高畑充希やJURIA(XG)、Stray Kidsヒョンジンらが来場。卓越した技巧で”軽やかさ”を形作る「ディオール」2027年サマー ウィメンズ コレクション | Numero TOKYO
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高畑充希やJURIA(XG)、Stray Kidsヒョンジンらが来場。卓越した技巧で”軽やかさ”を形作る「ディオール」2027年サマー ウィメンズ コレクション

©︎ADRIEN DIRAND
©︎ADRIEN DIRAND

ディオール(Dior)は、現地時間の9月29日にパリ・チュイルリー庭園にて2027年サマー ウィメンズ コレクションを発表。ランウェイ形式で開催されたショーには、メゾンのグローバルアンバサダーを務めるジス(BLACKPINK)やウォニョン(IVE)、ジェニファー・ローレンスらに加え、日本から俳優の高畑充希とJURIA(XG)が参加し、フロントロウを彩った。

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ショーの舞台となったのは、2026–2027年秋冬 コレクションと同じくチュイルリー庭園。前回同様に、公園内に設けられた池に8角形の回廊型セットを配置。中央を縦断するランウェイを挟むように巨大なクスノキが並び、水面からゆらりと立ち上る濃霧が詩情を掻き立てる。トライバルなリズムに気怠い女性ヴォーカルが絡む、アメリカのエクスペリメンタル・ポップ・バンド、サンラックスのチューン『Easy(Switch Screens) feat. Lorde』が流れるとショーがスタートした。

ファーストルックは、オーガンザのホワイトジャケットに、マキシミニ丈のプリーツスカートの組み合わせ。ジャケットにはうっすらとチョークストライプが施されており、シアーな素材からインナーに合わせたシャツが透けて見え、配色とピッチ幅の異なるストライプが重層的なニュアンスを添えている。続いて、登場したブラックのショールカラージャケットも透け感のある素材で、インナーに合わせたバーズアイのトップスが顔を覗かせ、紫陽花を模ったカスケードイヤリングが風に揺れるたびに軽快さを助長する。

© DIOR

コレクションノートによれば、今回、クリエイティブ ディレクターを務めるジョナサン・アンダーソンが試みたのは、“軽やかさ”の追求であり、メゾンのテーラリングを担当するアトリエ「タイユール」と、より柔らかな素材を扱うアトリエ「フルー」によるサヴォワールフェールの競演だ。両者の卓越した技術とマテリアルの折衷によって、グレンチェック柄やツイードといった秋冬向けのパターン・生地をレース、シルクモスリン、オーガンザなどの軽やかなテクスチャーで表現。透明さと不透明さの境界をファジーに行き交うようなイメージへと巧みに落とし込んだ。

© DIOR

「空気そのもの素材に取り込んだ」ように扱う一方、メゾンに通底するレガシーは多方に見て取れる。淡いトーンの花弁で埋め尽くされたジャケットとショートパンツのセットアップは、1949年春夏 オートクチュール コレクションの「ミス ディオール」ドレスと、同年の秋冬オートクチュールコレクションで披露された「ジュノン」ドレスのハイブリッドを想起させる。

また、アンダーソンがデビューコレクション以降、メンズのパンツなどに転用した大きなドレープのヒダが連なる「デルフト」ドレスのディテールは、今回もドットワンピースのウエストや、胸元から腰元まで細かくピンタックを寄せたピンクのノースリーブワンピースを可憐に彩る。

メゾンが誇るアイコンピースのひとつ「バー」ジャケットも多彩なバリエーションで登場した。中でもシェイプされたウエストはそのままに、ダック地のようなタフな素材とフラップや裾を切りっぱなしにして仕上げたアレンジは出色。「ドレスアップとカジュアルダウンという相反するものの駆け引き」をクリエイションの核として掲げるアンダーソンの真骨頂であり、実際に製品展開されれば人気を集めそうだ。

© DIOR

ショーの終盤に登場したピュアホワイトのニット製「バー」ジャケットにも、偉大なる先人たちの名残りが伺える。構築的なボックスカラーは、アンダーソンが慕うジョン・ガリアーノがデザインしたデコラティブな「バー」ジャケットをリファレンスしたようにも見えるが、さらに調べると、マルク・ボアンが書き残したスケッチにも似たような襟型が存在する。もちろん、そのどちらでもない可能性も含めて、インスピレーションソースについてあれこれ思案を巡らすのが楽しい。

© GO RUNWAY

過去のコレクション同様に、性差を超えたクリエイションもアンダーソンの魅力だ。6月に開催された2027年サマー メンズ コレクションのファーストルックで披露された透け感のあるスーツスタイルを初め、メタリックなパイソン柄パンツやパイピングが特徴のパジャマシャツ、多彩なバリエーションで披露されたスモーキングジャケットもその好例。モチーフやコードを共有しながら、ウィメンズ向けに単なるサイズダウンに終始することはない。例えば、裾がフリンジになったドネガルツイードのテーラードジャケットはワンピースへと転用され、フォーマルなボウタイは、ムッシュ ディオールが愛した「ボウ」モチーフへと変換。結び目のノット部分をマキシサイズにしてニットジャケットのヘムラインを形作るなど、アウトプットに無限の可能性を感じさせる。

また、有機的な自然美に憧憬を重ねた、アシンメトリーなバランスも目を惹いた。スタイリングでは、ジャケットのラペルを片方跳ね上げて、シャツのカフスを片袖だけ誇張してはみ出させるなど、“こなし”のテクニックで非対称性を表現。左右でボリューム感やシルエットが異なるドレスもバリエーション豊富で、先述した紫陽花やブレードのイヤリングは片耳だけ付けている。“軽やかさ”を探求したコレクションにおいて、イレギュラーな動きとニュアンスが生まれる起動装置としてアシンメトリーが機能していた。

メンズとウィメンズのオートクチュール、プレタポルテだけでなく、自身のブランドやコラボレートコレクションなどを加えると、年間18本程のコレクションを制作すると言われるアンダーソン。その圧倒的な仕事量はクリエイションの枯渇など微塵も感じさせないばかりか、キャリアの全盛期がさらに未来にあることを確信させる。

Dior
クリスチャン ディオール
TEL/0120-02-1947
URL/www.dior.com

Text: Tetsuya Sato

 

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