草間彌生、田中敦子ら戦後の女性美術家14人の活動に迫る 「アンチ・アクション」展 | Numero TOKYO
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草間彌生、田中敦子ら戦後の女性美術家14人の活動に迫る 「アンチ・アクション」展

芥川(間所)紗織『スフィンクス』(1964年) 東京国立近代美術館蔵
芥川(間所)紗織『スフィンクス』(1964年) 東京国立近代美術館蔵

戦後に前衛アートの中心で注目を集めながら、その後の美術史の中で見落とされてきた女性アーティストたちに光を当てる展覧会「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」が開催中。東京・竹橋の東京国立近代美術館にて、2026年2月8日まで。

 

1950〜60年代、フランスを起点とする「非定形」の前衛芸術運動「アンフォルメル」が日本に流入し、美術界を席巻。抽象表現が新しい時代の象徴として受け止められるなかで、女性アーティストたちも前衛芸術の担い手として大きな存在感を示した。しかし、絵を描くという行為そのものを強調する「アクション・ペインティング」が広まると、豪快な身体性や力強い行為といった男性性と結びつく要素が評価の基準となり、女性アーティストの作品は瞬く間に批評の中心から外れていった。

こうした日本の戦後美術史の流れの中でこぼれ落ちた女性アーティストらに光を当てる本展では、『アンチ・アクション: 日本戦後絵画と女性画家』(2019年)の著者である中嶋泉(大阪大学大学院人文学研究科准教授)の全面的な協力のもと、最新のジェンダー研究を踏まえて展覧会が構成される。

山崎つる子『作品』(1964年) 芦屋市立美術博物館蔵 ©Estate of Tsuruko Yamazaki courtesy of LADS Gallery, Osaka and Take Ninagawa, Tokyo
山崎つる子『作品』(1964年) 芦屋市立美術博物館蔵 ©Estate of Tsuruko Yamazaki courtesy of LADS Gallery, Osaka and Take Ninagawa, Tokyo

宮脇愛子『作品』(1967年) 撮影:中川周
宮脇愛子『作品』(1967年) 撮影:中川周

出品アーティストは、日本とアメリカの文化的・政治的関係のなかで先鋭的な表現を切り開いた草間彌生、具体美術協会の初期メンバーとして知られ消費と創造への関心を作品の中で交差させた田中敦子、「捺す」という技法を通じて独特の作者性を打ち出した福島秀子のほか、宮脇愛子、田部光子、白髪富士子、山崎つる子らが名を連ねる。さらに、赤穴桂子、芥川(間所)紗織、多田美波、田中田鶴子、毛利眞美、榎本和子、江見絹子と続く。

会場では、赤穴、多田、宮脇らの初期作や未発表作品に加え、約100点の作品が集結。立体作品や大型作品を含むダイナミックな会場構成の中で、彼女たちの実践が有機的に結びつき、ひとつの空間として立ち上がる。

日本の戦後美術史の空白から、女性アーティストたちの痕跡をすくい上げる本展。どうぞ、お見逃しなく。

 

※掲載情報は1月20日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦
会期/2025年12月16日(火)~2026年2月8日(日)
会場/東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー
住所/東京都千代田区北の丸公園3-1
料金/一般 2000円、大学生 1200円
時間/10:00~17:00(火〜木)、10:00~20:00(金・土)※入館は閉館の30分前まで
休館/月曜日
TEL/050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL/www.momat.go.jp/exhibitions/566

Text:Manami Abe

 

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