アルフレド・ジャーの半生を振り返る個展@東京オペラシティ(初台)個展
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アルフレド・ジャーの半生を振り返る個展@東京オペラシティ(初台)個展

世界の諸問題を題材に、多様なメディアで作品を展開するアルフレド・ジャー。彼の半生を追う個展「アルフレド・ジャー あなたと私、そして世界のすべての⼈たち」が東京・初台にある東京オペラシティにて開催中だ。

『サウンド・オブ・サイレンス』 2006 © Alfredo Jaar
『サウンド・オブ・サイレンス』 2006 © Alfredo Jaar

建築と映像制作を学んだのち、1982年に渡⽶、以後ニューヨークを拠点として国際的に活躍する作家のアルフレド・ジャー(リンク:https://numero.jp/tag/alfredo-jaar/)。1980年代にニューヨークの都市空間へ介⼊する作品『Rushes』(1986)や『アメリカのためのロゴ』(1987)によって注⽬を集め、1986年のヴェネチア・ビエンナーレ、1987年のドクメンタ両⽅に招待された初のラテンアメリカ出⾝の作家だ。

社会の不均衡や世界各地で起きる地政学的な出来事に対する繊細な視点と、真摯な調査にもとづく作品で注目を集めるジャー。写真、映像、建築的なスケールの⽴体作品と多様なメディアにわたり、⾝体的体験をともなうインスタレーションが特徴的だ。

『マジシャン』 1979 © Alfredo Jaar
『マジシャン』 1979 © Alfredo Jaar

誰かを糾弾するのではなく、世界を検証する詩的なモデルをつくり出すという、ジャーの制作に通底するこの態度は、戦禍や不平等といった悲劇をはじめ、⽇常の諸問題に直⾯する私たちに、静かに、⼒強く訴えかける。こうした姿勢と作品が高く評価され、2018年には「美術の分野で⼈類の平和に貢献した作家」を顕彰するヒロシマ賞の第11回⽬の受賞者となり、2023年に広島市現代美術館で受賞記念展が開催されたことも記憶に新しい。

本展では広島の展覧会で依嘱された⼤型の作品をはじめ、1970年代の初期作品からジャーの作家活動を代表する作品、そして本展のために制作する新作が公開。なぜ世界の諸問題を題材として作品をつくり続けるのか。その作品を見て私たちはなにを感じ、考えるのか。見るもの一人ひとりが世界と自身、そしてアートの力と向き合う機会となりそうだ。

『今は⽕だ』 1988 © Alfredo Jaar
『今は⽕だ』 1988 © Alfredo Jaar

※掲載情報は1月31日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをご確認ください。

アルフレド・ジャー あなたと私、そして世界のすべての⼈たち
会期/2026年1⽉21⽇(⽔)−3⽉29⽇(⽇)
会場/東京オペラシティ アートギャラリー
住所/東京都新宿区西新宿3丁目20-2
時間/11:00〜19:00(入場は18:30まで)
休館日/月曜(2月23日は開館)、2月8日(日)、2月24日(火)
料金/⼀般1600円、⼤・⾼⽣1000円、中学⽣以下無料
URL/www.operacity.jp/ag/exh294/

Text:Akane Naniwa

 

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