1963年、西ドイツにてテレビやビデオなどのメディアをアートに取り入れたメディアアートを発表し、その先駆者として知られるナムジュン・パイク。半世紀以上にわたる、メディアアートの父ことパイクのの全貌に迫る展覧会「じゅげむ展」がワタリウム美術館(東京・神宮前)にて開催中だ。

ブラウン管から液晶、4K、LEDディスプレイへと進化を続けながらも、色褪せることないナムジュン・パイクの作品。時代が移ろい、価値観や社会問題が変わろうとも常に新しい視点を見せる。
展示会場2〜4F全てをパイクの作品で構成される本展。2Fでは、美術館の展示会場にあわせてつくられた『ケージの森/森の啓示』(1993)を拡張し、フロア全体を森で覆う。実際の木々が使用され、造られた植物では体験できない匂いや、変化が起こる。森の中には、代表作の『時は三角形』(1993)、『ロボットK-567』(1993)などの立体作品を織り混ぜられ、自然と文明の相反するふたつの共存を表す。

3Fでは未公開のコラージュ作品をはじめ、20点以上のパイクの平面作品が中心となる。『TV植物』(1980)など、ブラウン管を用いた立体作品、パイクの発想の源であるドローイングが展示された。
4Fでは、三原色で壁に大きく映し出される蝋燭『ニューキャンドル』(1993)を会場全体に展開。そのほか「心」にまつわる作品なども公開される。吹き抜け空間にはLEDパネルでパイクの詩の作品『for Mr. I & Mr. I』(1964)が流され、パイクの「心」そのものが展示全体に響き渡る。

時代が進むごとに際立つ、パイクの斬新さ。映像から響く音、一見ユーモラスでありながら現代の問題を鋭く突く作品たち。その本髄をご覧あれ。会期は11月23日(月・祝)まで。

「ナムジュン・パイク|じゅげむ展」
会期/2026年7月19日(日)〜11月23日(月・祝)
会場/ワタリウム美術館
住所/東京都渋谷区神宮前3-7-6
料金/大人1,500 円、大人ペア2,600 円、学生(25 歳以下)・高校生・70 歳以上の方・身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳お持ちの方、および介助者(1名まで)1,300円、小・中学生500円
URL/www.watarium.co.jp/
Text:Akane Naniwa
