差し色で差がつく、「赤」の取り入れ方【田中杏子が読み解くおしゃれスナップ】 | Numero TOKYO
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差し色で差がつく、「赤」の取り入れ方【田中杏子が読み解くおしゃれスナップ】

連載「田中杏子が読み解くおしゃれスナップ」

日々のスタイルの参考になるのは、リアルなストリートスナップ。Numéro TOKYO統括編集長の田中杏子が、オフランウェイで見つけた着こなしから、今すぐ取り入れたくなる着こなしのヒントをわかりやすく解説する。トレンドアイテムからスタイリングのコツまで、見逃せないポイントが満載!vol.6は「赤を差し色に」。

ニットは着なくてもOK! 肩掛けで今っぽい着こなしに


ブラウンのセットアップをベースに、ベージュのバッグやウエストのストリングで柔らかくまとめたスタイリング。そこに赤のニットを肩からラフにかけることで、落ち着いたトーンにほどよいアクセントを加えている。

【Ako’s Point】
「赤のニットを肩にかけたり腰に巻いたりするスタイルは、セリーヌの新アーティスティック・ディレクターのマイケル・ライダーが提案してから、火がついたような気がします。ニットは着るだけでなく、巻いたり掛けたりすることでスタイリングをつくるアイテムとして使えるのがポイントです。

手持ちのカーディガンやニットを首元に添えるだけで、全体の印象がぐっと今のムードに近づきますし、着なくてもスタイルとして成立するのが面白いところ。

このスタイリングは、ブラウンを基調にした落ち着いたトーンの中に赤を一点入れることで、バランスよく引き締めているのが印象的。リップの色ともリンクしていて、さりげない統一感も効いています」

赤ひとつで変わる、Tシャツスタイルの作り方

白Tシャツにストライプスカートを合わせたシンプルなスタイリング。そこに立体感のある赤のバッグを抱えるように持ち、足元もソックスとシューズをボルドートーンで揃えることで、統一感のあるまとまりに。

【Ako’s Point】
「一見シンプルなスタイルですが、赤の取り入れ方がとても印象的です。特にバッグを抱えるように持つことで、自然と視線が集まり、スタイリングの主役として機能しています。

足元もポイントで、スニーカーにボルドー系のソックスを合わせることで、スカートのストライプの色とさりげなくリンクさせています。この色の拾い方が全体のまとまりを生んでいますね。もしここを黒にしてしまうと、印象はかなり変わっていたと思います。

さらに、あえて素足を見せているのもバランスの鍵。肌を見せることで軽やかさが生まれています。シンプルな装いでも、色とバランスの取り方次第でここまで洗練された印象に」

赤をのぞかせて、ベーシックを更新

落ち着いたトーンのレイヤードスタイルに、赤をさりげなく効かせた着こなし。袖や裾、襟元からのぞく色がリズムを生み、シンプルな装いに奥行きを与えている。

【Ako’s Point】
「シャツにニット、ジャケット、デニムという定番の組み合わせに、赤をどう効かせるかがポイントになっています。袖や裾、襟元から少しだけ色をのぞかせることで、全体に軽やかなアクセントを加えています。

こうした“チラ見せ”は上級者のテクニックに見えますが、実は取り入れやすい方法。手持ちのシャツやニットを重ねるだけで、自然と色がポイントになってくれます。

デニムはややバギーで、ジャケットも少しラフなシルエットを選んでいるのが絶妙なバランス。そこにクラシックなシューズを合わせ、ヘアもタイトにまとめることで、全体が引き締まっています」

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Profile

田中杏子Ako Tanaka 統括編集長。ミラノに渡りファッションを学んだ後、雑誌や広告に携わる。帰国後はフリーのスタイリストとして『ELLE japon』『流行通信』などで編集、スタイリングに従事し『VOGUE JAPAN』の編集スタッフとして 創刊から参加。シニア・ファッション・エディターを務める。2005年 Numéro TOKYO編集長に就任し2007年2月創刊、2025年3月まで務める。現在は統括編集長として本誌のヴィジュアル全般、デジタルやSNS、ECなどNuméro事業全体を担う。2021年、新プロジェクトrabbitonを立ち上げる。著書 『AKO’S FASHION BOOK』(KKベストセラーズ刊)。
Twitter: @akotanaka Instagram: @akoakotanaka
 

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