田中杏子のリアル・モード 「speak with your clothes」 | Numero TOKYO
Fashion / Feature

田中杏子のリアル・モード 「speak with your clothes」

デザイナーの意志が宿る服は、内なる自信を目覚めさせる特別な力がある。スタイルが言葉となり、個性や内面を雄弁に語る。今回リンジー・ウィクソンが10年ぶりに登場し、軽やかなポージングとともに、ポジティブなメッセージを放った。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2026年1・2月合併号掲載

 

トップ¥248,050 ジャンプスーツ¥497,310 シューズ¥145,200円(参考価格)/すべてMcQueen(マックイーン クライアントサービス)
トップ¥248,050 ジャンプスーツ¥497,310 シューズ¥145,200円(参考価格)/すべてMcQueen(マックイーン クライアントサービス)

ストラップレスのジャンプスーツには、ボリューム感のあるトップを合わせて。光沢のあるサテンが溢れるように流れ、マックイーンらしい素材使いの妙が際立つ。柔らかさと芯の強さが交差し、媚びない美しさを演出してくれる。

 

ジャケット¥709,500 シャツ¥247,500 パンツ¥363,000(すべて参考価格)/Valentino ハット¥94,600/Valentino Garavani(ともにヴァレンティノ インフォメーションデスク)
ジャケット¥709,500 シャツ¥247,500 パンツ¥363,000(すべて参考価格)/Valentino ハット¥94,600/Valentino Garavani(ともにヴァレンティノ インフォメーションデスク)

まるでモノクロームのスクリーンから現れたような、クラシカルなルックはヴァレンティノから。ドット柄やフリルブラウスのフェミニンなムードを、テーラードジャケットのシャープなフォルムとキャスケットのマニッシュなエッセンスで引き締めて。

 

ドレス(ストラップ付き)¥605,000/Givenchy by Sarah Burton(ジバンシィ ジャパン)
ドレス(ストラップ付き)¥605,000/Givenchy by Sarah Burton(ジバンシィ ジャパン)

サラ・バートンが手掛けるジバンシィは、シルエットとカッティングを核とするメゾンの美学を表現し、ミニマルなデザインを再定義した。テーラードジャケットはミニドレスに昇華され、胸上と袖を削ぎ落とした大胆なフォルムとシェイプしたウエストの構築的なリズムが、モダンな印象を刻む。

 

ドレス¥501,600 スカート¥3,344,000(ともに参考価格) シューズ¥342,100/すべてLouis Vuitton(ルイ・ヴィトン クライアントサービス)
ドレス¥501,600 スカート¥3,344,000(ともに参考価格) シューズ¥342,100/すべてLouis Vuitton(ルイ・ヴィトン クライアントサービス)

舞台芸術へのオマージュを掲げたルイ・ヴィトンの2026年クルーズ コレクション。ウィメンズ アーティスティック・ディレクターのニコラ・ジェスキエールは、中世の壮麗さとグラムロックの華やかさの交錯を表現したという。タイムレスなニットドレスからは構築的に波打つレザースカートが覗き、その対比が反骨のスピリットを静かに宿す。

ベスト付きジャケット¥1,300,000 スカート ショーツ ともに参考商品 シューズ¥240,000/すべてDior(クリスチャン ディオール)
ベスト付きジャケット¥1,300,000 スカート ショーツ ともに参考商品 シューズ¥240,000/すべてDior(クリスチャン ディオール)

マリア・グラツィア・キウリにとって集大成となった、ディオール 2026年クルーズ コレクション。ローマで育った記憶や映画、劇場、芸術といった文化的背景が80体におよぶルックに込められた。ベストがドッキングされた男性的なジャケットにはチュールの柔らかなスカートが合わせられ、ジェンダーからの解放を象徴する。装うことでこそ、人は自由になれることを教えてくれた。

 

ドレス¥588,500 ピアス¥107,800 シューズ¥271,700(すべて予定価格)/Fendi(フェンディ ジャパン)
ドレス¥588,500 ピアス¥107,800 シューズ¥271,700(すべて予定価格)/Fendi(フェンディ ジャパン)

「Social Butterfly(社交の蝶)」をテーマにした、フェンディの2026年春夏プレコレクション。仕事にも遊びにも全力で、昼と夜を軽やかに行き来する女性の自由な精神が投影された。ポルカドット柄のドレスは、若い頃のシルヴィア・フェンディ自身が着用していたディスコドレスへのオマージュであり、自信と華やかさを纏わせてくれる。フェンディ ウーマンのように、どんな瞬間も自分らしく輝きたい。

