ロマネ・コンティの産地「ブルゴーニュ」の赤ワインはなぜ世界中で人気? ソムリエ店長に聞いてみた|Numero TOKYO
Life / Food

ロマネ・コンティの産地「ブルゴーニュ」の赤ワインはなぜ世界中で人気? ソムリエ店長に聞いてみた

ワインにハマってしばらく経つと、避けては通れないのがフランスの「ブルゴーニュ」という産地。人気のワインは世界中で争奪戦となる、いまもっとも注目される産地で、世界最高額とも言われるワイン「ロマネ・コンティ」もこの土地で造られています。

そんなブルゴーニュなのですが、土地、生産者、格付けといった要素が複雑に絡み合い、初心者にはちょっぴり難しく感じられます。ブルゴーニュワインには興味があるけれど、詳しい人に話を聞くと専門用語が飛び交ってチンプンカンプン……ということにもなりかねません。

そこで今回は、ブルゴーニュワインの基本をしっかり押さえつつ、知識を中級者レベルにまで引き上げるべく、ワインマーケット・パーティー店長の沼田英之ソムリエに、ワインブロガーのヒマワインが、わかりやすく解説してもらいました!

ブルゴーニュワインの魅力

ブルゴーニュワインは赤のピノ・ノワール、白のシャルドネ、そのどちらも非常に人気がありますが、今回の記事では「赤」にフォーカス。魅力あふれるブルゴーニュ・ピノ・ノワールの世界をご案内します!

ヒマワイン(以下、ヒマ)「ブルゴーニュのピノ・ノワールは世界中に熱狂的なファンを持つ赤ワイン。私ももちろん大好物です。今回は、そんなブルゴーニュワインの魅力をわかりやすく解説してもらうというのが趣旨です」

ブルゴーニュの「格付け」とは

沼田店長(以下、店長)「そうですね、まずは基本的な部分として『格付け』からお話ししましょうか」

ヒマ「ブルゴーニュワイン最大の特徴ですね」

店長「そうですね。たとえばボルドーでは、生産者ごとに格付けが決まっています。Aさんは一級、Bさんは三級みたいに決められている。ブルゴーニュの場合そうではなくて、『土地』によって格付けが変わってくるんです。具体的には『地域名』『村名』『畑名』の順に格付けが上がります。『東京都』『渋谷区』『恵比寿』みたいなイメージですね」

ヒマ「土地の規模が小さくなるほど、格付けも上がるわけですね。『やっぱり港区白金台のワインは一味違うな!』みたいな(笑)」

店長「『地域名』のワインは基本的には平地のワイン。『村名』は斜面が広がる水はけの良い土地だったり標高の高い土地でワイン生産に有利な土地にあるケースが多く、『畑名』はそのなかでも特別に日当たりが良かったり、条件のいい畑のぶどうで造られたものが名乗ることを許されます」

ヒマ「格付け最上位が『畑名』ですが、これはさらに『一級畑』『特級畑』に分けられるんですよね」

店長「はい、一級畑をプルミエ・クリュ、特級畑をグラン・クリュと呼びます。たとえば有名なロマネ・コンティも実は畑の名前。もちろんグラン・クリュ格付けです。このように、生産者ではなく『土地』によって格付けがされるのがブルゴーニュの大きな特徴なんですよ」

ブルゴーニュは「生産者」でも味が大違い

ヒマ「そして、一言で『畑』といっても、その畑を複数の生産者が分割して所有していたりするのもブルゴーニュワインが複雑な点」

店長「そうなんですよ。なので、同じ畑名のワインであっても生産者の腕前や哲学によって味わいの方向性が異なる……このあたりもブルゴーニュワインの魅力です。たとえばその畑を所有していた当主が亡くなるとふたりの子どもが分割して相続したりということもよくありますからね」

