バトラー活用術も! ワンランク上の「ラッフルズ・ホテル・シンガポール」滞在を叶える10のTIPS | Numero TOKYO
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バトラー活用術も! ワンランク上の「ラッフルズ・ホテル・シンガポール」滞在を叶える10のTIPS

2025年版の「The World’s 50 Best Hotels(世界のベストホテル50)」で第5位に輝き、シンガポールで初めて、そして唯一となる最高評価「3ミシュランキー」を獲得した「ラッフルズ・ホテル・シンガポール(以下、ラッフルズ)」。100年以上に渡り、世界中の旅人や文化人を魅了し続けてきた名門ホテルに隠された歴史やユニークな伝統、そして宿泊者だけが味わえる特権まで、滞在が何倍も味わい深くなる10のTIPSを紹介する。

1. 創業139年! シンガポール建国よりも古い歴史と、名前のルーツ

ラッフルズの歴史は、現在のシンガポール共和国が1965年に建国されるよりもはるか昔、1887年にまで遡る。イースタン&オリエンタルホテルなどを手掛けたペルシャ系アルメニア人のサーキーズ兄弟によって、全10室のホテルとして開業したのが始まりだ。ホテルの名は、近代シンガポールの創設者であるイギリスの政治家・植民地行政官、トーマス・スタンフォード・ラッフルズ卿にちなんで名づけられた。

1894年にパームコート・ウイングがオープンし、1899年には現在の3階建ての本館が完成。当時、シンガポールで初めて電灯や扇風機を備えたホテルとしても話題となった。1904年にブラス・バサー・ウィングを増築。その後も鋳鉄製ベランダの増設や、「東洋一のボールルーム」の完成など、華やかな社交の舞台として拡張を続けてきた。

2. 幻の「昭南旅館」時代と、地中に隠された銀製ワゴン

ホテルの名前が一時「昭南旅館」だった時代があることをご存じだろうか。それは第二次世界大戦下、1942年2月~1945年8月までの大日本帝国統治下だ。この期間、シンガポールは「昭南島」(元号の昭和の「昭」に、南方地域を意味する「南」が由来)と呼ばれ、大東亜共栄圏の重要拠点と位置づけられ、マレー軍政幹部が置かれていた。ホテルも旧日本軍に接収され、「昭南旅館」へと改名を余儀なくされたのだ。

当時の混乱のさなか、ホテルで愛用されていた銀製のビーフワゴンや銀食器を略奪から守るため、スタッフたちがパームコート・ガーデンの地中に埋め隠した。戦後になって掘り起こされたワゴンや銀食器は修復され、現在は館内のレストラン「1887 バイ・アンドレ」などで、その姿をみることができる。

3. 開業100周年で国定記念建造物に。1991年に第1回リニューアル

「ラッフルズ」は開業100周年を迎えた1987年、シンガポール政府により国定記念建造物(国定史跡)に指定された。その後、1989年から1991年にかけてホテルを約2年半閉鎖し、数百万ドルを投じた第1回大規模改修を実施。1910年代から20年代にかけての優美な黄金期の外観が蘇った。また飲食店、ミュージアム&ミュージアムショップ、ジュビリー・ホール・シアター・プレイハウス、5つの多目的エリアなどを有する「ラッフルズ・アーケード」が誕生。宿泊者以外も利用しやすい観光名所へと進化した。

4. 2019年に全115室がスイートへとリニューアル

広さ70平米の「パームコート・スイート キング」のリビングエリア
広さ70平米の「パームコート・スイート キング」のリビングエリア

伝統を重んじる一方で、時代に合わせて常にアップデートを続けているのも「ラッフルズ」の特徴だ。2017年から2019年にかけて、3段階にわたる第2回大規模改修が行われた。

「パームコート・スイート キング」のベッドエリア
「パームコート・スイート キング」のベッドエリア

デザインを手掛けたのは、著名なインテリアデザイナーのアレクサンドラ・シャンパリモー。このリニューアルにより「レジデンス」「プロムナード」「スタジオ」という3つの新しいスイートカテゴリーが追加され、ホテルは全115室9カテゴリーすべてがスイートルーム(46~260㎡)という、贅沢な仕様へと生まれ変わった。

