ユニフォームは、規律を象徴する服でありながら、そこにはいつも纏う者の個性が滲み出る。私たちはルールを少しだけ破ることに心を躍らせ、自分らしい着こなしを探してきた。そんな反骨精神が息づくユニフォームの現在地を岸本佳子が描き出す。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2026年11月号掲載)

ジャケット¥641,300 シャツ¥277,200 パンツ¥231,000 タ
イ¥33,550/すべてSaint Laurent by Anthony Vaccarello (サンローラン クライアントサービス)
1966年、イヴ・サンローランが発表した「ル・スモーキング」。かつて男性だけに許されていたタキシードを女性のワードローブへと取り入れ、自由を象徴する存在となった。構築的なショルダーラインに艶やかなサテンのラペルが映え、マスキュリンとフェミニンが美しく交差する。袖を通すたびに、自分らしく生きるための勇気をそっと授けてくれる。

ジャケット¥380,600 パンツ¥184,800 シューズ¥136,400/すべてAnn Demeulemeester(エム) ソックス/スタイリスト私物
映画の主人公に憧れ、制服を着崩した学生時代の記憶。アン ドゥムルメステールのクリエイティブ・ディレクター、ステファノ・ガリーチが今季振り返るのは、そんな若き日の反抗と憧憬。ナポレオンジャケットにプリーツ入りのルーズなショートパンツと履き潰したようなスニーカーで、どこにも属さない自由な魂を滲ませる。

コート¥3,399,000 トップ¥520,300 サスペンダー付きパンツ¥1,177,000(参考価格)ブーツ¥647,900/すべてHermès(エルメスジャポン)
エルメスのルーツである乗馬の世界を、モダンな感性で映し出す。バイカースタイルを思わせるシルエットのなかに、ニットやレザーの豊かな質感、サイハイブーツの遊び心を加えて。レザージャケットを風になびかせ、大地を駆ける騎手のような冒険心を。

ジャケット¥238,700 シャツ¥93,500 スカート¥158,400/すべてAmi Paris(アミ パリス ジャパン)
学生服を思わせるプリーツスカートとシャツにミリタリージャケットを重ね、規律の象徴だったスタイルを自分らしく再解釈する。甘さだけでは終わらないハンサムな佇まいは、思わず視線を奪う魅力に満ちている。大人になった今だからこそ、スクールスタイルをモードとして楽しみたい。

【右】ジャケット¥1,254,000 パンツ¥383,900【左】ジャケット¥951,500 パンツ¥383,900/すべてLouis Vuitton(ル
イ・ヴィトン クライアントサービス)
今季再燃しているスキニーパンツに合わせたのは、シャープなテーラリングが際立つホワイトスーツと、艶やかなレザーにカーリーファーを重ねたアビエイターなブルゾン。異なる魅力を纏いながら、自らのアイデンティティを力強く映し出す。その姿勢こそが、彼女たちのユニフォームだ。

ジャケット¥471,900 トップ¥157,300 スカート¥314,600/すべてMarc Jacobs(マーク ジェイコブス カスタマーセンター) シューズ/スタイリスト私物
1990年代を思わせるツイードのセットアップに、艶めくトップやジャケットの装飾、スカートに取り付けられたチェーンベルトがエッジィなニュアンスをプラス。ヤンキーライクなヘアスタイルは、クラシカルなエレガンスを鮮やかに裏切る。ミニマルな装いにこそ、揺るぎない個性を宿して。

【右】ジャケット¥503,800 スカート¥847,000 ブーツ¥379,500【左】コート¥460,900 シャツ¥214,500/すべてDries Van Noten(ドリス ヴァンノッテン)ブーツ/モデル私物
英国海軍の防寒着として生まれ、やがて学生たちの定番となったダッフルコート。その袖から、繊細な刺繍をあしらったシャツを覗かせる。学生服や軍服を思わせる端正なブレザーには、異国の民族衣装を彷彿とさせる華やかなテキスタイルのスカートを合わせて。ドリス ヴァン ノッテンらしい多彩な文化のエッセンスが、時代や国境を超えて響き合う。

レースジャケット¥2,200,000 パンツ
¥1,700,000(参考価格) キャップ ¥130,000 シューズ¥280,000/すべてDior(クリスチャン ディオール)
花びらのように軽やかなレースのペプラムジャケットに、くるみボタンが連なるパンツ。そんな可憐な世界にワークウェアのエッセンスを掛け合わせることで、フェミニニティを日常へと引き寄せる。パンツはワークブーツにインしてノンシャランに纏い、ボーイッシュなキャップでアクティブなムードを。

トップ¥451,000 パンツ¥495,000 シューズ¥203,500/すべてFerragamo(フェラガモ・ジャパン)
船乗りのユニフォームをルーツに持つマリンスタイルを、ネイビーのニット地でしなやかにアップデート。リラックスしたシルエットと大きく広がるセーラーカラーが絶妙な抜け感を生み、デイリーにも取り入れやすい一着に。足元にはポインテッドトゥを合わせ、女性らしさを香らせて。

【右】ジャケット
¥1,922,800 ドレス¥1,806,200 ネックレス〈シルバー〉¥320,100〈ゴールド〉ともに¥311,300【左】トップス¥1,689,600 スカート¥1,339,800/すべてChanel(シャネル
カスタマー ケア センター)
かつて男性のワードローブや実用着に用いられていた素材を、エレガントな女性の装いへと昇華したガブリエル・シャネル。その反骨的なスピリットは、今なお現代のユニフォームに受け継がれている。スポーティなトップスにはプリーツスカートを重ね、ローウエストのベルトでモダンに昇華。しなやかなクレープ素材のセットアップは、無造作なツイードや揺れるチェーンによってスパイスアップを。

トップ¥258,500 シャツ¥236,500 パンツ¥324,500 ソックス¥187,000 シューズ¥258,500(すべて予定価格)/Prada(プラダ クライアントサービス)
黒のニットとスラックスが生み出すストイックな佇まい。そこへ忍ばせたブルーのシャツや愛らしい花柄のソックスが、知的なスタイルに個性を吹き込む。普段のワードローブも、さりげない色遊びによってさまざまな表情を見せてくれる。

ジャケット¥484,000 ハット¥143,000 シューズ¥126,500(すべて予定価格)/Celine(セリーヌ ジャパン)
英国のモッズカルチャーを思わせるミリタリージャケットに、端正なハットを合わせて。伝統ある装いのコードを纏いながら、足元には白いスニーカーを合わせストリートの軽快さを。ノーブルな気品を漂わせ、自由な感性を重ねて。
Photos:Pak Bae Fashion Director:Yoshiko Kishimoto Hair:Takayuki Shibata Makeup:Sada Ito Text:Makoto Matsuoka
