレーターに就任。当時主流だった古典主義様式のアメリカ建築に一石を投じる。46年にヨーロッパ建築界の巨匠と呼ばれるミース・ファン・デル・ローエを初めてアメリカに紹介、その活動に助力する。ミースのシーグラム・ビルにも協力し、モダニズムの建築家の代表となる。84年のAT&Tビル(現ソニービル)ではポスト・モダニズムへの展開を見せ高く評価された。79年に設立された、プリツカー賞の初代受賞者。

そんな20世紀を代表する建築家、フィリップ・ジョンソンが、1949年43歳の時に、パートナーのデイヴィッド・ホイットニーと自身のために、コネチカット州ニューカーナン(New Canaan)に建てた週末用の住宅がグラスハウスだ。およそ19万㎡(東京ドーム約4個分)もの広大な敷地に、ぽつりぽつりとゲストハウスやギャラリー、書斎、プール、オブジェなどを建設。

ティファニーのDNAに息づく、自然主義の美を体験!

ニューヨークから車に揺られること約1.5時間。車から降りると、そこは見事なまでの大自然。マンハッタンについさっきまでいたことが嘘のようなのんびりとした景色です。

さぁ、Tiffany Presents The Glass House Tourがスタートです! さっそく Welcome Champagneが運ばれてきました。大自然の中シャンパンをいただきながら・・・ってなんて優雅! 広大な敷地にある建物をいくつかご紹介いたします。

現代アートが眠る静かなギャラリーへ!

「Painting Gallery(絵画ギャラリー)」(1965)

一瞬、防空壕にも見える地面に半分埋まった不思議な建物。こちらは、ギリシャのミケーネの墓にインスピレーションを得て、1965年に建造された絵画ギャラリーです。有名無名を問わず、気に入った作品があれば購入していたというフィリップとそのパートナーのデイヴィッド。生涯を通して収集した現代アートを中心としたコレクションが、この建物に収められています。

中に入ると、ひんやりとしたとても落ち着いたギャラリーでした。というのも、絵画を紫外線や太陽の光から守りたいという理由で、このような半地下にあるギャラリーになったそうです。

特別よ。と見せてくださったのが、アンディ・ウォーホルの作品。この渋いイケメン、フィリップ・ジョンソン御大です。彼が60歳くらいの時だそうです。二人はとても仲良しだったんだとか!

感動的な光と影のギャラリー!!

さて、Painting Galleryを出て次に向かったのが、こちら!


<左>Frank Stella
Raft of Medusa, Part Ⅰ(1990)

「Sculpture Gallery(彫刻ギャラリー)」(1970)

その名の通り、フィリップの彫刻コレクションの収納場所として建てられたギャラリーです。“すべての彫刻はある種の背景を必要とする。彫刻をそれぞれの場面でうまく見せるために設計した”のだとか。有り余る財産と、フィリップのマニアックなこだわりの賜物です! こちらには、マイケル・ヘイザー、ロバート・ラウシェンバーグ、ジョージ・シーガル、ジョン・チェンバレン、フランク・ステラ、ブルース・ナウマン、ロバート・モリス、アンドリュー・ロードの順番で彫刻が展示されています。


<右>George Segal
Lovers on a Bed Ⅱ(1970)

<左>John Chamberlain
The Archbishop, The Golfer, and Ralph(1982-83)


Bruce Nauman
Neon Templates(1966)

彫刻もさることながら、秀逸だったのが建物のガラス天井から入る光! この日はラッキーなことに晴天で、なんとも表現しがたい複雑な光と影(もはやアート)がギャラリー内に差し込み、素晴らしい空間を体験することができました! ここで撮影したら、間違いなくいい絵が撮れそうです!

ついに本題。かの有名な360°ガラスのグラスハウスへ!

ああ。天気が曇ってきました。写真微妙ですみません・・・。
名前の通り、壁の部分すべてが透明ガラスで作られていて、中からも外からも全部まる見え。開放感いっぱいの建物です。

グラスハウスの間取りはいたってシンプル。ワンフロアの中に、キッチン、トイレ、バスルーム、そしてベッドが置かれています。全面ガラス張りの中での寝心地はどうだったんでしょうか。林の中で寝るような感じ?? 住み心地が気になります。実際、フィリップは最晩年までここを使い続け、2005年にこのベッドで息を引き取ったそうです(享年98歳)。ちなみに、こちらの家は、前出の建築家のミース・ファン・デル・ローエがファンズワース邸を計画していた時に、フィリップがそのスケッチを見て発想したと言われています。(なのにミース邸よりも早く完成したとのこと)

大自然を愛でながらTiffanyのスペシャルランチ

・・・とここまでは一般的なツアーでも体験できますが、今回はTiffany Presents! スペシャルなお楽しみが用意されていました!

グラスハウスで優雅にランチ! わーい!最高なんですが!!

カトラリーなどシルバーはすべてティファニー! 気分が上がります。

スープ、メイン、デザートとどれも美味で、至福の時間でした! 特に美味しかったのが、写真右下のヴィジュアルも最高のパン! ふっかふかでほんのり塩気が効いていて、どの料理とも相性抜群。

フォトジェニックなプレスのJasmineをパチリ❤

さて。美味しいお料理を作ってくださったのが、シェフのYann Nuryさん。今回のティファニーのさまざまなイベントのケータリングは、すべて彼によるものでした。ほんと全部美味しかったのですが、特に前出のパンやパイ、ケーキなどが最高! 人生の中でも今後記憶に残るほど美味しかったです!

彼のワークが気になる方はinstagramをチェックしてみてください! 日本にも来たいとおっしゃっていましたよ。

仕事を忘れ完全にリフレッシュ!

食事の後は、椅子に腰掛けてのんびり景色を眺めたり、小さな秋を見つけに散歩に行ったり、フォトジェニックなプールで撮影大会をしたり・・・笑。(Short Trip気分でかなり満喫させていただきました!

最後にプレスのみんなとライター宇野さんとパチリ。

そうそう。私たちが参加した前日には、某ブランドの広告撮影をしていたとのことです。こんなフォトジェニックな場所、羨ましい限りです! そして、300人くらい集められれば、サマーパーティとして貸し出せるとのことでした。個人的には友達が少ないのでパーティはちょっと難しいとして、必ずや撮影で再訪する!と心に誓いました。またひとつ夢ができました!

ティファニーさま、普段なかなか体験できないスペシャルなプランをありがとうございました! アート好き、建築好きの方なら、絶対楽しめるThe Glass House、NYの都会に疲れたら、ぜひ足を伸ばして訪れてみてください!

The Glass House
199 Elm St,New Canaan,CT 06840
http://theglasshouse.org

Magazine

DECEMBER 2024 N°182

2024.10.28 発売

Gift of Giving

ギフトの悦び

オンライン書店で購入する