5. 文豪や銀幕のスターが愛した「パーソナリティ・スイート」

「パーソナリティ・スイート」の一つ「エリザベス・テイラー・スイート」Photo by Raffles Hotel Singapore
「パーソナリティ・スイート」の一つ「エリザベス・テイラー・スイート」Photo by Raffles Hotel Singapore

過去100年以上にわたり「ラッフルズ」は数々の歴史的著名人に愛されてきた。彼らへの敬意を表して名付けられた12室の「パーソナリティ・スイート」には、それぞれの人物にまつわる貴重な記念品が飾られている。

イギリスの小説家サマセット・モームや、喜劇王チャールズ・チャップリン、ハリウッドスターのジョン・ウェインなど、その顔ぶれは実に豪華。大女優のエリザベス・テイラーもこのホテルを愛した一人であり、1957年には映画プロデューサーのマイク・トッドと共に、1993年には親友のマイケル・ジャクソンと共に滞在したそう。

6. 英国軍服×伝統。象徴的なシク教徒のドアマン

「ラッフルズ」と言えば、ターバンを巻いたアイコニックなドアマンたちをイメージする人も多いだろう。純白に金の装飾が施された彼らの制服は、かつての英国軍の軍服と地元の伝統衣装を掛け合わせた独自のデザインだ。シンガポールの歴史において、重要な建物の警護をグルカ兵やシク教徒が担っていたという歴史から、今なおシク教徒のみが「ラッフルズ」のドアマンを務めている。屈強な見た目とは裏腹に気さくでチャーミング、フレンドリーな人が多いので、ぜひ一緒に記念撮影をしておきたい。

7. 午後8時ちょうどに響き渡る、特別なピアノ演奏

ホテルのグランドロビーには、1853年製の歴史あるグランドファーザークロック(大きな置時計)が鎮座し、厳かに時を刻んでいる。毎晩このロビーではピアノの生演奏が行われているが、時計の針が午後8時を指すと、ピアニストは演奏中の曲をそっと止め、必ずある特定の曲を奏で始める。それはイギリスの劇作家ノエル・カワードの名曲「I’ll See You Again(またお逢いしましょう)」。カワード自身がホテル滞在中に始めたという習慣に由来するロマンチックな伝統だ。

8. パッキングからバブルバスまで叶える「ラッフルズ・バトラー」のサービス

ラッフルズでの滞在を語る上で欠かせないのが、24時間体制の「ラッフルズ・バトラー」の存在だ。まず着目したいのが、客室でのウェルカムサービス。

客室でチェックイン手続きを済ませた後、シンガポールのクラフトショコラティエ「Mr. Bucket Chocolaterie」によるオリジナルチョコレートを携えたバトラーが部屋に現れ、数種類の中から好みのフレーバーを6種類選ぶよう案内される。

合わせて、ウェルカムドリンクとしてシンガポール・スリングも振舞われる。こちらはチェックイン時に客室でいただくのもいいが、滞在中のどこかのタイミングで客室に加え、ベランダやプールサイドでその特典を使うこともできる。さらに日本との国交60周年で誕生した期間限定の抹茶シンガポール・スリングや、ノンアルコールのシンガポール・スリングへの変更も可能だ。ターンダウンサービスでは、シンガポール伝統菓子が用意されるほか、客室に常備されているフルーツのカットもバトラーに依頼できる。

滞在中は、荷解きやパッキング、靴磨きのほか、淹れたてのコーヒーや紅茶のサーブ、アイロンの貸し出し、子ども用アメニティの用意、客室のスナックやドリンクの補充に至るまで、バトラーがあらゆるニーズに応えてくれる。そんな至れり尽くせりのサービスの中でも、ぜひ体験してほしいのが「バブルバス」のオーダーだ。バスタブピローをセットし、ふんわりモコモコな泡の触感に癒されるバブルバスを作り上げてくれる。ちなみに、その完璧な泡の作り方は企業秘密のようで、「鶴の恩返し」のごとく浴室の扉をそっと閉ざして準備をしてくれるのも心憎い演出だ。

