
日本のヒップホップシーンに多大な影響を与えてきた千葉雄喜は、10代で音楽制作をスタートし、2024年に自身の名義での作品リリースを開始しました。『文學界』の連載や、ブランド「ドッグス(Dogs)」のクリエーションを手掛け、音楽業界ではプロデュース側にも携わるなど多岐にわたる活動を展開、名実ともに「時の人」として注目されています。

千葉雄喜の名義で発表した最初の公式シングル「チーム友達」は、リリース直後にバイラルヒットを記録。その後、デューク・デュース(Duke Deuce)、イエロー バックス(¥ellow Bucks)、ウィル・スミス(Will Smith)をはじめとする世界中のアーティストたちによってリミックスされ、大きな話題を呼びました。また、同年にリリースされたミーガン・ジー・スタリオン(Megan Thee Stallion)のアルバム『ミーガン(MEGAN)』では、彼女からのラブコールを受け、会ったその日にフリースタイルでセッションして生まれた楽曲「マムシ(Mamushi)feat. Yuki Chiba」が収録されました。この曲は米国と日本のストリーミングチャートで1位を獲得し、その快挙によって世界での千葉雄喜の存在感が唯一無二のものとなりました。

そんなヒップホップシーンに欠かせないアーティスト千葉雄喜が、ジャズミュージック・シーンの殿堂「ブルーノート東京」で一夜限りのライブを開催するということで鑑賞してきました。白いランニングにタトゥーがトレードマークの千葉雄喜は、この夜、ブラウンのダブルスーツにネクタイを締め、ハンチング帽を身に着けてステージに登場。その姿は、ここがジャズの殿堂「ブルーノート東京」であることを体現し、ファッションを通じて音楽シーンへの深いリスペクトを示していました。観客の顔ぶれは「ブルーノート東京」らしい洗練された雰囲気で、スーツを着こなした男性やおしゃれな装いの女性たちが会場を埋め尽くしていました。対照的に、千葉雄喜の熱狂的な従来のファンと思われるスカジャンやキャップを身につけた観客は全体の約1割程度。このユニークな客層の割合も特筆すべきポイントでした。

ライブ前半は、新ユニット「ニジーズ(Nijiz)」として登場した千葉雄喜。相方である高岩遼が奏でるジャジーなピアノの旋律に、千葉の力強い歌声が重なり、シンプルながらも濃密な音楽空間が広がりました。ウィスキーグラスを片手に歌う千葉は、即興リリックで「グラスのマッカランがなくなった」と巧みに盛り込み、店員が新しいグラスを壇上に運ぶ一幕も。その場の空気感までもジャジーに変えてしまう、千葉節全開の時空間が展開されていました。

ちなみに、ライブとは別なのですがバレンシアガ(Balenciaga)が取り組むプロジェクト「バレンシアガ ミュージック(Balenciaga Music)」から新たなプレイリストが登場したそうです。そちらは「世界中のアーティストにオリジナルプレイリストを制作してもらい、そのアーティストのバックグラウンドを垣間見る機会をつくる」というコンセプトで展開するオリジナルコンテンツです。
その取り組みに白羽の矢が立ったのが千葉雄喜。彼がキュレートした約5時間にわたる楽曲のオリジナルプレイリストを、Balenciagaの公式アカウントを通じてSpotifyやApple Music、Deezer、Amazon Musicなどの配信プラットフォームで拝聴できるそうです。 彼自身のインスピレーション源や最近よく聴いている楽曲がセレクトされていて、彼自身のレパートリー同様に、ジャンルを横断する多彩な内容で詰まっています。Balenciaga Music | Yuki Chibaプレイリストの公開に合わせ、ステージでのパフォーマンスシーンや、SMSの会話形式で構成されたアニメーションのトラックリストを含むキャンペーンも展開されるのだとか。
まだまだこれから世界を席巻するであろう、多彩で奇才な千葉雄喜。次は何をやってくれるのか、彼から目が離せません。
Photos: Takao Iwasawa
Profile
Twitter: @akotanaka Instagram: @akoakotanaka