ヒマ「長男は先代の味わいを忠実に守り、長女は革新的な手法を導入して新風をもたらす、みたいなことがあったりするんですよね。歌舞伎の楽しさに一脈通じる、家族の歴史そのものを眺める良さみたいなものもあるという」

店長「アンリ・ジャイエという伝説の醸造家がブルゴーニュにはいますが、そのアンリ・ジャイエの親戚にあたる人が造るワインは人気を集めやすい。“家系”を追う楽しさはあると思います」

覚えておきたいブルゴーニュの「畑」

店長「ただ、まず覚えてもらいたいのは生産者ではなく「村」なんです。村がわかれば大体の特徴はわかりますから。そもそもブルゴーニュは南北にすごく長いので、北と南ではスタイルがかなり変わってくるんです」

ヒマ「ブルゴーニュといえばなんといっても有名なのは“黄金の丘”を意味するコート・ドールと呼ばれる地域。ですが、その南北にも実は魅力的な産地が広がっているんですよね」

店長「はい。北のシャブリと南のボジョレーは最近ではブルゴーニュのくくりで語られないケースも多いようですが、北からコート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌ、コート・シャロネーズ、マコネと、南北に非常に長い土地です。コート・ドールというのはこのうちコート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌを総称した言い方ですね」

ヒマ「読者のみなさんもそろそろ疲れてきたかもしれませんがもう少しお付き合いください(笑)」

店長「ではここからは、絶対に覚えていただきたい村の名前を紹介しつつ、ワインをテイスティングしていきましょう!」

多彩なブルゴーニュワイン

珍しい! 赤いスパークリングワイン

店長「最初は珍しいワインをご紹介します。このワイン、ブルゴーニュの“赤の泡”なんです」

ヒマ「へえ、こんなのあるんですね! ブルゴーニュの白の泡はよくありますが、赤は初めてです」

ジョエル・レミー ブルゴーニュ・ムスー・ルージュ 3,900円
ジョエル・レミー ブルゴーニュ・ムスー・ルージュ 3,900円

店長「ブルゴーニュのワインは白はシャルドネ、赤はピノ・ノワールとほぼ決まっていることで多様性がないように感じられるかもしれませんが、実はこのような泡があったりと、探すと多様性も感じられるんですよ」

ヒマ「味わいも良いですね! 香りもいいし、味わいも深みがあります。なおかつ、泡が抜けたあとでも“赤ワイン”としておいしいというのがいい」

ブルゴーニュの北の産地「イランシー」とは

店長「もうひとつ、ブルゴーニュの多様性を感じられるワインがこのイランシーのワインです。イランシーというのはブルゴーニュでもっとも北に位置する産地で、白ワインで有名なシャブリに近い。ここでは『セザール』というぶどうをブレンドすることが許されているんです。このワインもピノ・ノワールにセザールが少量ブレンドされています」

ヒマ「セザール……謎のぶどうです。しかし、北のほうの産地とは思えないくらいしっかりと赤い果実の味がして、とてもおいしいワインですね」

イランシーを代表する生産者の1本。ドメーヌ・コリノ イランシー トレ V.V 2019 6,500円
イランシーを代表する生産者の1本。ドメーヌ・コリノ イランシー トレ V.V 2019 6,500円

店長「地球温暖化の影響で、産地が徐々に北に移動しているとも言われていますからね。今後ますます注目が集まる産地かもしれません」

ブルゴーニュの中心地! コート・ド・ニュイで覚えておきたい“3つの村”

店長「ここまで赤いスパークリング、イランシーと、ブルゴーニュの多様性を見てきましたが、ここからが本題。世界NO.1のピノ・ノワールの産地といえるブルゴーニュの中心地のひとつ『コート・ド・ニュイ』から、絶対に覚えておきたい3つの村をご紹介します」

ヒマ「ブルゴーニュの偉大な産地、コート・ドールは北のニュイと南のボーヌに分かれるんですよね。そのうち北のコート・ド・ニュイには8つの村があります」

店長「はい、どの村にも個性があるのですが、ジュヴレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニー、ヴォーヌ・ロマネ。この3つの村だけは外せません」

