ディテールを知れば滞在がもっと楽しくなる! 「ウォルドーフ・アストリア大阪」の魅力とは? | Numero TOKYO
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ディテールを知れば滞在がもっと楽しくなる! 「ウォルドーフ・アストリア大阪」の魅力とは?

今年も注目を集める新規ホテルの開業が数多くありました。特に目立ったのは、グローバルブランドの日本初進出。中でも注目したいのは、4月に開業したウォルドーフ・アストリア大阪。細部まで徹底した哲学とデザイン、さすがホテル界の帝王ヒルトンの最上級ラグジュアリーブランドです!

フラッグシップのアールデコと和が出会う優美な空間

2025年4月、大阪の新しいカルチャー発信地“うめきた”エリアの中心に開業した「ウォルドーフ・アストリア大阪」。JR大阪駅に隣接したグラングリーン大阪 南館 パークタワーの1~2階を含む28~38階に展開しています。

ウォルドーフ・アストリアといえば、1893年にニューヨークに第1号が誕生。その当時としては画期的なサービス、客室内のバスルームや24時間のルームサービスなどを発案し、以来、時代を超えたエレガンス漂う空間はセレブリティたちの心を捉えてやまない存在に。今では世界中のランドマークとされる都市に36軒のホテルを展開しています。

ウォルドーフ・アストリア大阪のデザインを担当したのは、香港に拠点を置く世界的な建築家アンドレ・フー。彼はブランドの象徴であるウォルドーフ・アストリア・ニューヨークにおけるアールデコの意匠を、日本の伝統文化や時代背景、大阪という立地などを加味して独自の視点で融合。日本の高い工藝技術も織り交ぜ、独特な世界観を生み出しています。

ちなみに、フランク・ロイドが1918年に設計した「ヨドコウ迎賓館」からインスピレーションも得ているとか(複層的シンメトリーやリズミカルなパターンなどに、そのヒントが!)。

ウォルドーフ・アストリアのアイコニックなラウンジ&バーや、レジデンシャルな風情を感じる客室、最先端なプロダクツを使用するスパ、天空のチャペル、あらゆるシーンで、アールデコと和がみごとに融合したデザインに出会えます。

ディテールを語りだしたら止まらなくなる、ストーリーに溢れるウォルドーフ・アストリア大阪。数々のこだわりを知識として踏まえてから滞在すると、その意味がより濃厚に感じられるはずです。

セレブたちを虜にする、さりげなくもシームレスなサービス

1~2階のアライバルゲートでベル担当に迎えられ、荷物を渡し、そのままエレベーターで29階へ。ほのかに香るプルメリアを基調としたウォルドーフ・アストリア大阪のフレグランスに、テンションも一気に上がります。

29階のエレベーターホールからレセプションへは、ウォルドーフ・アストリア・ニューヨークのアーケードを思わせる“コリドール”を抜けてアプローチします。20メートルにわたって連続するブロンズのフレームや行灯のようなライトは、どこか神社の鳥居をくぐるよう。

そして中央に巨岩が鎮座するレセプションへ。両サイドにあるガラスで仕切られた坪庭には愛・幸運・守護を象徴するツバキの生木が植えられています。どこか静謐な雰囲気です。

実はこの時、1階でなんとなく交わした会話(ちょっとした困りごと)が、29階に上がるまでの間に解決していたことには驚きました。ゲストの些細な声にも耳を傾け、スタッフが連携して尽力、その迅速さにびっくりです。サービスの本質を見させていただきました。

憧れは淀川ビューの客室。サンセットを見届けてから、ディナーへ

客室は31~38階に、7タイプ252室。エントリークラスのデラックスルームでも46平方メートルと、広々とした間取り。床から天井までのフルハイトの窓からは、淀川または大阪湾の眺望が広がります。

おすすめは淀川ビュー。緑の土手が縁取る川の遥か先に、稜線の美しい山並みが控え、心穏やかなアーバンリゾート的癒しがあります。夕日がちょうど山側に沈むので、アペリティフ代わりにサンセットを見届け、ディナーに出かけるのはいかがでしょう。また、「なにわ淀川花火大会」ではこの上ない特等席になること、間違いなしです。

客室もアンドレ・フーの美意識が随所にちりばめられています。ヘッドボードは手染めの和紙を背景に、アールデコと和の要素を巧みに取り入れた “組子細工”。提灯や行灯のようなランプにも和を感じます。ウッドを多用し、インディゴブルーやセージグリーンの落ち着いた色調に、邸宅のようなくつろぎを感じます。家具はオーダーメイドだそう。