このほか、シンガポール市内観光のアドバイスやチケットや車の手配など、コンシェルジュ的な役割も一手に引き受けてくれる。

9. 宿泊者限定の無料のホテル歴史ツアー

左奥の窓からマイケル・ジャクソンが民衆に向けて挨拶を行ったという
左奥の窓からマイケル・ジャクソンが民衆に向けて挨拶を行ったという

宿泊者であれば、事前予約をすることで誰でも無料で参加できるのが、専属の歴史学芸員(ヒストリアン)が案内役を務めるホテルの歴史ツアーだ。

映画『クレイジー・リッチ!』の撮影でも使われた本館のソファ席
映画『クレイジー・リッチ!』の撮影でも使われた本館のソファ席

1887年の開業当時のエピソードを聞きながら、創業時から時を刻む大きな柱時計やアンティークのオルゴールを見学。竹の針を使った古い手回し式の蓄音機で、実際のレコードのやわらかな音色を聴く体験も用意されている。

各国要人が宿泊した「プレジデンシャル・スイート」
各国要人が宿泊した「プレジデンシャル・スイート」

当日空きがあれば、本館3階にある広さ約300㎡の「プレジデンシャル・スイート」の一部を見学できることもある。

本館とパームコート・ウイングの渡り廊下には「Hall of Fame(栄誉の殿堂)」もあり、エリザベス女王、チャールズ・チャップリン、ジャッキー・チェン、デヴィッド・ボウイなど、数々のVIPの足跡をたどることができる。「このアップライトピアノは、エルトン・ジョンも演奏しました」というように、ホテルにまつわる様々なエピソードをヒストリアンから聞いてみてほしい。

10. ブティック割引に無料スパ設備も! 賢く使いこなしたい宿泊者限定の特権

Photo by Raffles Hotel Singapore
Photo by Raffles Hotel Singapore

最後に、宿泊者限定の特典をまとめて紹介したい。一つ目は、館内の「ラッフルズ・ブティック」でのお買い物が15%オフ(一部対象外商品あり)になるということ。ホテルオリジナルのティーセレクションや、カヤジャムなど、ここでしか買うことができない商品はぜひお土産に手に入れたい。

バトラーに頼めば、代わりに予約をしてくれるスパ施設 Photo by Raffles Hotel Singapore
バトラーに頼めば、代わりに予約をしてくれるスパ施設 Photo by Raffles Hotel Singapore

二つ目は、「ラッフルズ・スパ」での体験。宿泊者であれば、マッサージやトリートメントを利用せずともバイタリティプールやドライサウナ、スチームサウナを有するハイドロサーマル設備とリラクゼーションスペースを無料で利用できる。チェックイン前やチェックアウト後も利用できるが、人数制限があるため必ずご予約を。

三つ目は、「ウェルネス・アクティビティ」への参加だ。「ラッフルズ・スパ」の専任プラクティショナーによる、ヨガ、サウンドヒーリングセラピーなどが毎週開催されており、タイミングが合えば参加することができる。

四つ目は、ホテル内にあるダイニングの優先予約だ。シンガポール・スリング発祥の地として知られ、常に行列ができる「ロング・バー」も予約をすれば並ばずに入店できるためぜひチェックを。

シンガポールの歴史だけでなく、世界の歴史と密接に関わってきた「ラッフルズ」。100年以上にわたり一流をもてなしてきたラグジュアリーホテルだからこそ、事前に知識を深めて、パーフェクトな滞在を叶えたいもの。宿泊者ならではの恩恵を賢く使いこなし、ワンランク上のホテルステイを満喫してみては。

ラッフルズ・ホテル・シンガポール
住所/1 Beach Road, Singapore 189673
TEL/+65 6287 1111
URL/www.raffles.com/ja/singapore/

取材協力:ラッフルズ・ホテル・シンガポール

Photos & Text: Riho Nakamori

Profile

中森りほ Riho Nakamori 東京生まれ、東京在住のフリーランスライター・編集者。食や旅などライフスタイルを中心とした各種メディアで活躍。年間100日ほど仕事やプライベートで国内外を旅している。Instagram: @tokyo.and.elsewhere
 

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