長く愛されるブランドは、いつの時代も私たちを裏切らない。装うほどに価値を高めていく、それがモードな自己投資。今こそ、清水買いで名品を手に入れたい。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2026年1・2月合併号掲載)

Chanel|ツイード ジャケット
1920年代に、初めてツイード素材をコレクションに取り入れたガブリエル シャネル。その後、1956年には伝説となるシャネルのスーツが誕生した。締め付けるデザインが多かった当時の服に、女性を解き放つ革命となったジャケットは、永遠の憧れ。ジュエリーやスカーフを引き立てるノーカラーの丸首とモダンなパイピングデザインが、シャネルのコードを物語る。

Hermès|ケリー バッグ
1930年代に登場したバッグを愛用していた、モナコ公妃グレース・ケリーに敬意を表し名前がつけられたバッグ「ケリー」。最上級のレザーを使用して、皮革職人が裁断から縫製、金具の取り付け、磨き上げまでをすべて手仕事で行うバッグ1点の制作にかかる時間は、20時間以上と言われている。あらゆる女性に品格を与える名作は、代々受け継いでいきたい存在。

Levi’s|ヴィンテージデニム
50年以上の歴史を誇り、世界中のコレクターを虜にしているリーバイスのヴィンテージデニム。この50年代のモデルは、もともと作業着として作られた丈夫なデニムで、2ndタイプのシルエットが綺麗なジャケットと、5ポケットとして完成された時代のストレートジーンズ。時を経ても原型を留め、はき込むほどに美しい縦落ちの経年変化が楽しめる。
Louis Vuitton|ボストンバッグ
旅行用トランク製造業者として開業したルイ・ヴィトン。19世紀に誕生したトランクから受け継がれるのは、どんな環境にも耐える構造と創業者のイニシャルから成るモノグラム・キャンバス。「キーポル」のボストンバッグは、収納力のある実用性と、エレガントさを兼ね備えた名品。修理を重ね、使うほどに味の出るその存在は、まるでスタイルを超えて寄り添う相棒のよう。

Tiffany & Co.|ダイヤモンドジュエリー
1974年にティファニーのデザイナーとして就任したエルサ・ペレッティ。彼女が手掛けたプラチナのペンダントとモダンでクラシックなピアスは、ベゼルセットされたダイヤモンドが美しい輝きを放ち、すべて手作業で丁寧に磨き上げられている。控えめな強さを宿したデザインは、日常を上質に彩る究極のミニマリズム。

Cartier|腕時計
世界中の著名人を虜にした「タンク」が誕生したのは1917年。戦車(タンク)からインスピレーションを得て誕生したカルティエの名作。直線的なフォルムが特徴なデザインは、100年以上を経てもなおマスターピースとして語り継がれている。

The Row|コート
ロサンゼルスで生まれ、現在はNYを拠点とするザ・ロウは、流行を追わない、長く愛されるクオリティを語るブランド。シルエットと素材で、緻密な構築美を描く。その価値観が、世界中の感度の高い人々を魅了している。ソフトな触り心地の上質なウールに、マーブルのようなグラデーションのオーバーサイズコートは、時を経ても色褪せない凛とした強さを感じさせてくれる。

Saint Laurent|レザーブルゾン
エレガントなニューモードを提案し続けるサンローラン。上質で柔らかなラムスキンレザーを使用したブルゾンは、耐久性と高級感を兼ね備え、使うほどに風合いが増していく逸品。メンズライクでダイナミックなシルエットが、クールな女性の内なる芯を引き出してくれる。
Chrome Hearts|シルバージュエリー
美学とクラフツマンシップが詰まった、ロサンゼルス生まれのクロムハーツ。多くのセレブリティから愛され続けているシルバージュエリーは、繊細ながらも圧倒的な存在感を放つ。アイコニックなクロスモチーフやフローラルクロスモチーフなど細部にまでこだわりが光る。身につける人に呼応する輝きを手に入れたい。

Loro Piana|カシミヤニット
上質を知る女性が辿り着くのは、ロロ・ピアーナのカシミヤニット。メゾンを象徴するベビーカシミヤで編まれたカーディガンは、一生に一度しか採取できない(生後1年未満の)仔ヤギのアンダーフリースから生まれた。希少な繊維を、独自の技術で紡ぎ出した一枚は、肌に触れた瞬間、まとう空気まで温かく包みこむ。流行に左右されず、長く愛せる確かなニットは、日常を豊かにする贅沢な逸品。
Photos:Bungo Tsuchiya Fashion Director:Yoshiko Kishimoto Hair:Hirokazu Endo Makeup:Kie Kiyohara Edit:Shomi Abe