バスアメニティはオーストラリアのコスメブランド、イソップ。コーヒーマシンはネスプレッソの中でもハイグレードな機種を備え、煎茶は季節に応じて、京都または兵庫の厳選された茶葉を取り寄せています。ウォークインクローゼットのスペースもたっぷり。ビジネスマンにありがたい靴磨きセットも用意されています。

まるで舞台の大階段を下りるようにラウンジ&バー「ピーコック・アレー」へ

オールデイダイニング、シグネチャーレストラン、2カ所のバー、飲食施設は計4カ所。中でも各地のウォルドーフ・アストリアで象徴的な存在となっているのが、ラウンジ&バー「ピーコック・アレー」です。

レセプションのある29階からまるで宝塚のステージのような大階段を下りる、2層吹き抜けの「ピーコック・アレー」。正面には高さ6メートルはありそうな大きな窓の向こうに大阪のスカイラインが広がっています。階段を一段ずつ下りるごとに、パノラマビューの眺めも少しずつ変わり、アプローチがなんともドラマティック!

バーの中央には、ウォルドーフ・アストリアのアイコニックなシンボルになっている大きな柱時計。天井からは天神祭の賑わいにインスパイアされた4基の巨大なシャンデリアが光を放っています。その場にいるだけで、ステージの主役になったような気分です。

訪れた日は「ディプティック」のイベントを開催中。ヘッド バーテンダーの松本拓弥さんに作っていただいたのは、オードパルファン「Lazulio (ラズリオ)」をイメージしたジンベースのカクテル。香りを構成しているルバーブを使い、クジャクの羽の華やかさを表現したフレグランスと、店名「ピーコック・アレー」にふさわしい一杯。美味でした。

「ジョリー ブラッスリー」はクラシックなビストロのメニューに和の感覚をモダンに取り入れたモダンフレンチブラッスリーです。

朝食はビュッフェとオーダーを合わせたスタイル。卵料理についてトリュフ入りのシグネチャーオムレツと悩みつつ、京都平飼い卵と大阪産味噌オランデーズソースのエッグベネディクトをオーダー。ビュッフェコーナーも、普通のミューズリーではなく“ビルヒャー・ミューズリー”、ヨーグルトのテイストには“レモンマーマレード”、バターのラインナップには“焦がしホイップバター”など、ヘルシーかつひとひねりが効いています。

シグネチャーレストラン「月見」は、寿司と鉄板焼きの二大人気日本料理が共演。アートな調度品に囲まれ、目も楽しませてくれそう。個室もあります。

デスティネーションバー「ケーンズ&テイルズ」は、ランウェイ型の大理石のバーカウンターを中心に置き、壁には江戸時代の大阪の古地図を焼いた陶板を飾るなど、ユニークな空間。ジャズエイジの名作ドリンクやシグネチャーカクテルがいただけます。

最先端コスメが体験できるスパ、屋内プール&ジャグジーなどウェルネス充実

30階に位置するウェルネス施設が充実しているのも、ウォルドーフ・アストリア大阪の特徴です。

屋内プールは、ぜひゲストの少ない早朝に利用を。ひと泳ぎした後、窓際のソファから見下ろす、日常が動き出す前の大阪の街は「これぞ、アーバン!」と叫びたくなる景色。プールに隣接したジャグジーやサウナですっきりリフレッシュしてから一日を始めるのも、気持ちいいものです。ちなみにフィットネスセンターは24時間利用できます。

ウォルドーフ・アストリア・スパはトリートメントルーム4室。漆喰や障子紙、割れ目模様のクラックガラスなど、日本の伝統的な旅館のようなたたずまい。

使用するプロダクツも厳選された、最先端コスメばかり。たとえばスイスキャビアを配合した「ラ・プレリー」は、フェイシャルとボディで使用。しかもフェイシャルで使うのは最高峰のプラチナムレアコレクションです。ユニークなのがオランダの「ザ・タイド・ウェルネス」。ミネラル豊富な海泥をもとにしたコスメはマグネシウム100%。なんと肩こりまでとれてしまうとか!?

2027年には東京に開業予定のウォルドーフ・アストリア。どんな世界観を見せてくれるのか、楽しみです。

ウォルドーフ・アストリア大阪
住所/大阪府大阪市北区大深町5-54 グラングリーン大阪 南館
URL/www.hilton.com/ja/hotels/osawawa-waldorf-astoria-osaka/

Photos & Text:Chieko Koseki

Profile

古関千恵子 Chieko Koseki 旅行ライター。リゾートやエコ、ダイビングなど、国内外のビーチにフォーカスして寄稿。ここ最近は国内のビーチの美しさを再発見し、全国津々浦々を探訪中。目指すは伊能忠敬!? Instagram:@chieko_koseki
 

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