いま、ランニングはファッションや音楽、文学などさまざまなカルチャーと結びつき、新たな広がりを見せている。
一人で黙々と走る自己研鑽のようなイメージから、人とのつながりを楽しむコミュニケーションツールとして、ランコミュニティの存在感も増す。趣味志向ごとに細分化するなかで、東京最大規模を誇るホットなランコミュニティ「080TOKYO」の代表・ユナに、東京のランニングシーンの盛り上がりについて聞いた。
黎明期より「080TOKYO」に参加し、ランナー歴は8年ながら「実はランニングは苦手」だという。なぜ、それでも走り続けるのだろうか?

──まずは、ユナさんが所属するランコミュニティ「080TOKYO」の活動について教えてください。
「『080TOKYO』の主な活動は毎週月曜のグループランです。20時10分に代々木公園の原宿門前時計塔をスタートし、渋谷〜原宿近辺を5km弱のルートで走っています。事前登録がないのでメンバーは流動的ですが、最近は海外の方が観光ついでにふらっと参加してくれることも増えていますね」


──「080TOKYO」と出会ったきっかけは?
「そもそも『080TOKYO』は2017年にナイキのショップスタッフだった3人が設立しました。私も当時ナイキでショップスタッフとしてアルバイトをしていて、ある日ファウンダーの1人にグループランに誘われたんです。軽い気持ちで参加したらすごく楽しくて……気づいたら自分が一番先頭を走っていて、人生で初めて5kmを完走しました。1人だったら1kmも行かずに歩いていたと思うんですけど、誰かと一緒に走るとこんなに走れるんだっていう楽しさに目覚めて、そこからライフワークになりました。
現在の『080TOKYO』は私を含めた5人体制で運営していて、毎週月曜のグループランをリードしたり、イベントの企画や運営をしています」
──東京拠点のランコミュニティで活動してきたユナさんから見て、ランニングシーンはどのように変化しましたか。最近では、ランニング後のクールダウンに、コーヒーブレイクやDJイベント、読書会を取り入れる個性的なコミュニティも増えていますよね。
「あくまで肌感ですが、私が『080TOKYO』に参加した2017年頃もランコミュニティ自体は少なくなかったです。ただ、やっぱりランニング経験のある愛の強い人たちが、大会を目指したり、タイムを上げるためにストイックに練習しているような印象でした。もちろん当時も気軽に走る人はいたと思いますが、今は自分のペースや趣味嗜好の合う仲間と楽しみながら走る人が増えたのを感じます」
──ランニングシーンの盛り上がりとともに、ここ数年の「080TOKYO」の変化についてはいかがですか。
「かつては参加者が数人だけのときもありましたが、いつの間にか50人、80人、100人と増え、国籍も豊かになりました。毎週100人ほどの参加者がいますが、その3分の1以上がアジアやヨーロッパからの方です。旅行の一環として、その土地のランコミュニティに参加するランナーは結構いるんです。

あとはここ数年でランイベントが急増していて、『080TOKYO』も企業から声をかけていただく機会が増えました。イベントで出会った方が後日『080TOKYO』のグループランに参加してくれることもあってうれしいですね。周りの話も含めて、学生時代のランニングは苦しくて楽しくなかったという人は多いんですが、イベントがランニングの楽しさと出合いなおすきっかけになっているのではないでしょうか」
──では、ユナさんにとってランニングの楽しさとは?
「ランナー歴は8年になりましたが、実は今でもランニングが苦手で、走ること自体の楽しさは正直分からないかも(笑)。それでも走るのは、一緒に走る人がいて、いろんな人と出会えて、人とつながる楽しさがあるから。やっぱりランニングっていう共通言語があるとすぐに仲良くなれるし、ランナーは優しくてフレンドリーな人が多いんです。
日本にいるのに海外の友達がどんどん増えて、海外のランコミュニティに参加してみたり、体を動かすこと自体にも興味が湧いて、仲良くなったランナーたちと山登りに行ったり、すごくアクティブになりました」
──ランニングを通じて、人との出会いがどんどん広がっているんですね。最後に、「080TOKYO」に興味を持った読者へメッセージをお願いします。
「私は『080TOKYO』に参加するまでランニングの経験もなかったし、すごくランニングへの愛が強いわけでもない。だからこそ『080TOKYO』は誰でも気軽に参加できるコミュニティでありたいと思っています。ハードルを高く感じず、ぜひ気軽に参加してください」
080TOKYO
毎週月曜20時10分
代々木公園 原宿門前時計塔
Instagram/@080tokyo_official
Photo: Shuichi Yamakawa Interview & Edit: Miyu Kadota