ヒマ「なるほど、では村ごとの個性を教えてください!」

ジュヴレ・シャンベルタン

店長「まずはジュヴレ・シャンベルタン村から。この村のワインの特徴はとにかく華やかなこと。ピノ・ノワールはよくチェリーなどの赤いフルーツにたとえられる品種ですが、赤だけでなくピンクや緑、水色といった、さまざまな色が想起される香りと味をしているのが特徴なんです」

ミルランダージュ=結実不良のぶどうだけを集めて造る特別な1本。マルク・ロワ ジュヴレ・シャンベルタン キュヴェ・アンドリサーヌ2021 45,000円
ミルランダージュ=結実不良のぶどうだけを集めて造る特別な1本。マルク・ロワ ジュヴレ・シャンベルタン キュヴェ・アンドリサーヌ2021 45,000円

ヒマ「非常に人気の高い産地ですよね。ときに男性的とも評されます」

店長「華やかさとともに、タンニン(渋み)もしかりとあるからでしょうね。ナポレオンが愛した土地だと言われることも理由のひとつかもしれません。いずれにせよ、ブルゴーニュの赤ワインを語るうえで知っていただきたい村の筆頭が、このジュヴレ・シャンベルタンです」

シャンボール・ミュジニー

店長「続いて知っていただきたい村の2番目がシャンボール・ミュジニーです。ジュヴレ・シャンベルタンが“虹色”だとしたら、こちらの村は私のなかでは“水墨画”なんです」

ヒマ「モノクロの世界だと」

ヴィエイユ・ヴィーニュ(V.V)と呼ばれる古木のぶどうを使ったワイン。樹齢はなんと60年! ユドロ・バイエ シャンボール・ミュジニー V.V 2022 14,700円
ヴィエイユ・ヴィーニュ(V.V)と呼ばれる古木のぶどうを使ったワイン。樹齢はなんと60年! ユドロ・バイエ シャンボール・ミュジニー V.V 2022 14,700円

店長「ええ。ものすごく静かな世界で、黒、灰色、白といった印象。名前は柔らかさと可愛らしさを感じますが、すごく厳格さも感じられるワインを造る土地だと思っています」

ヒマ「この村を代表するグラン・クリュが『ミュジニー』という畑ですが、この畑を評する言葉が『ビロードの手袋をした鋼の拳』なのも納得ですね(笑)。個人的にも、とてもキレイなワインを造る産地というイメージです」

ヴォーヌ・ロマネ

店長「かの有名なロマネ・コンティを輩出する村、それがヴォーヌ・ロマネです」

ヒマ「ロマネ・コンティの『ロマネ』はヴォーヌ・ロマネの『ロマネ』ってことですね。どんな特徴があるんでしょうか?」

ロベール・シュリグ ヴォーヌ・ロマネ2021 18,000円
ロベール・シュリグ ヴォーヌ・ロマネ2021 18,000円

店長「ジュヴレ・シャンベルタンの華やかさ、シャンボール・ミュジニーの静けさ、両方を併せ持つのがヴォーヌ・ロマネ。これはある人が言っていたことなのですが、ヴォーヌ・ロマネの生産者には『ヴォーヌ・ロマネを名乗る以上、ある一定のレベルに達していなければならない』という矜持があると」

ヒマ「いわゆる『ハズレがない』っていうやつですね。個人的にはとにかく香りが良い産地! と思っています」

店長「ワインに気品、品格を求めるならば、ヴォーヌ・ロマネのワインを探してもらいたいですね」

白が有名だが赤も見逃せない! コート・ド・ボーヌのワインたち

店長「続いて、少し南下してコート・ド・ボーヌを見ていきましょう」

ヒマ「コート・ド・ボーヌといえば白ワインの名産地として世界的に有名なムルソー村があったり、知名度的には少し下がるけれども間違いなく世界最高峰の白ワインの産地であるシャサーニュ・モンラッシェ村やピュリニー・モンラッシェ村を擁していたりと、“白”の印象が強い産地ですよね」

