書で「般若心經」をしたためた荒木経惟の新作展が開催中
自らの心境を重ね合わせて、数々の傑作を生み出してきた荒木経惟の新作展が原宿のアートスペースAMで開催中。
人物、風景、静物、ドローイングフォトなど特定の写真表現にとどまらず、常に新境地を追い求める荒木の今回の新作は、和紙にプリントした写真に書で「般若心經」をしたためた作品群。以前から先人による作品や古典に感応してきた荒木だが、今回は経典「般若心経」に綴られている「この世のすべては『無』であり、悟りは自らの中にある。なにごとにもとらわれることなく、自らの道を真摯に生きていきなさい」というメッセージが、写真に描かれた一文字一文字から伝わってくる展示になっている。展覧会名は、同スペースで2015年に開催された「淫夏」と今年2月に開催された「淫冬」の2つの展覧会に連なり「淫秋」と名付けられた。2014年から同ギャラリーで発表されている、インスタントフィルム作品のコラージュ作品シリーズの最新作も同時に発表。本場中国をはじめ、世界中から評価を受けている荒木経惟の書の世界観をぜひ実物を見て体感してみて。
荒木経惟展「淫秋—般若心經惟」
会期/2016年9月9日(金)〜11月11日(金)
会場/アートスペースAM
住所/東京都渋谷区神宮前6-33-14 神宮ハイツ#302
時間/13:00~19:00
休廊日/月曜・火曜休
TEL/03-5778-3913
URL/www.am-project.jp
imshu 2016 © NOBUYOSHI ARAKI/ art space AM 2016
Text:Ai Kiyabu