 

トップ¥280,500 デニム¥220,500 ベルト¥102,300 (すべて予定価格)/Prada(プラダ クライアントサービス)
トップ¥280,500 デニム¥220,500 ベルト¥102,300 (すべて予定価格)/Prada(プラダ クライアントサービス)

艶やかな光を纏ったディープレッドのベルベットに、パフィーな襟をあしらった愛らしいトップ。そこにあえてデニムを合わせカジュアルダウンすることで、日常に溶け込むプレイフルな一着に。プラダのアイデンティティの一つであるユニフォーム調のスタイルは、クラシカルでありながら確かな個性を呼び込む、現代のワードローブ。

 

ドレス¥1,430,000 イヤリング¥214,500 ベルト 参考商品 シューズ¥181,500/すべて Gucci(グッチ クライアントサービス)
ドレス¥1,430,000 イヤリング¥214,500 ベルト 参考商品 シューズ¥181,500/すべて Gucci(グッチ クライアントサービス)

グッチが今回初めてショー会場に選んだのは、ブランドのアーカイブ収蔵拠点である“パラッツォ・セッティマンニ”。ルーツへの回帰と新たな出発を象徴する、彼らの挑戦的で意味深い決断だ。さまざまな時代のファッションが縦横に行き交うなか登場したドット柄のドレスは、ショルダーラインに大胆なリボンがあしらわれ、ブランドらしいグラマラスな遊び心とエレガンスの融合を体現した。

トップ¥201,300 スカート¥152,900/ともにMax Mara(マックスマーラ ジャパン)
トップ¥201,300 スカート¥152,900/ともにMax Mara(マックスマーラ ジャパン)

1950年代の映画に登場するヒロインたちの官能性とナポリのエレガントなテーラリングからインスピレーションを得たマックスマーラ。戦後の女性たちを表すように、快適でありながらも力強さを秘めたデザインに仕上げた。心地のよいニットは、ミニマルでありながら大胆なカッティングによりモードな緊張感を与える。時代が変わっても、女性の美しさと強さは揺るがない。

 

ブラウス¥1,366,200 パンツ¥1,239,700 ピアス¥105,600 ブローチ¥232,100 チェーン付きクラッチ¥862,400 シューズ¥243,100/すべてChanel(シャネル カスタマー ケア センター)
ブラウス¥1,366,200 パンツ¥1,239,700 ピアス¥105,600 ブローチ¥232,100 チェーン付きクラッチ¥862,400 シューズ¥243,100/すべてChanel(シャネル カスタマー ケア センター)

シャネルの2026年クルーズ コレクションは、イタリアのコモ湖を望むホテルを舞台に、モードとリゾートが交差する瞬間を映し出した。ボーダーに配されたスパンコールのセットアップは艶めく夜の湖畔に映え、フレアパンツのシルエットと調和して官能的な余韻を残す。アクセントとなるカメリアをかたどったブローチを添えて、メゾンが誘う優雅なひとときを。

 

ドレス¥499,400 シューズ¥159,500/ともにStella McCartney(ステラ マッカートニー ジャパン)
ドレス¥499,400 シューズ¥159,500/ともにStella McCartney(ステラ マッカートニー ジャパン)

メタリックベルベットにレオパード柄が施された、ステラ マッカートニーのドレス。バスト部分にはワイヤーが仕込まれており、女性の身体をより魅力的に、そしてセンシュアルに引き立てる。心の奥に潜むワイルドな自分を解き放ち、挑発的な表情を浮かべて。

 

アウター¥704,000 ブラウス¥297,000 ロンパース¥500,500 ブレスレット¥181,500 シューズ¥319,000/すべてSaint Laurent by Anthony Vaccarello(サンローラン クライアントサービス) 
アウター¥704,000 ブラウス¥297,000 ロンパース¥500,500 ブレスレット¥181,500 シューズ¥319,000/すべてSaint Laurent by Anthony Vaccarello(サンローラン クライアントサービス) 

自然な色と軽やかな素材が織りなす、サンローランのエフォートレスなルック。トレンチコートのインにはショート丈のブラウスとランジェリーロンパースを重ね、カジュアルな抜け感と女性らしいエレガンスの絶妙なバランスを描き出す。爽やかな空気に包まれ、自然体でいる女性は誰よりも美しく輝く。

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Photos:Yusuke Miyazaki Fashion Director:Ako Tanaka Hair:Takayuki Shibata Makeup:Asami Taguchi Edit & Text:Makoto Matsuoka Fashion Associate:Kanami Abe

 

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