店長「はい。でも、実はコート・ド・ボーヌの赤ワインも決して見逃せないんです」

コルトン

店長「まずは『コルトン』という畑をご紹介します。コート・ド・ボーヌの3つの村にまたがる特級畑=グランクリュで、コート・ド・ボーヌ唯一の『赤のグランクリュ』なんです」

17世紀にまで遡る歴史を持ち、時のアメリカ大統領トマス・ジェファーソンがアイ最多という生産者。ドメーヌ・パラン コルトン グランクリュ レ・ルナルド 2021
17世紀にまで遡る歴史を持ち、時のアメリカ大統領トマス・ジェファーソンがアイ最多という生産者。ドメーヌ・パラン コルトン グランクリュ レ・ルナルド 2021

ヒマ「これもちょっとややこしい点ですが、畑によって『赤ワインのみ認められたグランクリュ』みたいな細かい縛りがあるんすよね。ややこしいので、読者のみなさんは一旦『そういうもんなんだ』と思っておいてください(笑)」

店長「コルトンの特徴は圧倒的に親しみやすいこと。南東向きの日当たりの良い斜面で少し暖かい土地ってこともあって、コート・ド・ニュイのワインのように難しい顔をして飲む必要がありません」

ヒマ「それでいて価格的にはニュイの特級畑より明らかに安い。グランクリュデビューにもいいですね!」

ブルゴーニュワインはラベルにも注目!

店長「ここでちょっと脇道に逸れて、ブルゴーニュワインの「ラベル」についてお話ししたいと思います」

ヒマ「はい。多くの人にとっては『なにが書いてあるかさっぱりわからない』と思いますし、ぜひお願いします!」

「ミツバチの畑」の意味を持つ畑。メゾン・ジョゼフ・ドルーアン ボーヌ・プルミエクリュ クロ・デ・ムーシュ・ルージュ 33,000円
「ミツバチの畑」の意味を持つ畑。メゾン・ジョゼフ・ドルーアン ボーヌ・プルミエクリュ クロ・デ・ムーシュ・ルージュ 33,000円

店長「たとえばこのワイン『ジョゼフ・ドルーアン ボーヌ クロ・ド・ムーシュ』を例にとってみましょうか。まず『Joseph Drouhin』とあるのが生産者の名前。Beauneが土地の名前で、CLOS des Mouchesとあるのが畑の名前です」

ヒマ「ボトルの上のほうに『2022』とあるのは収穫年ですね。よく見ると内容量やアルコール度数などが書かれているのもわかります」

店長「はい、それらは法律で記載が義務付けられているんです。また、畑の名前の下には小さく『APPELATION BEAUNE 1er CRU CONTROLEE』とありますが、この『1er CRU』というのがプルミエクリュ=一級畑であることの証です」

ヒマ「一見呪文のようなフランス語のラベルも、よくよく見ると意外と意味がわかるもんですね」

店長「最後に豆知識。実は、今の法律では『土地の名前』より『畑の名前』を大きく記載してはいけないんです。このラベルは畑の名前が一番大きく記載されていますが、これは昔の法律に則っているからなんです」

ヒマ「へえ〜」

シャサーニュ・モンラッシェ・ルージュ

店長「続いてはシャサーニュ・モンラッシェ村をご紹介します」

ヒマ「シャサーニュ・モンラッシェですか! 白ワインの世界的産地として有名ですが、赤もあるんですね」

樫の木を購入し、自分たちの土地で2年乾燥させて自前で樽を作り、その樽で仕込むという異様なまでのこだわりを持つ。ファンテーヌ・ガニャール シャサーニュ・モンラッシェ プルミエクリュ モルジョ ルージュ 19,000円
樫の木を購入し、自分たちの土地で2年乾燥させて自前で樽を作り、その樽で仕込むという異様なまでのこだわりを持つ。ファンテーヌ・ガニャール シャサーニュ・モンラッシェ プルミエクリュ モルジョ ルージュ 19,000円

