
青森・十和田市現代美術館にて「国松希根太 連鎖する息吹」が開催されている。北海道を拠点に活動する彫刻家・国松希根太の美術館での初個展となる。2026年5月10日(日)まで。
会場に足を踏み入れると、巨木を素材にした作品『WORMHOLE』が並ぶ。北海道に生えていた樹齢約300年のミズナラをはじめ、イチイなどの樹木から生み出された作品群。こぶがあったり、木肌が残されていたり、内部が朽ちていたり、虫食いの穴(Wormhole)があいているものも。
そして、この作品名である”WORMHOLE”は、時空を超えてワープする穴、経路(チャンネル)も意味するのだという。炭化させて黒々とした穴の先に、別世界があるような気がしてくる。

そのほか、青森・下北のヒバを用いた作品や、奥入瀬で出会った樹齢150年を超えるブナを用いて、十和田で滞在制作した『WORMHOLE』も展示。
国松希根太は、2000年代初頭より、北海道の南西部、太平洋に面した白老町の飛生(とびう)の森と旧小学校校舎を中心とした「飛生アートコミュニティー」を拠点に活動してきた。

近年では、地平線や水平線、山脈、洞窟などの風景の中に存在する輪郭(境界)を題材にした、彫刻や絵画、インスタレーションも発表している。私たちの想像を超える年月を生きてきた樹木たち。そして山なみや湖、地層もまた時の重なりでできている。本展では青森の地を訪れたことから生まれた新作も。

さらに本展では国松の父・明日香(彫刻家)さんと祖父の登(画家)さんの作品や、かつて秋田・由利本荘から北海道に移住した曽祖父・美登里さんがこけし作家であったことも紹介されている。Cube Cafe & Shopでは、今年40周年を迎える飛生アートコミュニティーについての紹介コーナーも。1986年に、飛生の廃校に共同アトリエを設立したのは明日香さんだったのだという。自身の表現のルーツと、家族の創造と時間の連なりも感じられる構成となっている。
十和田で、国松希根太の代表作と新作を巡る貴重な機会。新作が生まれた青森の地も一緒に体感してほしい。

国松希根太 連鎖する息吹
会期/2025年12月13日(土)〜2026年5月10日(日)
開館時間/9:00〜17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日/月曜日(祝日の場合はその翌日)、2月2日〜6日(メンテナンス休館)
会場/十和田市現代美術館
観覧料/一般1,800円(常設展含む)、高校生以下無料
URL/towadaartcenter.com
Text:Hiromi Mikuni
