アーティスト・高橋知裕が描く“ひとつの小さな世界”@MAHO KUBOTA GALLERY | Numero TOKYO
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アーティスト・高橋知裕が描く“ひとつの小さな世界”@MAHO KUBOTA GALLERY

『ANIMISM』 (2026年) ©︎Takahashi Tomohiro / Courtesy of MAHO KUBOTA GALLERY Photo: Yuma Nishimura
『ANIMISM』 (2026年) ©︎Takahashi Tomohiro / Courtesy of MAHO KUBOTA GALLERY Photo: Yuma Nishimura

ぬいぐるみや玩具などをモチーフに制作を行うアーティスト・高橋知裕による新作個展「Make Me Art !」が、東京・外苑前のMAHO KUBOTA GALLERYで開催。会期は、2026年1月21日(水)〜2月21日(土)まで。

『Make Me Art!』 (2026年)  ©︎Takahashi Tomohiro / Courtesy of MAHO KUBOTA GALLERY Photo: Yuma Nishimura
『Make Me Art!』 (2026年)  ©︎Takahashi Tomohiro / Courtesy of MAHO KUBOTA GALLERY Photo: Yuma Nishimura

自らの内側に立ち上がる世界観を、演劇的な構造とともに作品化するアーティスト、高橋知裕。高橋はまず、映画のセットを組み立てるかのように、箱庭的な世界を実際に制作。紙によって建築要素や室内のモチーフを作り、そこにぬいぐるみやおもちゃといった身近な存在を配置することで、現実とは異なるスケールと論理をもつ仮想の空間“ひとつの小さな世界”を立ち上げていく。

その後、高橋はその世界を俯瞰する視点から絵画として描き出す。静止した空間として構築された箱庭に、絵画を通じて時間や気配、生命のようなエネルギーを吹き込み、独自の作品へと昇華させていく試みだ。

『SUPIRU』 (2025年)  ©︎Takahashi Tomohiro / Courtesy of MAHO KUBOTA GALLERY Photo: Yuma Nishimura
『SUPIRU』 (2025年)  ©︎Takahashi Tomohiro / Courtesy of MAHO KUBOTA GALLERY Photo: Yuma Nishimura

こうした制作手法の背景には、高橋が関心を寄せてきたアニミズム的思考がある。自然界のあらゆる存在に魂や意志が宿るとするアニミズムの感覚に基づき、高橋は、ぬいぐるみやおもちゃといった存在に命を与え、語りかけ、関係を結ぶ。作家とモチーフとの間に生まれる対話やコミュニケーションの積み重ねが、やがてひとつの世界観を形づくり、その世界が再び絵画として立ち現れるのだ。

展覧会風景 Photo: Yuma Nishimura
展覧会風景 Photo: Yuma Nishimura

本展のタイトル「Make Me Art!」は、作家自身の制作衝動を示すと同時に、キャラクターや無生物たちが発するかのような声にも重なる。それは、遊戯の中で命を与えられた存在たちが、主体的に世界に関与し始める瞬間ともいえるだろう。

高橋知裕の世界観が広がる新たな実験の場を体感しに、ぜひ足を運んでみたい。

※掲載情報は2月4日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをご確認ください。

高橋知裕個展「Make Me Art!」
会期/2026年1月21日(水)〜2月21日(土)
会場/MAHO KUBOTA GALLERY
住所/東京都渋谷区神宮前 2-4-7 1F
開館時間/12:00〜19:00
休館日/日、月、祝
RL/https://www.mahokubota.com/ja/exhibitions/5297/

Text : Akiko Kinoshita

 

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