店長「はい、実は3割くらいは赤ワインを造っているんです」

ヒマ「どんな特徴があるんですか?」

店長「シャサーニュ・モンラッシェのなかでも比較的暖かい土地で造られるので、骨格のしっかりした、それでいてミネラルを感じられるワインになるんです。おいしいですよ」

ヒマ「『シャサーニュ・モンラッシェの赤』には意外性があるので、ワイン仲間がいる方ならばワイン会に持ち込むのも良さそうですね!」

“始まりの地”ポマール

店長「続いては“有名村”とは言えないポマールという産地をご紹介します」

ヒマ「ポマールはたしかに正直地味な村ですよね。なぜこの村を紹介しようと思われたのでしょう」

今回テイスティングしたなかで衝撃的なおいしさだったのがこの1本。ピエール・エ・ルイ・トラベ ポマール レ・ヴォムリヤン 2022 21,000円
今回テイスティングしたなかで衝撃的なおいしさだったのがこの1本。ピエール・エ・ルイ・トラベ ポマール レ・ヴォムリヤン 2022 21,000円

店長「実は、ブルゴーニュ地方ではじめてピノ・ノワールが植えられたのがポマールだと言われているんですよ」

ヒマ「へえ、そうなんですね」

店長「そしてワインにも特徴があるんです。それが“タンニン(≒渋み)”。ポマールのワインはブルゴーニュのなかでも屈指のタンニンの強さがあるんです」

ヒマ「タンニンが強いワインは長期熟成を経て味わいがこなれてくる楽しさがあったり、味わいの強い肉料理なんかと合わせると爆発的にお互いを高めあったりします」

店長「ちなみに、このワインもそうですが、いま多く出回っている2022年ヴィンテージはブルゴーニュの素晴らしい年。このような年はパワフルなワインが生まれやすいので、ぜひポマールのワインを試してもらいたいですね」

ブルゴーニュならでは“モノポール”の魅力

店長「次に紹介するのはポマールの隣村であるヴォルネイという村のワインなのですが、村というよりもここでは覚えておきたいブルゴーニュ用語として「モノポール」をご紹介したいんです」

ヒマ「『単独所有』っていう意味ですね」

かつてこの地を治めたブルゴーニュ公が所有していたという偉大な畑。マルキ・ダンジェルヴィル ヴォルネイ プルミエクリュ クロ・デ・デュック 2022 60,000円
かつてこの地を治めたブルゴーニュ公が所有していたという偉大な畑。マルキ・ダンジェルヴィル ヴォルネイ プルミエクリュ クロ・デ・デュック 2022 60,000円

店長「はい。たとえば世界で一番有名な畑『ロマネ・コンティ』は、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティという生産者だけが所有するモノポール」

ヒマ「このワインはどんなワインですか?」

店長「マルキ・ダンジルヴィーユという生産者が所有する『クロ デ デュック』という畑名のワインです。ブルゴーニュでは畑の分割所有が当たり前なので、格付けによらずモノポールは価値があります」

