ターナー大回顧展 現代美術とともに、風景を、自然を捉えなおす | Numero TOKYO
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ターナー大回顧展 現代美術とともに、風景を、自然を捉えなおす

J.M.W. ターナー『捕鯨船エレバス号に万歳! もう一頭獲ったぞ!』1846年展示 Photo Tate
J.M.W. ターナー『捕鯨船エレバス号に万歳! もう一頭獲ったぞ!』1846年展示 Photo Tate

東京・上野の国立西洋美術館にて「テート美術館 ターナー展――崇高の絵画、現代美術との対話」が開催されている。
19世紀、自然を捉える風景画の可能性を大きく切り拓いた英国の画家J.M.W. ターナー。彼は、霧や雲、差し込む光、水面など、物体を包み込む大気や変化しつづける世界を捉え、描こうとした。

本展では英国のテート美術館よりターナーの作品80点以上が紹介される。英国の風景、山々、歴史画、ヴェネチア、海景、後期の作品など、序章と全7章に分けられ、テーマごとにターナーの歩みをたどる。そして同時に、オラファー・エリアソン、ケイティ・パターソン、ヴォルフガング・ティルマンスら、現代アーティストの作品も紹介され、自然の捉え方の変化、環境問題にも目をむける。

J.M.W. ターナー『月光、ミルバンクでの習作』1797年展示 Photo Tate
J.M.W. ターナー『月光、ミルバンクでの習作』1797年展示 Photo Tate

序章は「暗い部屋」。
ターナーは、彼が営んでいた画廊の来客たちを「暗い部屋」でしばしば待たせたといわれている。ここではターナーがくりかえし描いた月光のイメージ、そして日食のスケッチも展示。ここでは、現代アーティスト、ケイティ・パターソンによる、日食の記録像から生み出された無数の光の粒がゆっくりと舞うインスタレーションも展示。

J.M.W. ターナー『グリゾン州の雪崩』1810年展示 Photo Tate
J.M.W. ターナー『グリゾン州の雪崩』1810年展示 Photo Tate

雪崩を描いた作品には、人間の姿はない。ただ、なすすべもない圧倒的な自然のパワーが伝わってくる。その凄まじさに、自然と対峙したときに抱く、崇高の感覚がたちあがる。ターナーは生涯において6度もアルプスを訪れていたという。2章では「山々の内部へ」と題し、アルプスを中心とした英国外の風景を紹介。そして、ターナーが描いたメール・ド・グラス氷河の作品とともに、オラファー・エリアソンの氷河の写真シリーズを展示。自然を制御不能なものとしてみつめたターナーに対して、エリアソンはそれが脆さをはらみ、人間の活動によって変化してゆくものであると提示する。

J.M.W. ターナー『三つの海景』1827年頃 Photo Tate
J.M.W. ターナー『三つの海景』1827年頃 Photo Tate

そして、最終章ではターナーの晩年の作品群を紹介。晩年にかけて、光や大気、色彩そのものの経験を再現するような作品が多く生み出された。そうして、のちの時代へと続く「抽象の先駆者」と評価されてきたのだが、ここでは、眼前の作品とともに、ターナーがその時代で丹念に描いてきたことを感じたい。本章では、マーク・ロスコ、バーネット・ニューマンらの作品も展示。風景を再現することから離れ、光や色彩そのものの経験を描くこと。鑑賞者として、これらの作品を前に、自らに湧き起こる感覚をじっくりと味わってほしい。

J.M.W. ターナー『新月——あるいは「ボートを失った、きみにフープはやらない」』1840年展示 Photo Tate
J.M.W. ターナー『新月——あるいは「ボートを失った、きみにフープはやらない」』1840年展示 Photo Tate

テート美術館 ターナー展――崇高の絵画、現代美術との対話

会期/2026年10月24日(土)〜2027年2月21日(日)

会場/国立西洋美術館

場所/東京都台東区上野公園7-7
開館時間/9:30〜17:30 
※金曜・土曜日は20:00まで ※入館は閉館の30分前まで
休館日/月曜日、11月24日(火)、12月28日(月)〜2027年1月1日(金・祝)、1月12日(火) 
※11月23日(月・祝)、2027年1月11日(月・祝)は開館  
※2027年1月12日(火)~2月21日(日) 国立西洋美術館 常設展示室は閉室
※詳細は公式サイトをご確認ください
URL/https://turner2026-27.exhibit.jp/

巡回展/大阪中之島美術館:2027年3月13日(土)~6月27日(日)

Text:Hiromi Mikuni

 

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