「テート美術館 — YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」展@国立新美術館
Art / Feature

「テート美術館 — YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」展@国立新美術館

それは、90年代UKカルチャーとともに世界を席巻した一大ムーブメントだった――。常識を覆し、今に至る潮流を決定づけたヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)。英国美術の中心地テート美術館発、スターたちの伝説的作品がそろい踏みを果たす。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2026年3月号掲載)

ジュリアン・オピー『ゲイリー、ポップスター』(1998-99年)を用いた展覧会メインヴィジュアル。
ジュリアン・オピー『ゲイリー、ポップスター』(1998-99年)を用いた展覧会メインヴィジュアル。

ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)——1990年代を中心に頭角を現した、鮮烈なる才能たち。物語の始まりは88年、サッチャー政権下の不況にあえぐロンドンで、美学生だったダミアン・ハーストが企画した展覧会に遡る。以後、若手アーティストが低家賃の倉庫街を拠点に、不要品の使用や赤裸々な表現を打ち出す動きが活発化。92年、サーチ・ギャラリーの『ヤング・ブリティッシュ・アーティスト』展を皮切りに、YBAは停滞していた英国アートシーンに熱狂と賛否を巻き起こしていく。

ダミアン・ハーストは、動物の死骸を用いた作品のほか、煙草の吸い殻が置かれたオフィス空間を密閉するなど、死のイメージを示唆。ジュリアン・オピーは、広告と美術の境界を問う作風で時代の寵児に。クラブシーンの写真で知られたヴォルフガング・ティルマンスによるケイト・モスの肖像も象徴的だ。今やスターアーティストとなった彼らの活躍は、ブリットポップやレイヴなどの音楽、ファッションなどUKカルチャーの熱気とも呼応し、世界に多大な影響を及ぼした。

本展はテート美術館が自らキュレーションしたYBAおよび同時代の約60名による作品で構成される。その陣容たるや、壮観の一言。いわば私たちは、YBAのアフターパーティの時代を生きているのかもしれない。

ヴォルフガング・ティルマンス『ザ・コック(キス)』(2002年)を用いた展覧会メインヴィジュアル
ヴォルフガング・ティルマンス『ザ・コック(キス)』(2002年)を用いた展覧会メインヴィジュアル

「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」
既存の美術の枠組みを問い、旋風を巻き起こしたYBAを中心に約60名の約100作品が集結する。最新情報はサイトを参照のこと。

会期/2月11日(水)~5月11日(月)
会場/国立新美術館
住所/東京都港区六本木7-22-2
TEL/050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL/www.ybabeyond.jp/

Edit & Text : Keita Fukasawa

 

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