ヒマ「なんとなく、『自分たちの単独所有畑のワインでヘタなものは造れないぞ!』みたいな矜持を感じる気がします、たしかに」

店長「そして他の生産地では『モノポール』っていう言い方はほとんど耳にしません。ブルゴーニュならではの概念として、覚えておいていただきたいですね」

南の産地「コート・シャロネーズ」の魅力

店長「最後に「コート・シャロネーズ」を紹介しましょう。北からコート・ド・ニュイ、コート・ド・ボーヌときて、そのさらに南に位置するのがコート・シャロネーズです」

ヒマ「その南には白ワインの産地であるマコネ、さらに南にはボジョレー・ヌーボーでお馴染みのボジョレーがあるわけですね」

店長「はい。ボジョレーには『ガメイ』という別の種類のぶどうが植えられているので、ブルゴーニュの赤の産地としては、このコート・シャロネーズがほぼ最南端なんです」

ヒマ「この土地の魅力はなんでしょうか?」

店長「コート・シャロネーズにも一級畑がありますが、その基準は有名産地であるニュイやボーヌの一級畑と“変わらない”ということです。なのに、価格は安い」

ヒマ「コート・シャロネーズははっきり言って地味な産地ですからね……ただ、そのおかげで他の有名産地に比べると“常時50%オフ”みたいな雰囲気になる」

メルキュレイ

店長「そして、コート・シャロネーズに5つある村のうち、とくにおすすめしたいのが『メルキュレイ』です」

ヒマ「メルキュレイはどんな村ですか?」

ドメーヌ・テウロ・ジュイヨ メルキュレイ プルミエクリュ レ・コンバン
ドメーヌ・テウロ・ジュイヨ メルキュレイ プルミエクリュ レ・コンバン

店長「メルキュレイという名前自体が『商売の神』の名前なんです。英語でマーキュリー。ギリシャ神話の『ヘルメス』です」

ヒマ「おお、村の名前自体に意味があるわけですね。自分でビジネスをされている方への贈り物によさそう」

店長「ワイン自体もとてもおいしいですよ。やはり南の土地だけに、ワイン自体に親しみやすさがあります」

ヒマ「たしかに! このワインもとても飲みやすくて、普段ワインを飲まない方にもおすすめできそうです」

ブルゴーニュの赤ワインを楽しもう!

店長「以上、非常にざっくりではありますが、ブルゴーニュの赤ワインの魅力をご紹介しました」

ヒマ「改めて、『ブルゴーニュの赤』と一言でいっても非常に幅が広く、個性的なことがわかりました! とくに名産地として名高いコート・ド・ニュイ“以外”のワインのおいしさに驚かされましたね」

店長「それでいて価格も安いですからね。ちょっとマイナーな村の名前を覚えておくとワインショップでお得に買い物ができると思います」

ヒマ「一方で、ジュヴレ・シャンベルタンやヴォーヌ・ロマネの村名ワインにはやっぱり特別感がある。そして一級、特級のワインを記念日に楽しむのも、また格別ですよね」

店長「その通りです。格付け的には低い『ブルゴーニュ』とだけラベルに書かれた地域名のワインも、いわば生産者の名刺代わりとして丁寧に造られているものが多くあります。まずは地域名のワインでブルゴーニュワインに触れてみるのもいい選択肢です」

ヒマ「ワインにハマったら絶対に避けては通れないブルゴーニュの世界。ぜひ一度体験してみてくださいね!」

ワインマーケット パーティ
住所/東京都渋谷区恵比寿4-20-7 恵比寿ガーデンプレイスB1F
営業時間/11:00〜20:00
TEL/03-5424-2580
URL/winemart.jp



Photos & Text: Hima_Wine

Profile

沼田英之 Hideyuki Numata ソムリエ、1978年生まれ。ホテルやレストラン勤務後、イタリア・トスカーナに留学。帰国後、レストランにソムリエとして勤務し、その後フランスワイン専門店ラ・ヴィネに入社。現在は姉妹店である都内屈指の大型店、ワインマーケット パーティの店長を務める。
ヒマワイン Hima_wine ワイン大好きワインブロガー。ブログ「ヒマだしワインのむ。」運営
https://himawine.hatenablog.com/
YouTube「Nagiさんと、ワインについてかんがえる。Channel」共同運営
https://www.youtube.com/@nagi-himawine
Twitter:@hima_wine
 

Magazine

MARCH 2026 N°194

2026.1.28 発売

New Creatives

新時代のクリエイション

オンライン書店で購入する