フランシス・クルジャンが語るジャドールの新章 | Numero TOKYO
Beauty / Feature

フランシス・クルジャンが語るジャドールの新章PROMOTION

パフューム クリエイション ディレクターのフランシス・クルジャンが、ディオールを象徴するジャドールの新章「ジャドール インテンス」について語った。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2026年5月号掲載)

「特定の女性をイメージしてフレグランスを創作するのは初めてのことです」──そう静かに語る、パフューム クリエイション ディレクターのフランシス・クルジャン。ミューズであるリアーナのために香りを作り上げた「ジャドール インテンス」。彼にとっても、そしてジャドールにとっても、それは異例の試みだった。

1999年の誕生以来、ジャドールは一貫して「神秘的な魅力に包まれた、実在しない理想の花」を描き、世界中の自立心を持つ女性たちに輝きを添えてきた。夢の世界に咲く黄金の花束が、今回はじめて具体的な人物を創作の出発点に据えたのだ。

そのきっかけを尋ねると「芸術的な本能や、衝動のようなものですね」と返ってきた。「明確な理論や戦略に基づいた試みというよりも、もっと直感的な理由なのです。新しいジャドールを構想するなかで、ミューズであるリアーナにより結びつけたものにしたい、そう考えました。まるで一人の女性のためにオートクチュールのドレスを仕立てるように」。この答えから、「ジャドール インテンス」は極めてパーソナルなアプローチから生まれた香りであることがうかがえる。

リアーナは2024年にジャドールのミューズとなった。圧倒的な才能で世界のトップチャートに君臨し続けるスーパースターであり、新たな美の概念を提唱するカルチャーアイコンでもある彼女。ジャドールが掲げる「力強く、進歩的で自由な女性像」を、いまもっとも体現するひとりと言えるだろう。

クルジャンが「ジャドール インテンス」を創作するにあたって、大きなキーワードとなったのが、リアーナの“ある魅力”だという。「それは現代性にあふれた女性らしさです。彼女から放たれるポジティブなオーラは、非常に時代的な強さに満ちています。もちろん彼女だけが現代女性の象徴というわけではありませんが、ひとつの揺るぎないビジョンを持つ人であると感じています」。かつて「香水は時代を反映するもの」と語っていたクルジャンらしい視点だ。

ジャドールインテンス(パルファン)35ml ¥13,860・50ml ¥19,140
ジャドールインテンス(パルファン)35ml ¥13,860・50ml ¥19,140

滴る蜜が引き出す花々のセンシュアリティ

リアーナが体現するラディカルで開放的な女性らしさには、たくさんの魅力が宿る。自信に満ちた官能性や、高まる自発性、そして世界を大胆に受け入れる明晰さと天才的な感性。あらかじめ自然とそこに存在していたかのように自由な美しさ。それらを香りで表現するにあたり、クルジャンは「花の蜜」にフォーカスしたという。そのために濃密なハニーのニュアンスが選ばれている。

「あくまでも、ラグジュアリーな花束というジャドールのDNAは変わりません。そこに甘さやフルーティさ、ジューシーさ、ジャムのような中毒性を加えることで、花々の官能的な面を膨らませました。ジャスミンはアプリコットのニュアンスを帯びるように、イランイランは陽光の輝きが広がるように。さらにローズのユニークな側面を引き出し、グルマンのニュアンスを帯びたゴージャスなバイオレットと調和させました。すべてを包み込むのはソフトでなめらかなサンダルウッドと、リッチなバニラの存在です。花々の個性を一つ一つ捉えなおし、それぞれの官能性を引き出すよう努めながら、花の蜜のイメージを作り上げていきました」

とろりと滴る甘い蜜は、それ自体がセンシュアルであるだけでなく、花々の色彩と芳香を格段に艶やかなものにしていく。「花が果実へと変わる直前の、変容の究極の瞬間を捉えたかった」と、クルジャンは話す。

「ジャドール インテンス」は、可憐な花束にはちみつをたっぷりとかけたスイーツのような香りとは一線を画す。もっと花々が内なる官能性を溢れさせ、それが蜜となって滴るような、自発的な甘やかさに満ちている。「大胆なグルマンフローラル」と表現されるそれは、肌に重なり、一体化することで輝きを増す。そこにあるのは、肌そのものがなめらかな煌めきを放っていくような、抗えない魅力。しかし一方で、どこか軽やかで洗練された、ソフトな光を放つ印象もある。

「それはまさに『ジャドール インテンス』で私が狙ったところです。インテンスという言葉は、香りの濃度が高い、香りが重いという意味に受けとられがちですが、そうとは限りません。より長く香りが持続することや、より強い印象を残すこと、あるいはより濃密なテクスチャーを描くことも、インテンスという概念のかたちです。たとえばグルマンノートで、砂糖のニュアンスを表現するとき、クレームブリュレなら濃い印象に、生クリームなら軽やかな印象になります。ひとくちにインテンスといっても、さまざまな表現方法が可能なのです。『ジャドール インテンス』で追求したのは、光の強度、輝きのインテンスです」

ヘリテージの価値を守りながらエモーションを吹き込む

ジャドールは、ミス ディオールと並んでメゾンを象徴する存在だ。長い歴史を持つアイコニックなフレグランスから、新たな香りを創造するにあたり、彼が意識を向ける先は、どこにあるのだろう。「ジャドールは、多彩な花を集めた究極のフラワーブーケです。その基盤を尊重しながら、新しい印象、新しい感動を香りにしていくのが私の仕事です」

その具体的な方法は企業秘密です、と笑いながら続ける。「作家が言葉を組み合わせて、これまでに誰も考えなかったような心の動きを表現するように、あるいは画家が色彩とテクニックを駆使して伝えたい想いを表現するように、調香師は香りを使ってエモーションをかたちにする。そのための努力を惜しんではなりません」

ひとりのミューズに捧げられた甘く艶やかな黄金の雫は、センシュアルなシェイプのアンフォラボトルに注がれた。それはガラスの重量を削減したボトルで、透明感と軽やかさをもってインテンスを描く。肌と溶け合い、内面に潜む官能性や自信を引き出すジャドールの新章は、抗えない歓びと確信を目覚めさせる香りだ。

ジャドールに包まれて官能性と向き合うひととき

柔らかく、センシュアル。花々の上質な香りに包まれるジャドールの香りは、ボディケアでも堪能したい。

右から:ジャドールインテンス(パルファン)35ml ¥13,860・50ml ¥19,140 きめ細かい泡立ちで至福のバスタイムを。ジャドール シャワー ジェル 200ml ¥8,250 みずみずしいミルキーな潤いで、肌を柔らかくしっとり包み込む。ジャドール ボディ ミルク 200ml ¥9,350 香りも保湿も持ち運べるラウンドケース入りの97%自然由来のハンド クリーム。ジャスミン ワックスやコットン ネクターが、手肌や爪をなめらかに整える。ジャドール ハンド クリーム 50ml ¥8,580/すべてDior(パルファン・クリスチャン・ディオール)

Parfums Christian Dior
パルファン・クリスチャン・ディオール
TEL/03-3239-0618
URL/www.dior.com

Interview & Text : Ayana Edit : Naho Sasaki

Profile

フランシス・クルジャン Francis Kurkdjian フランス出身。20代より調香師として活躍し、香水史に残る名香を数多く手がける。2009年に芸術文化勲章“シュバリエ”を受勲。21年よりディオール パフューム クリエイション ディレクターに就任し、メゾンに革新をもたらし続けている。
 

Magazine

MAY 2026 N°196

2026.3.27 発売

Wearing Me

私を語る服

オンライン書店で購入する