System of Culture、思考実験へと誘う新シリーズを公開 | Numero TOKYO
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System of Culture、思考実験へと誘う新シリーズを公開

Photo: Yuma Nishimura
Photo: Yuma Nishimura

本誌も注目のアーティスト、System of Cultureの個展「Exhibit 8 : Pieces of Narratives」が、東京・神宮前のMAHO KUBOTA GALLERYにて開催中。新シリーズが公開となった。脳科学者・中野信子らのテキストも展示。

2017年に3人のアーティストによるコレクティブとして結成され、現在では小松利光のアーティストネームとして活動を継続しているSystem of Culture。

『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2022年12月号「見たことない!を届ける気鋭の表現者たち」でもフィーチャーした注目のアーティストだ。

(参考)見たことない!を届ける気鋭の表現者たち。vol.4 アーティストユニット・System of Culture

SNSやAIの普及によって日々膨大な情報とイメージにさらされる現代社会の状況を、芸術表現の主題としてメタ的な視点から捉え、美術史との接続を意識しながら実験的な作品を制作。表現は主に写真というメディアを通して展開されている。構図、ライティング、モチーフの選定に至るまで、綿密なコンセプトに基づいて構築された総合的な表現手法を用いてさまざまなシリーズを生み出してきた。

Photo: Yuma Nishimura
Photo: Yuma Nishimura

本展では「Pieces of Narratives」を公開。ナラトロジー(物語論)の概念を導入した「Then, Passed over」シリーズをさらに発展させた新シリーズである。31枚の写真によるインスタレーションで構成され、「複数枚の写真からなる物語のデータベース(物語になる可能性をもつ写真群)」というアーティスト自身の言葉の通り、ランダムなイメージの断片が鑑賞者の前に提示するという。

また本展にあわせ、文筆家・伊藤亜和、脳科学者・中野信子、アーティスト・布施琳太郎の3名が、31枚の作品から自由に数点を選び、選んだイメージをもとに触発された短編テキストを執筆。テキストも作品の一部として展示される。

Photo: Yuma Nishimura
Photo: Yuma Nishimura

多層的な仕掛けを通じ、鑑賞者が作品に潜むコードを読み取り、自らの物語を紡ぎ出す、思考実験的な展覧会空間だ。ぜひお見逃しなく。

System of Culture「Exhibit 8 : Pieces of Narratives」
会期/2025年11月12日(水)〜12月27日(土)
時間/12:00〜19:00
会場/MAHO KUBOTA GALLERY
住所/東京都渋谷区神宮前 2-4-7 1F
休廊/日・月・祝日
URL/https://www.mahokubota.com/ja/

Text:Akane Naniwa

 

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